2005/03/01(火)00:39
宮尾登美子の大奥小説
一日中眠いのは、春だからでしょうか。ウトウトするとゴロンと横になって、つい、うたた寝してしまいます。で、やろと思っていたことが出来ずじまい。はぁ。
宮尾登美子の「天璋院篤姫」読み終わりました。ドラマ「大奥」の第一シリーズで菅野美穂が演じていた第13代将軍・徳川家定の御台所・篤子こと天璋院の一代記。ドラマでは篤子(トクコ)だったけど、小説では篤姫(アツヒメ)で、読み方が違います。
「天璋院篤姫(上)」宮尾登美子/著(講談社文庫)
「天璋院篤姫(下)」宮尾登美子/著(講談社文庫)
「大奥」浅野妙子・十川誠志/著(角川書店)
宮尾登美子の筆致は終始冷静で、わぁっと感情移入して読むという感じじゃなかったのだけど、天璋院という人の波乱に満ちた人生は興味深く、女の幸せってなんだろな、と考えてしまいました。政略結婚で、身体の弱い夫との交わりはなくて、子どももなくて、しかもその夫との結婚生活は二年に満たない。聡明であったが故に将軍の妻になったけれど、家族的な幸せにはあまり恵まれなかった人だったようです。
しかし、大奥三千人の女たちの先頭に立って、幕末、崩壊する将軍家を裏から支えた人でもあります。その責任感と心意気にちょっと憧れます。
天璋院から見ると嫁にあたる皇女和宮をテーマにしたものは多いようだけど、天璋院のものは少ないようです。和宮モノを読んだことないので、今度は和宮さんの話を探してみようと思います。