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カテゴリ:【本】ムーミン
11月から4月まで冬眠するムーミン一家。
しかしムーミンだけが目を覚ましてしまい、眠れなくなってしまう……というお話。
『新装版 ムーミン谷の冬』 ヤンソン 講談社文庫
以前のブログにも書いたのですが、江國香織さんの『やわらかなレタス』というエッセイ集に、この本のことが書いてあったのがきっかけで購入しました。
ムーミンにとって、冬は初めて。 初めて出会う人々も大勢いて、ムーミンは
「みんな、いろんななやみがあるんだなあ。」(p.123) 「生きものってものは、なんてさまざまなんだろう」(p.132)
と思いますが、これは人間の世界でも同じだなと思いました。
印象に残ったシーンは、月夜の冬の大かがり火のところです。
まるまる1ページ使ったイラストには、山の上で燃え盛る炎と、それを囲む得体の知れない者たちの影。 そして、それらを見上げるムーミンの姿が描かれています。
冬にしか暮らす場所を持たない、内気で変わり者な彼らが、かがり火の周りを跳ね回る……。 普段は隠れている者たちがぞろぞろ集まり、月夜の山でおどる姿がいつまでも心に残ります。
また、キャラクターでは
・悪者にされるモラン。 ・物憂げな小さなやせ犬、めそめそ。 ・みんなに嫌われていることに気づかないヘムレンさん。
が印象的でした。
特にモラン! 「きっと、モランのしわざだぞ。」 「モランにふみつぶされるといけないから」 などと、何かと悪者扱いされています。
そもそもモランとは、どのようなキャラクターなのか。 気になってムーミンの公式サイトを見てみると、
「ムーミン谷の住人たちから恐れられる、女の魔物。モランはいつもひとりぼっち」 「モランについてよく知る者はおらず、誰もモランのことを好きではありません。」
とのこと。かわいそうなモラン……。
しかし、サイトには
「小説『ムーミンパパ海へいく』で、モランとムーミンたちの関係は大きく変化します。」
とも書かれていて、良い展開があるようなので、期待して小説を読み進めていきたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.07.30 00:10:06
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