カテゴリ:まんが
伝説の長編SFの文庫化なんだそうですが、いまどき、宇宙でのすったもんだの戦争のお話なんかを読むとすこぶる白々しくて陳腐だ。私が若い頃は、アポロが月まで飛んで、人類の未来は、宇宙へ出て行くことだったのに、いざとなってみると、NASAは、予算不足で縮小気味だし、ソ連はなくなっちゃったし、なんだか、宇宙開発なんてどこ吹く風。宇宙戦争なんて、『スターウォーズ』みたいなこと、とてもじゃないが、おこりそうにない。 そう思ってたら、この本のあとがきで作者自らが、そう自白していて、うーんやっぱりそうだよね。と、思った。今時の若者は、自動車なんかには、興味を示さなくて、免許も取らないらしい。実際、うちの息子も免許なんてものには、とんと興味を示さない。小さい頃から親の車に乗せられて連れ回らされて、車は乗せられるものではあっても、自分で乗るものではないらしい。というか、子供時代ですでに、満足して、飽きちゃってて、満腹なのでしょうね。機械が当たり前のように日常の生活の中にある環境で育った彼らには、私たちが若い頃、これからどんどん世界が機械化されていって便利になっていくことへのわくわくした期待感なんてものは、ないらしい。 だからもう、いまさら、スペースオペラも、スターウォーズも、スタートレックも宇宙戦争も若い人たちには、当たり前すぎて未来なんてないみたい。 どうも、人類は、宇宙開発には、二の足を踏み始めたような。他の星に移住しないなら、もっと地球を大事にしないとね。第一爆発的に増えるはずだった人類も、すでに先進国では、少子化し始めて、減少の兆し。 もっとも、恐ろしいのは、水なのですが。昔は予想もしなかったけれど、よくよく考えてみると、人類がロケットを作って宇宙に出て行くということは、地球というカプセルの中から、貴重な水を持ち出してしまうという恐ろしい事実。地球に生命があるのは、なんといっても水があるから。この水が、地球というカプセルの中で、順繰りにめぐっているぶんには、どんなに無駄遣いしても、なくならないものなのだが、一旦、宇宙に持ち出したら、二度ともどせないし、地球の中の水がなくなったら、地球という環境のバランスはくるってしまう。水のない地球は、すでに、生命の星ではなくなってしまう。 だから、地球の水を確実に維持することを考えたら、宇宙開発はやらない方がいいはず。人類は宇宙になんかいかないで、地球の中におとなしくおさまっていた方が。それとも、他の星で、水の分子Hを、見つけられるのだろうか。 まったく宇宙に出ることなく、最終的な滅びに至るまで、地球の中で、引きこもりであり続ける人類って、こわいのか、普通なのか。微妙だ。 そんなこんなで、いまさら読むと、いろいろ矛盾だらけだし。素直に楽しく読めないものになってしまった、SF漫画。作者のいうとおり陳腐だし、細かいところでいろいろ矛盾だらけ。 それでも、この作者さんの漫画は、絵がしっかりしていて好きなのですけどね。 とりあえず、物語は、アステロイドベルトに殖民したベルターたちと、地球を支配する巨大コンピューターオーバーロードとの対決。そして、銀河の反対側からやってきた、機械生命体たちとの対決。機械生命体なんて、『トランスフォーマー』みたい。たぶん、この漫画の方が先。というか、この頃の漫画には、当たり前のように出てきた存在だと思うけど。 宇宙開発って、これからどうなるんだろう。 メガクロス(上) メガクロス(下) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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宇宙SF漫画って、懐かしいジャンルですよね。
戦争がらみじゃないのもたくさんありましたね。 萩尾望都さんの宇宙SFなんか、楽しんで読んだ記憶があります。 (2008年06月29日 07時27分06秒)
koalakoalaさん
>宇宙SF漫画って、懐かしいジャンルですよね。 ★ははは。すでにもう「懐かしい」になっちゃったんですね。 >戦争がらみじゃないのもたくさんありましたね。 >萩尾望都さんの宇宙SFなんか、楽しんで読んだ記憶があります。 ★うん。あのひとの作品は独特の面白さでしたものね。萩尾さんもSF大好きだったけど、今こんなふうになっちゃって、どう思っているのでしょうね。きになるところです。 (2008年06月29日 08時17分01秒) |
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