不思議話

その1        UFOそして・・・

わたしは子供の頃、よくUFOがあらわれる某団地に住んでいました。
今ほどUFOは市民権を得ていませんでしたが、学校に円盤が写った~と
写真を持ってくる子がいたりしました。

わたしも団地で2度ほどUFOを見ました。
そのうちのひとつの体験は、とても印象的なものだったので、
お話したいと思います。

中学1年生くらいの時だったと思いますが、
わたしは、家庭教師の大学生に家で勉強を見てもらっていました。
友人と一緒に見てもらっていたので、その友人の家とわたしの家と
交互に通ってもらっていました。

友人の家でのことです。
彼女の家は、団地の4階。3人で机をかこんでいましたが、
わたしの席は窓サッシに向かい合ったものでした。
そこからは、となりの棟と空が見えました。
南の空です。
辺りが薄暗くなる頃、その空に
金星の数倍はありそうな輝きを発する星がでていました。
こんな方角にこんな明るい星?と思い、
皆に話したのですが、星でしょ、のひとことで片付けられてしまいました。
わたしは気になって、さらにちらちら見ていたのですが、
あたりが真っ暗になっても、それはまだそこにありました。
なぜ星なのにそこにずっとでているの・・・?

と思った瞬間、それはいきなり上昇をはじめました。
続いて今度は90度に曲がり、こちらに向かって飛んできました。
オレンジ色の光の球です。
円盤だ~と窓に駆け寄りましたが、団地の上空を越えて
反対側へ。
追いかけて外に行きたかったけれど
友人の母親に、そんなもの飛行機に決まってるでしょ!
と一喝されて、追うことはできませんでした。

後になって考えてみると、
あのUFOは、わたしに合図を送っていたとしか思えないのです。
自分の星に帰るから、あいさつに来たのかな・・・。

わたしがUFOに興味を持ったきっかけは、父の影響です。
父は、まだUFOという言葉も知られていなかった時代に、
空を駆け巡る不思議な物体を見たのです。

終戦の翌年、中学2年生だった父は、小学校5年生の弟を連れて、
五島列島に住む、知り合いのところに遊びに行きました。
まだ戦後の混乱が残る時期に、子供2人で東京から出かけたというのですから、
よい度胸だと思います。弟には、ついて来れば大丈夫と安心させたようですが、
内心は、ひやひやものだったみたいです。

五島列島では、イカ釣り舟を、夜眺めるのが名物だったらしいです。
皆で浜に並んで見ていると、
イカ釣り船と見えた光が、縦横無尽に空を舞い始めたというのです。
あれはなんだ!何だか知りたい、という思いを
父はずっと持ちつづけました。
空飛ぶ円盤が世に出たとき、父はこれだったのか、と嬉しくなったそうです。                     
父は、教師と言う職業がら、話を大きくしてしまう、ちょっと
ほらふきなところもありましたが、この話だけは
ウソ偽りのないことだ、と叔父も言っています。
教師とは言っても、大人相手の仕事だったので、
父は小さい子供に対してどう接してよいのか、よくわかっていない
面がありました。
そうであっても、わたしは父から多大な影響を受けました。
彼が聴いていた、幅広い音楽を、わたしも好きになったからこそ、
今、音楽を仕事そして趣味にしているのだと思います。
わたしに向かって、何かを語るということはほとんどありませんでしたが、
心から音楽を楽しんでいる姿が、今でも目に浮かびます。

1999年4月25日に、父は亡くなりました。
この少し前に、甥っ子と、姪っ子がメキシコ旅行に
行っていました。(父から見ると孫ですが)
このときの写真にUFOがうつっていたんです。
どこかの遺跡で撮った、何枚もの写真に
ぼんやりと、でもハッキリうつっていました。
2台のカメラのどちらにもうつっていましたから、
間違いないと思います。
父は薬で眠っている状態でしたから、これを伝えることは
残念ながらできませんでした。
もし元気だったら、当然興味を示してくれたはずです。
他の家族からは、そんなのUFOだろうとなんだろうと
どっちでもいいよ、という反応しか返ってきませんでした。
このときのUFO、父が昔ブラジルで撮ってきたUFOに
そっくりでした。白っぽい金属の球体です。

再び団地の話にもどりますが、
小学生の頃、おかしなことがありました。
夜眠っていると、金縛りとは違うのですが、
まるで動けない自分に気づきました。
意識ははっきりあって、体を調べられていることを感じました。
朝になって体を見回しても、何の異常もありませんでしたが。
ただ母が、なぜかベランダのポリタンクがさかさまになって
これ見よがしに置かれていたことを、不思議そうに
話していました。
わたしの身に、いったい何があったのか、
知りたい気もしますが・・・ちょっと恐い気もします。
当時3歳ぐらいだった妹も、岩石人間?に
光線をあてられて、しばらくその記憶を失っていたことを、
後で思い出したなどと言っていました。
その話を母にしても、とりあってはくれなかったようですが。

10代の頃買っていた、「UFOと宇宙」という雑誌が、
今でも何冊かわたしの本棚にあります。
たまに取り出して、いろいろとりとめもなく
考えてみたりします。

UFOは、わたしの人生にまた関わってくるのかもしれません。

                     


                    



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