【本】感想『「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本』
今回の記事は3,000文字以上書きましたが、私の読解力不足のせいで、まとまりがないものになってしまいました。それでもいいよという方は、引き続きお付き合いください。 『「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本』(著者:大嶋 信頼さん)の感想です。「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本 [ 大嶋 信頼 ]以前のブログ【HSP】友達が少ない。でリンクを貼った本のうちの1冊です。 ネットでこの本のレビューを見ていたら、興味深いレビューがあったので、気になって購入しました。 大人になってから、友達について考えたい時にぴったりの本です。 友達100人できるかなという歌詞の童謡があったり、みんな仲良く、と教えられてきた子ども時代。 そもそも自分にとっての友達とは、どんな人か?「自分が思い描く友達像」は?「理想の友達」は?友達と付き合う上で何が大切か? など、大人になった今、この本を通して改めて考えることができます。 もっと早くこの本に出会っていれば、この文章を読んでいれば、この本で言う「パーソナル数値」が大きく違うあの人とも、まだ友達だったかもしれない。読みながら、そのように思うこともありました。 2019年に出版された本なので、もっと早く出版されていれば、というところですね。 友達関係で悩んでいる方にとって、「努力しなきゃいけない関係って、本当に友達っていえるの?」という言葉は、はっとさせられるのではないでしょうか。 【友達作りが苦手な原因】 以前のブログ【HSP】友達が少ない。で私は「友達が少ない理由について、自分自身に何か問題があるというよりは、HSPという気質が大きく関係しているかもしれません。」と書きました。 この本では「他人との関係づくりが苦手な場合、「自分ではどうにもならない部分」に原因があることも少なくない」と書かれていました。 【どうにもならないこと】 自分で直すべき性格、行動、クセなどがあれば別ですが、自分でいくら努力しても、どうしようもないこともある。それを子どもの頃に知ることができたら……と思ってしまいます。 とはいえ子どもの頃は、あらゆることに挑戦して失敗するという経験が必要で、それが後々の人生に役立つということもわかっているつもりです。それでも、努力とは関係なく自分ではどうしようもないこともある、と分かっているのと分かっていないのとでは、心の持ちようが違うと思うのです。 例えば、この本に「信頼を築く際に重要な役割を果たしている」ホルモンである「オキシトシン」の分泌について書かれているのですが、オキシトシンは、生まれ順と性別が影響している可能性があるということ。これには驚きました。 著者がカウンセリングで得たデータをもとにした考えだそうですが、「母親にとって抱きしめやすいのは、第一子は男子」とのこと。 私は第一子で、女です。もし私が男だったら……と思ったところで、生まれ順も性別も、誰にもどうすることもできないですよね。 このように、自分ではどうにもならないことも、人間関係に影響しているのだとしたら。自分のせいだけではないと思えて、少し気が楽になりませんか? これはつまり、友達が少ない自分を正当化するというよりは、客観的な事実として、こういうことがあると知っているだけで、良い意味で諦めがつくというか。どうにもならないことだし、しょうがないか。と割り切れるというか。 それにより、友達が少ないこんな自分じゃだめだ、と自分で自分を否定することもなくなると思うのです。 そもそも、「友達が少ないのは深くつき合える人を求めているから。」ということもありますし。 【「脳でつながっている」という考え方】 一方、友達と「脳でつながっている」という考え方は、最後まで読んでもよく分かりませんでした。これが、この本を購入するきっかけのレビューに書いてあったところで、おそらくこの本の根幹部分なのですが……。 この考え方は、私のように友達が少なく、友達とほとんど会わない人にとっては都合のいいものだと思います。しかし、自分の脳内で自己完結してしまっているところに、危うさを感じるのは私だけでしょうか。 例えば著者は、「私が「友達」と思ったらその人は私の心の中でかわらずずっと友達でい続けてくれる。」と書いています。 「人から見たら、「それって一方的な関係なんじゃない?」とまるで片思いのような存在に思われるかもしれません。」 それに対して、「片思いの輪が広がったら、いつしかお互いが「友達」と認識するようになって片思いじゃなくなるのです。」と書いています。 しかしこの考え方は、この本で著者の考えを読んだかどうかに左右されるのではないでしょうか?もし読んでいなかったら、「片思いの輪」がそもそも広がらず、片思いのままだと思うのですが……。 「自分には友達はいない」と思っていた著者は、この本を書くことによって友達がいたことに気づいたそうです。気づいたばかりということですから、今後、何年経っても「脳でつながっている」という考え方でも支障がないことを知りたいなぁと思いました。おそらく著者も、私も、支障がないのだろうとは思うのですが。 一方で、心の中で連絡を取り合っている友達であっても、「私の友達は私をしっかり支えて私を成長させてくれました」と答えられる著者の、その考え方は素敵だなぁと思いました。 結局、客観的に見たら友達が少ない、もしくはいないように見えても、自分で自分を肯定できていることが、何よりも大事なのだと思います。 著者は「友達ができると自分の中に確固たる自信ができる」と書いています。自分に自信を持ち、自分を肯定する。それができるなら、「脳でつながっている」という怪しげな(ごめんなさい)考え方も、ありかもしれません。 【私の友達と、友達像】 ちなみに私が友達だと思い浮かべるのは、4人います。高校時代の友達2人と、大学時代の友達2人です。 私の友達像とは、お互いのことをある程度知っていて、たまに生存確認ができればいい。しょっちゅう連絡を取り合わなくていいし、会わなくていい。というもの。 先ほどの4人は、この友達像に該当していて、だからこそ私は「友達が少なくても満足している」のだろうと思います。 【気づいたこと、わからなくなってきたこと】 ここまで書いて改めて本を読み返すと、下記のように書かれています。 「信頼感で結ばれた友達は、ひとりでもいれば自分の支えになります。友達が少なくても満足そうな人には、信頼できる友達がいるはずです。」 「ひとりでいても平気そうに見える人も同じです。離れていても、どこかに「本当の友達」と思える人がいるのでしょう。その人のことを思い浮かべれば、いつでも頭の中でつながることができる……。それがわかっているから、一緒にいなくても不安やさびしさを感じないのです。」 そのように書かれていました。 私は「挨拶しただけで友達」という考え方や、著者が講演会で握手をした人のことを「この人は私の友達だ」と思ったような、あまり知らない人でも友達だと思えることについては疑問を持っています。 でも一方で、お互いのことをある程度知っている友達については、先ほどの4人が友達像に該当していることの他に、私が4人と既に「脳でつながっている」状態だったからこそ、友達とほとんど会わない現状でも満足しているのかもしれないと気づきました。先ほど自分で「怪しげな考え方」と書いていたのに……。 つまり、脳でつながるといっても、1. あまり知らない人に対して、一方的に友達だと思うこと。2. 既に知っている人を頭の中で思い浮かべること。という2種類に分類できるということでしょうか? そして私は、1.については疑問視しているけれど、2.は実践済みだったと。 私の読解力が無いせいか、考えれば考えるほどわからなくなってきました……。うまくまとめられずにごめんなさい。 ずいぶん長く書いてしまいましたが、以上が、この本を読んで考えたことです。 この本のタイトルに書いてある「本当の友達がいなくてさびしい」と思っているわけではないものの、読むことで友達について考えるきっかけになりました。そして人付き合いが苦手な私は、きっといつまでも、この本を手元に残しておくでしょう。 「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本 [ 大嶋 信頼 ]「本当の友達がいなくてさびしい」と思ったとき読む本【電子書籍】[ 大嶋 信頼 ]