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ふつうの生活 ふつうのパラダイス

2006.08.01
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昨日『テルーの唄』がすごいって言う記事を書いたけど、そのあとよくよく調べたら、この詩は実は荻原朔太郎の詩がもとネタだと知った。

がっくーーーーーん。

ショック !! です。

なるほど。いいなと思える表現の部分は朔太郎のもの、そのまんま。
うーん。こうなると、宮崎吾朗の才能は果たしていかほどのものか。しかし、ジブリでは、別にこの事実を伏せてはいない。『ゲド戦記』製作過程をつづったブログの文書の中にも書いてあるし、楽天の広告のレビューにも書いてある。

こうなると、これははたして、なんなのか。盗作とはちがうものなのか。
ある意味模倣に近いのか。
すばらしい作品に出会うとどんな有名な芸術家でも、いくらかの模倣を自分の作品の中にとりいれてしまうものだ。と、なると、著作権や、独創性をどこまでで、ラインをひいたものだろう。
うむむむむむむむ。

というわけで、実際の詩を見てみましょうね。


荻原朔太郎 『 こころ 』

こころをば なにに たとへん  
こころはあじさゐの花
ももいろに咲く日はあれど  
うすむらさきの思い出ばかりはせんなくて。
こころは夕闇の園生(そのう)のふきあげ  
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああこのこころをば なにに たとへん

こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり。


そして、『テルーの唄』の歌詞です。

夕闇迫る雲の上
いつも一羽で飛んでいる
鷹はきっと悲しかろう
音も途絶えた風の中
空を掴んだその翼
休めることはできなくて

心を何にたとえよう
鷹のようなこの心
心を何にたとえよう
空を舞うよな悲しさを

雨のそぼ降る岩陰に
いつも小さく咲いている
花はきっと切なかろう
色も霞んだ雨の中
薄桃色の花びらを
愛でてくれる手もなくて

心を何にたとえよう
花のようなこの心
心を何にたとえよう
雨に打たれる切なさを

人影絶えた野の道を
私とともに歩んでる
あなたもきっと寂しかろう
虫の囁く草原を
ともに道行く人だけど
絶えて物言うこともなく

心を何にたとえよう
一人道行くこの心
心を何にたとえよう
一人ぼっちの寂しさを

(JASRAC許諾第J050912808号)


かなり、フレーズをそのまま使っている部分がある。

特にこの歌で一番の売りの部分は「心を何にたとえよう」の部分。
私もこの部分が一番すごいなと思ったので、それがそのままもとネタからの引用と知っちゃうとなんだかちょっと感動が薄れます。朔太郎はやはり、詩人として有名を馳せただけのことはありますね。プロの詩人としての言葉の使い方、表現はすごい。宮崎吾朗はこの詩との出会いがなかったとしたら、はたして、どんな詩を書いたんだろうか。

ただ、『テルーの唄』は歌詞だけじゃなくて、谷山浩子の曲と手嶌葵の声の三拍子そろってはじめて成立しうる感動なので。そして、朔太郎の詩だけ読んでも、涙が出るような感動はうけないし、人生の孤独まではこの詩に表現されているかどうか私にはわからない。
そういう意味で朔太郎の詩から、多くの人がこの曲を聞くだけで感動するような歌にまで作り上げているその力量はすごいのかもしれない。
彼一人の仕事なのか、ジブリスタッフの仕事なのか。ジブリの中でこれから、彼が、どうジブリらしさと自分らしさを上手く融合させて表現していくのか。そして、今まで以上のものを生み出しうるものなのか。

        /ゲド戦記・オリジナルサウンドトラック


ところで、この二つの詩の関係は、映画とその原作の関係に似ている。
映画監督は原作の設定とエピソードの中から、自分の気に入ったものだけ拾い上げて原作とは全く違う自分なりの作品を作ってしまう。
人気のある原作や、すばらしい原作の場合は、大概不評を浴びる事になる。
しかし、一読しても何が書いてあるのかさっぱりわからない原作や、なんだかつまらない原作がものすごく面白い映画に変身させられたら、その監督の技量はすごいと思うのだけど、そういう監督いますかね。
そういうところに小説を映画にする醍醐味があると思うんだけどね。
私はそういう映画を期待したいし、そういう監督を期待したい。

さてっと、劇場が混んでませんように。



      ゲド戦記歌集


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最終更新日  2006.08.01 09:28:24
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