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2008年09月12日
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カテゴリ:映画★アニメ
物語に出てくる、ファーストインパクト、セカンドインパクト。そして、アダムの遺伝子をもつものと、リリスの遺伝子をもつものが接触することで起きるはずの、サードインパクト。

けれど、思うに、ファーストインパクトとは、物質的生命体の誕生、セカンドインパクトとは、知的生命体の誕生、そして、サードインパクトとは、精神的生命体の誕生なのではないかと、思う。

地球や、人類は、精神的生命体を生み出し、育てるためのイレモノにすぎないのではないかと、思う。環境破壊によって、地球の自然体系をこわし、環境破壊をする人類は、まるで、地球にすくう害虫のようであるけれど、もしも地球が、精神的生命体を育てるためのイレモノであるのなら。

空気と水をもつ、地球という環境は、全宇宙の中でも、生命を生み出し、はぐくむことの出来る、稀有な存在であり、そこでいくつもの生命の中から、進化をとげ、人類として誕生し、さらに他の生物がぜったいもたない知性をもった、唯一の生命。その知性は、歴史的変遷の中で、ほぼ全人類に知を行き渡らせることに成功する。それによってともなう、自我の苦しみ。けれど、それは、宗教という、暖かく居心地のよい繭をぬけだして、精神的な生命体へと、進化するための、産みの苦しみ、生まれ出づる苦しみであり、悩みであるのだと、したら。知性の進化をとげなければ、精神の進化に到達できない。

人類がやがて、精神的な生命体となって、究極の進化をするための過程であるのだとしたら。アニメオタクも、ニートもひきこもりもアニメオタクの殺人者たちもそのための、捨て駒であるのかもしれない。全ての人類は、究極の進化のための捨て駒であるかもしれない。そのための、土台であるのかもしれない。

けれど、進化した生命体が、意識を共有できるがゆえに、一つになってしまったとしたらそこに、自我は無く、個の存在、孤独ゆえの悩みも苦しみももたなければ、個は、消失してしまう。アダムからうまれた使徒たちが、アダムと、接触して、そして、消失してしまうのは、だからだととしたら、リリスの末裔である人類は、精神的な融合の後もなお、個であろうとし、そして、個であるゆえの痛みも悩みももちつつ、なお、他者が存在するゆえにこそ、自分が自分でいることを望み、そして、精神的な生命体となってもなお、孤独の痛みを伴いながらも、考えること、悩むこと、知性を持ち続ける生命体というものに変化しうる、リリスの遺伝子。闇と悪の要素をもったリリンの遺伝子。

光からできている使徒とアダム。闇から出来ているリリスと人類。正の数と負の数を足すと、ゼロになってしまうように、アダムとリリスが接触することで、全てが消失してしまうのか。

同じように、大人になることの出来ない少年たちを描き出した、『スカイクロラ』の製作者、押井守は、アニメは、サブカルチャーであり、若者たちへの教育も指導も本来メインカルチャーの仕事であると、言っている。けれど。今メインカルチャーとして認識されている小説だって、もとは、サブカルチャーの扱いであり、ただの、娯楽ものだったのだ。文字だけの表現方法である小説から、言葉、絵、音楽までも駆使して語るアニメーションという方法が、やがて、時代とともに、メインカルチャーへと、進化していくかもしれない。

知を獲得しながらも、本を読まない、今の若者たちへの、新しい時代新世紀のあらたなる福音書であるのがまさに、「新世紀エヴァンゲリオン」であるのだと、思う。

ロボット大戦アニメの形をまとって、実は、現代の若者たちへの、哲学の書、自我の覚醒と、獲得をその方法論を、ときあかしているのが、まさに「エヴァンゲリオン」なのだと、思う。

製作者廣野秀明氏は、そもそも、この作品の製作の初期においては、大体のすじと、数回分の話しか考えていなかったのだそうだ。自分自身の悩み、戸惑い、人生への自分への謎をそのままに写しだし、作り上げていった作品は、だから、廣野氏の、心の変化そのままに、物語は、進化していく。

とりあえず、ロボット大戦の形式を残したままの、最後の使徒を倒した24回目からあとの、25、26回目は登場人物たちの心理描写へと、姿を変え、見る側には不可解極まりない。けれど、製作者が一番作りたかったのは、この、25、26話こそであり、そこまでの物語は、そのための前哨戦、複線、準備段階、土台作りなのであろう。けれど、予算不足と、時間不足、熟しきらないままの煮詰まらないテーマのままのテレビ放送分は、物語を未解決で、謎のままに終らせてしまっている。その後作り直された、25話『AIR』、26話『まごころを君に』によって、やっと、物語にちりばめられた謎は、明かされていく。それでも、直、多くの謎を残しつつ、未完成でありながら、多くの高い評価をえて、そして、まだまだ、未完のまま、さらに、自我の追求の物語は、新しい形で、新しい映画となって、今年もまた、製作され、上映され、続きのシリーズを待つところとなっている。けれどこの作品が製作者の心の変化の投射であるのなら、製作者の死なない限り永遠に終ることのない、『終りのない物語で』あり、私たちの自我、アイデンティティへの問いかけも謎もまだまだ終らない。人類が、精神的生命体へと、進化するまでの道のりは、まだまだ遠く、果てしない痛みをともなって、世代の交代とともに、少しづつ、進化していくのだろうか。

