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カテゴリ:【本】社会の生きづらさ、社会の現状
今の日本で話題を集めている言葉を軸に、7つのテーマについて書かれた本。
『親ガチャという病』 宝島社新書 宝島社 2022年
本のタイトルにもなっている「親ガチャという病」以外のテーマについても書かれています。 各章のタイトルとそれぞれの識者は、以下のとおりです。
第1章 親ガチャという病 生きづらさのなかで固定化されゆく“自己像” 土井隆義(社会学者)
第2章 無敵の人という病 「真犯人」は拡大自殺報道を垂れ流すマスコミ 和田秀樹(精神科医、評論家)
第3章 キャンセルカルチャーという病 被害者への過度な感情移入が議論をシャットアウトする 森達也(映画監督、作家)
第4章 ツイフェミという病 フェミニズムを攻撃や誹謗中傷の「隠れ蓑」にしてほしくない 室井佑月(作家)
第5章 正義バカという病 スケープゴート叩きの裏に潜む「不都合な真実」 池田清彦(生物学者)
第6章 ルッキズムという病 「相手ファースト」で委縮し“素顔”を覆い隠す若者たち 香山リカ(精神科医)
第7章 反出生主義という病 「人生の虚しさ」の大衆化により蔓延している苦しさ 中島義道(哲学者)
章が違っても、例えば ・「相手を論破する」「叩く」方向にだけ向かい、議論ができない。 ・正義か悪か、単純ではないのに区切って当てはめようとする。 など、共通して出てくる話題もありました。
第1章以外はインタビュー形式なのですが、みなさんそれぞれの個性が出ていて、言いたいことを言っている清々しさがあります。
だからなのか、窮屈な今の日本の空気が詰まっていながら、読み終わるとモヤモヤではなくどことなく解放感のような……スッキリした感覚でした。
ところで、第3章に出てくる「キャンセルカルチャー」という言葉をこの本で初めて知ったのですが、ご存知でしたか? 私は、てっきり飲食店の予約を無断キャンセルすることかと思いましたが、全然違いました。 「当人が過去に起こしてしまった問題について、糾弾し表舞台から退場させる」(p.92)ことのようです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.05.12 08:12:54
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