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2008年05月26日
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カテゴリ:読書ノート
タイトルのわりに、この本のほとんどは松田聖子のことが多くて、中森明菜のことは少ない。

私は、二人とも、好きなんだけれど、明菜ちゃんの歌も踊りも、笑顔も好き。キャラクターイメージとして、つっぱりと、暗い恋の歌の多い明菜ちゃんが、一生懸命、本当の私は違うんだよと、言おうとして、作る笑顔が好き。

ツッパリがテーマの歌が多かったせいで、なぜか、悪評の多かった明菜ちゃん。

俳優が映画で殺人犯や悪役をやったからって、誰も、その俳優が殺人者や犯罪者だとは思わないのに、どうして、明菜ちゃんはツッパリの歌を歌うだけで、つっばりとか、生意気とか思われたんだろう。

アイドルというのは、歌と一緒のキャラクターイメージを売っている商売だからだろうか。
山口百恵は、自己主張をしはじめたとたんに寿退職をしちゃったから、それ以降あまりたたかれずに、いいイメージを残したけれど、彼女によってはじまった、アイドルの自己主張は、それ以降、松田聖子、中森明菜、小泉今日子たちによって、引き継がれていく。アイドルの自己主張と、同時代のふつうの女の子たちの変化は、平行しているかもしれない。

アイドルは一年、長くて二年しか持たないといわれたけれど、あんなおじさん趣味のかわいくない女の子ばかり選んでデビューさせてたんだから、当たり前だと思う。

明菜ちゃんは真冬の寒い時に、夏に出すレコードの写真を撮るために、冷たい海に入れと言われて嫌だと言ったそうだ。そういう行動が彼女をわがままといわせたらしい。けれど、いくらアイドルだって、冷たい水に入るのが辛いのはあたりまえだ。それまでの命令すればなんでも言うことを聞いたアイドルたちとは、違った。言うことに従わないアイドルはたしかに、スタッフにすれば、困りものかもしれないけれど、別になにも、無理して海にはいらなくたって、他の方法で、夏のイメージをだす状況設定の写真を撮ることは出来たはずだ。夏、イコール海なんて、そんなことしか思いつかないスタッフ側のイメージの貧困、能力のなさは、どうなんだろう。

アイドルの歌番組を見ていて、いつも思っていたのが、アイドルたちの着ているおそろしくとっぴでへんちくりんな服の数々。今みなおしてみると、小泉今日子の服もひどい。デビューの時は、ドピンクのふりふりドレス。ちっょと信じられない。そのあとの、「トップテン」の服もどれも、ひどいセンスだ。当時、「なんだろうこの変な服は。アイドルだから、仕方ないのかなむと思っていたくらい。しかし、よくよく考えてみれば、芸能事務所のスタッフたちが考えているわけで、なんて彼らはファッションセンスがなくて、ひどいのだろう。アイドルを売るのにどうすればいいか考える前に、もう少しセンスをみがく勉強をした方がいいと思う。

聖子ちゃんや、明菜ちゃんは、自分で自分をコーディネートしていたので、いつもかわいくて、素敵な服を着ていたけれど、それ以外のアイドルたちは結構ひどいものが多かったような気がする。
聖子ちゃんが着たいと思うピンクのフリルのドレスと、芸能プロダクションのスタッフのイメージするピンクのフリルのドレスは、同じようでいて、実はぜーんぜん違うのだ。

いまでこそ、センスのいい先端的な着こなしとファッションの小泉今日子も、デビュー当時はかなり悪趣味な服を着せられ、聖子カットをして普通のかわいい笑顔のアイドルを演じさせられていたように見える。松田聖子はあえて、自覚的にかわいいアイドルを演じていたけれど、他のアイドルたちは、まだまだ、スタッフの言うことに逆らえなかったのかもしれない。そんな中でまさに、自分らしさ、脱かわいい系アイドルを目指して、悪戦苦闘していたのが、小泉今日子なのだなと、今になってよくわかる。突然脱聖子アイドル系を思って、髪をカリアゲにしてみたり、甘ったるい恋の歌ではなく、まさに自己主張をする女の子を歌い始める。自己主張するアイドルという売り方が始めて表立って、わかりやすく表現され始めたのがまさに小泉今日子だったのだなと、再確認しました。

