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カテゴリ:ミステリ
小野不由美 著
夜ごと街に跋扈する魔物によって、幾人もの人が惨殺される。 新聞記者の平河が事件の謎を解き明かそうと奔走する中で、狙われたのは、やんごとなき家柄の跡継ぎだった。事件の背後に潜むものは人知を超えた魔物か、それとも・・・・。十二国記の作者による伝奇ミステリ。 ファンタジー要素が強いのかな?なんて事を思いながらよんでいましたが、意外に硬派な時代推理小説です。 指紋やDNAの鑑定なんてものがない時代を舞台にしたミステリは、カラクリを使った密室トリックもの等、文字情報だけでは理解しにくい作品も多く、その分事件の背景に潜む人間関係や動機の部分がしっかりしていないと、読んでも印象に残りません。 この話に出てくる犯罪は、大半が通り魔的犯行なので、本来であればトリックとよべるような要素が少なく、読み応えがないはずなのですが、そこに魑魅魍魎の類を用いることで、上手く謎を作り出し、話を面白くしています。 プロローグを読んで、てっきり妖怪ものだと思ってしまったので、その後のまじめな展開に、やや飽きを感じてしまいましたが、純粋なミステリだと知っていれば、もっと楽しめたかもしれません。(あまりに十二国記の印象が強かったので、はやとちりです) 宗教的なホラー要素を含んだ「黒嗣の島」のほうが、ミステリとしては入りやすいように感じます。 本当に怖いのは、人の心。そういう話かな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 17, 2018 02:21:55 PM
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