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●横溝正史の時代小説「緋牡丹銀次捕物帳 金座太平記」を読んだ。正史の戦前スリラー「夜光虫」を下敷きにした作品だというので、その点を自分で確認することが、今回の目的である。出版芸術社の『奇傑左一平』に収録されている。 結論として、これはまぎれもなく「夜光虫」の再話であった。冒頭の花火のシーンはそのままだし、人間関係やミステリ的ネタにも共通点がある。分量の関係で、エピソードはちょいちょい削られているけども。 他に気付いた点としては、この作品で書かれた金座潜入のエピソードが、後の「不知火奉行」にほぼそのまま再利用されている。そして「不知火奉行」は、冒頭のシーンが「夜光虫」の流用である。 以上、時系列で並べると 去年の十月に開催された「第三回横溝正史読書会」の課題図書が、「夜光虫」だった。その場で「金座太平記」のことも話題になり、いつか自分で確認してみなければ、と思っていたのだ。これでようやく、読書会から持ち帰った宿題をやり終えた気がする。
Last updated
2017/03/14 08:30:01 PM
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