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テーマ:徒然日記(23642)
カテゴリ:その他
夏の騎士
百田尚樹 著 新潮社 あの夏、僕は「勇気」を手に入れた。 昭和最後の夏に経験した、謎をめぐる冒険、友情、そして小さな恋。 百田さんが、小説家としての最後の作品だとうたっていましたので、ネットで予約。 7月18日到着したのでさっそく読んでみた。 冒頭で「あれから31年の歳月がながれたが・・・・」という感じで、回顧録のような形で語られていく。 一人称のとても読みやすく、感情移入もしやすい作品。 百田版「スタンドバイミー」である。 ◆◆夏の騎士 / 百田尚樹/著 / 新潮社 小学生の主人公が、臆病な性格を直したいという思いで、友人二人とともに騎士団を結成する。 騎士はレディに愛と忠誠をささげるもの。 そこで彼らは、クラスのマドンナ的な存在である有村由布子を「レディ」とし、忠誠を誓うと宣言する。 また一方で、かつてこの地域で起こった女児殺人事件の調査に乗り出す。この辺りから、物語に危険な香りが漂い始め、スタンドバイミーのような冒険を予感させるとともに、ミステリ色も感じられいっきに話に引き込まれていく。 主人公らは、クラスの中でも落ちこぼれである。騎士団の存在も、クラスメイトたちからは嘲笑の対象でしかない。 なかでもクラスの嫌われ者である壬生紀子は、なにかと主人公につっかかってくる。なんだか気になる存在だ。 そんなあるとき、レディが騎士団に、自分への忠誠を試すためにある要請をしてくる。それは中学受験につながる模試を受け高順位をとるというもの。 騎士団は落ちこぼれの集まりなので、到底無理な話。勉強すると誓うも、結局誰一人として実行するものはいない。 そんな彼らに思いもよらぬ協力者が現れる。 これ以上は詳しくは書かないが、ここに文化祭というイベントが加わり、まさに青春小説の装いだ。 もちろん冒険、ミステリの核となる殺人事件の犯人捜しも続行してるわけだが、恐怖は突然意外な形で主人公に襲いかかる。 おそらく半分読んだら、途中でやめることはできないだろう。 しかし思わせぶりな描写から、とても悲惨な展開を予想してしまい、正直読むのがつらくなったりもした。 いや、もういい加減にしておこう。これ以上は書かない。 とにかく面白かった。作者としては、じっくり読んでほしいと願っているのかもしれないが、一気に読まずにはいられなかった。 読書感想文にはいいかもしれないけど、性的な描写もあるので小学校では扱いづらいかな、とも思う。 本当にもう小説は書かないのだろうか?だとしたら残念だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 19, 2019 07:33:30 PM
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