ここまでなんとか、自力で書いてみたけれど、このアニメをみて、ほどなく、たまたま買った『悩む力』という本は、まるで、「エヴァンゲリオン」の解説書そのものであるかのようなのだ。この本を読んでいると、エヴァの中で、なぜ、シンジやアスカが苦しみ、悩み、叫んでいるのか。物語の一つ一つの表現の意味するものがなんなのかを、解説してあるような、本だった。

エヴァンゲリオンは、すばらしい映画ではあるけれど、こういう哲学入門の読みやすい本くらいなら、読めると思うから、アニメだけでなく、どうか、本も読んで欲しい。言葉でなければ表現できないものもあるのだ。悩みを知り、悩みを他者と共有しつつ、悩みを突き抜けて、進化して欲しいと思う。のだ。

そのきっかけとしての「エヴァンゲリオン」なのだと、思う。知を獲得することで、宗教という心の繭を失った人類への、新しく与えられた福音書(←「エヴァンゲリオン」という単語の本当の意味)なのです。

リリスの遺伝子から進化した人類のように、人類によって、覚醒させられたアダムの遺伝子もまた、使徒となって、順を追ってものすごいスピードで進化していく。アダムの使徒たちは、ドレも個体であり、唯一の多体使途であるのが人類なのだ。個であるゆえに悩みをもたず、知性をもたなかったアダムの使徒はその進化の過程で人類と接触し、人類から、知性を学び取る。知性を得た使徒はさらに進化して、最終形態としての、知性をもった生命になった結果、人の形をとるカヲルになる。しかし、一見、人の形はしていても、使途であるカヲルは、個体なのである。人類のように他の個体を持たない。唯一の個体の知的生命体であり、アダムの末裔である第17使徒カヲルは、人類、シンジとの接触によって初めて、他の存在に出会うことができる。「君にあえてよかった。ボクは君に会うために生まれたんだ。僕と君が出会うことは運命だったんだ。」と、カヲルは、言う。

個体であるゆえに、孤独を知りえず、自我の認識すらなかったアダムの使徒たちは、最後に始めて、個ゆえの孤独を認識し、自我を持つゆえの悩みを知り、知の世界に目覚める。

精神生命体が、精神だけで出来ているゆえに、一つのものであることが、孤独の寂しさをうしない、自我への問いかけを失うことで知性を失ってしまうのだとしたら。知性を失い、迷い考えることのなくなった生命体にその先の進化はない。

この物語の過程として、なぜ、地球にアダムと、リリスの遺伝子を月という形のものに乗せて落としたのは誰なのか、それは、どこか遠い星に住む、人類よりずっと進化した知的生命体なのではないかというものがある。それを人は神と呼ぶ。その生命体は進化を遂げて、精神的生命体にまでなった。けれど、精神的生命体となった時、全ての精神は融合し、個となったことで、知性を失い、進化を止めてしまった。個になったままでは、その先の進化が出来ないのだとしたら、精神的生命体となってもなお、自他を認識できる集合体の形を残したままの精神的生命体でなければならない。それこそが、神が地球に送ったリリスに与えられた使命(テーゼ)なのかもしれない。

天使というのは、人の体に羽が生えたもの。つまり人類の進化した姿のはず。物質である人間は、地球の引力にとらわれているけれど、肉体をはなれ精神だけの生命になった時、地球の引力からはなれ、宇宙空間にまで、飛び立てるものになる。それがまさに天使なのだとしたら。

生命はつねに進化していくもの。生命にあたえられた、命題、つまりテーゼそのもの。神が人にかしたテーゼ。羽を生やし、天使となって、そしてその先もなお、進化すること。神が進めなかったその先へ。

だからやはり、テーマ曲の中で、歌われる「その背中には、はるか未来目指すための羽があること。残酷な天使のテーゼ。窓辺からやがて飛び立つ。」と、歌われているのだ。進化は痛みを伴う残酷なものかもしれない。

そう考える時、なぜ、リリスの月が日本にあったのかわかろうというもの。キリスト教など世界の多くの宗教が唯一神、個体である中で、日本の地の宗教は、自然そのものを神とする多神教なのだから。

精神的進化を遂げて、神となっても直、多体でありつづける命。なのが、日本であり、地球であったのだとしたら。

精神生命体のその進化の先ってどんな生命体なんだろう。うーん。ぜんぜんもう、想像つかない。

自我の覚醒と獲得の物語『新世紀エヴァンゲリオン』その3に続きます。



             







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最終更新日  2008年09月12日 13時49分23秒
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