ところで、最初から自己主張していたために、周りの反感を買って、芸能界でずっと居心地の悪い思いをしていた明菜ちゃん。生き方はうまいけど、演技の下手な聖子ちゃん。歌も演技もうまいのに、生き方が下手な明菜ちゃん。
本当はすごい才能があるのに、どうして、この子にはいい補佐役の人がいないんだろうといつも思っていた。
明菜ちゃんはものすごく感受性が高い。だから、あの若さで、あれほどの演技力と表現力のある歌が歌えたんだろうに。「これほどの才能のある子がどうして、フォローしてくれる人がそばにいないのかな、かわいそうにな」と思っていた。聖子ちゃんの場合は、どうやら松本隆が、彼女の歌の作詞だけでなくて、『松田聖子』という商品のプロデュースと、聖子ちゃんの心理的なフォローを引き受けていたようなのだ。
だから、聖子ちゃんはファッションや、髪型は、自分で考えたけれど、歌に関してはすべて、松本隆に任せてほとんどクレームは言わなかったらしい。

でも、明菜ちゃんはあれほどの売れっ子なのに、どうして、大切にしてもらえなかったのだろう。

聖子ちゃんのラッキーは、きちんとした家庭で育てられ、両親に大切にされたのと、一応高校は出ていること。デビューした時期が18歳と、ある程度大人になっていたこと。

明菜ちゃんの場合は、家族の多い家庭で、にぎやかに育ってはいたかもしれないけれど、保育園より、バレエ教室を優先したり、学校や、勉強はいい加減なのに、テレビだけはきっちりみせていて、母親が子供を計画的に芸能人にして、稼がせようと画策していたのがわかる。だから、デビューの時もたぶん、一番契約金が高いという理由で所属する事務所を決めていて、内容や、事務所の力は、二の次になっていただろうと思える。

才能があるのに、それ以降いろんな不幸がなんとなく、彼女の周りに絡んできて、歌もだんだん悲しいものになっていった。

『瑠璃色の地球』という松田聖子の歌は、聖子ちゃんが歌うと、子供をもった母親がわがこのために、地球の環境保護や、平和を願う未来への明るい展望を感じさせる歌だ。

それを明菜ちゃんがめずらしく、カバーしていて、ネット動画で見つけた明菜ちゃんのうたう、『瑠璃色の地球』は、同じ歌なのに、すごく悲しくて、さびしげで、同じ歌とは、思えないほど違う。未来への明るさがまったく感じられないのだ。おなじ歌が歌手によってここまで違うのかと驚いた。

歌が下手でもかわいいからという学芸会のようなアイドル市場という『場』があったことで、本当に歌のうまい二人の歌姫が出現することが出来た。

聖子ちゃんも明菜ちゃんも、才能がありすぎて友達がいないんじゃないのかと思えるんだけれど、才能ゆえにトップにたつものの孤独を知るトップアイドル同士、この二人同士でなら、本当の友達になれそうなのになーと思った。かつての百恵ちゃんたち花の中三トリオは、年もデビュー時期も一緒で、お互いに同じくらい才能があって売れていたので、仲良くすることで芸能界で暮らす孤独を紛らわせることができたけれど、聖子ちゃんと明菜ちゃんは、年もデビュー時期も違うせいで、友達になりそびれちゃったみたい。

でも、明菜ちゃんは聖子ちゃんにあこがれてて、尊敬してて、好きなんだと思う。二人がもう少しタイミングよく、仲良しに慣れたら、明菜ちゃんの青春時代はもう少し幸せだったかもしれないのにとも思う。

聖子ちゃんや、明菜ちゃんや、今日子ちゃんを見ていると、アイドルが、あるいは、ふつうの女の子が、自己主張をすること、自分の意見を表に出すこと、そしてそれを人にわかってもらうこと、自己主張しつつ、他の人と上手に関わって生きていくことはむずかしいんだなと思う。


関連記事↓

『松田聖子と中森明菜』その1

『松田聖子と中森明菜』その2

『松田聖子と中森明菜』その3

                   










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最終更新日  2008年05月26日 09時53分27秒
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