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風来の森いろいろ日記

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Feb 13, 2018
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カテゴリ:ミステリ
夜想曲(ノクターン)
依井貴裕 著

役所勤め時代の同期の集まりが山荘で行われることになり、現在俳優をしている桜木も参加することに。
ところがそこで三日連続して殺人事件が発生。
なぜか事件当日の記憶がない桜木に、後日脅迫めいた手紙が届く。
それは桜木が犯人だと告発するものだった。
誰かの首を絞める生々しい記憶だけが残る桜木。
脅迫者の正体は!

単行本 「夜想曲 ノクターン」 依井貴裕 初版 【中古】

山荘での連続殺人事件は、ミステリ小説としてはなかなか面白い設定です。
ただ、いろいろと無理があるかな〜っと思ってましたら、そこが解決のカギでもありまして、ちょっと変わった推理小説です。

何者かが、桜木に事件の詳細を記した手紙を送ってきます。これは彼が犯人だと告発する内容でもあるわけですが、小説風にしたためてあり、これがこの小説の本文というか、読者はこの手紙の内容で事件を理解して推理していくことになります。
しかし桜木に事件当日の記憶があったとしたら、まったく意味をなさない手紙でもあり、また桜木以外の人は記憶があるわけですから、このあたりからオチだけは容易に想像できます。しかしそれを論理的に説明しろといわれると、そこで語られる内容一つ一つをいちいち疑ってかかって検証しないと無理かもしれません。

手紙という形で、一通り事件の内容を記したあとで、「読者への挑戦」というタイトルで作者からのメッセージが挿入されているわけですが、犯人がわかっている状態でも、手紙の内容の矛盾点に気づくのは至難の業ではないかとおもわれます。
考察力が試される推理小説です。





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Last updated  Feb 13, 2018 10:05:05 PM
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