テーマ:DVD映画鑑賞(13597)
カテゴリ:外国映画 ら、わ行
ハンニバルのシリーズでは、最初に書かれた作品らしいのだが、映画化ではシリーズ三作目。以前他の役者で作られたのだが、アンソニー・ホプキンスの当たり役になったことで、もう一度作られたようだ。
前二作『羊たちの沈黙』や『ハンニバル』に比べると、あまり残虐な画面は出てこないし、犯罪をおかす犯人にも恋人があらわれたりして、救いのある優しめのストーリー作りになっている。それでももちろんハードだと思うけど。 主人公グレアムがハンニバルと対決し、その後難事件解決のアドバイスを受けるために収監されているハンニバルに何度となく会いに行って相談するあたりは、『羊たちの沈黙』と同じ展開。原作はこちらの方が先に作られているのだが、映画は『羊たちの沈黙』のあとなので、レクターが拘留されている独房のつくりとか、それを管理しているドクターチルトンとか、ほぼ同じセットや役者がつかわれているし、ラストにクラリスが登場するフリがでてきたりして、ちょっとおもしろい。 ストーリーのテーマはやはり、前作と同じように残酷な連続殺人をする犯人が実は幼少期に祖母によって虐待されていて、その心の傷によって殺人を行っていくというもの。ただ、実際にころされた被害者の場面を映し出すシーンがすくなく、人殺しをしたレクターが自分の客にその被害者の肉を食べさせるなどの想像するとこわいけど、はっきりそのスプラッターな場面がなくて、前作よりやさしいつくり。 その分刑事グレアムの活躍ぶりが見事で、なかなかおもしろかった。 ただ、物語として残酷さが薄い分、読者や観客にテーマを訴えるには、弱かったのかもしれない。 それゆえに書かれ直された『羊たちの沈黙』でも、作者は児童虐待が連続殺人犯を生み出していることを訴えているのだが、どの程度つたわったのだろう。 ただ、近年のアメリカにおける児童虐待防止法の厳しさはいろいろと聞いてみると、相当にすごいものがあって、やはりアメリカでは児童虐待が連続殺人鬼を生み出すことが認識され始めて、そのための対策として相当強化されるようになってきているのだと、これらの作品でわかったしだいです。でも、あの法律はちょっと親にはハードすぎるかもしれない。実際の状況など、アメリカで子育てした人たちの話をきいていると、私はちょっとアメリカで子育てしたくないなあと思います。厳しすぎるもの。実際のところ、児童虐待はなくなってきているのでしょうか。 児童虐待だけでなく、いろんな意味でアメリカが落ち着いてくれるといいなあと思います。ハードな国なんだもん。 レッド・ドラゴン@映画生活 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年02月20日 19時35分25秒
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