2004/11/11(木)11:32
楽譜を変えてやり直し「ベルガマスク組曲」
ここのところドビュッシーの「ベルガマスク組曲」の話題ばかりに固執しているような感もあるのだが、いかに最初の楽譜選びが後々まで尾を引くかというひとつの例として、また、自分の哀れな記録として残しておくことにしよう。
ペダル・運指共に未記載な全音の楽譜に限界を感じ、結局、音楽之友社の楽譜をメインに、どうしても納得がいかない部分は春秋社の楽譜で、とダブル構成で練習を進めることにした「ベルガマスク組曲」。ところが、1曲目の「プレリュード」から己の今までの弾き方に間違いがあったことを、思い知らされることになった。
■右手左手の弾き分けに悩む「プレリュード」
そう、それはいきなり冒頭から間違っていた。えぇい、恥をしのんで書いてしまおう。1小節目フォルテシモから始まる部分、2拍目の八分音符1音目のC音、ここを私は左手のまま弾いていた。ところが、今回買ったいずれの楽譜も右手で弾け、と表現しているではないか。「うぅ、なんでやねん・・・」
まぁその後は順調に進んでいた・・・と思いきや、11小節目の両手3度進行部分で再び壁にぶちあたる。それは、2拍目の3度を、右手はいきなり1-5指で押さえるとの指定である。「えっ、この狭き3度間隔を1-5指で???」、これは衝撃の運指であった。ところが、それまで2-4指を起点として3度進行を弾いていた時は、綺麗な音のつながりが得られなかったところが、音楽之友社編のこの運指で弾くと見事に音がつながるではないか。あぁ、やはり偉大な先生だ、安川先生。
ペダルに関しては、おおざっぱな箇所に関しては、我流で使用していたものとさほど変わらなかったものの、細かな切れ間の指定は絶妙である。この「細かな切れ間」こそ、音を濁らせず、それでいて響かせる、繊細な部分だったのだ。これが上手くできていなかったがために、随分長い間、ペダルに悩まされていたらしい。
さて、再び右・左手の弾きわけに悩む箇所が現れた。16小節と18小節である。私はそれまで素直に上段に掲載された音符は右手で、下段に掲載された音符は左手で弾いていた。それが新たな楽譜では各所で右左の弾き分けが生じている。つまり、上段の音符を左手で、はたまた下段を右手で・・・と。確かにその方が聴こえ方も良い。・・・が、指は既に慣れきってしまい、それを新たな方法に変えるのは至難の業だ。その後も数カ所においてそんな状態に陥り、通して弾いてみると、完成間近だった「プレリュード」は聴くに堪えないになっていた。
■楽譜選びの重みを感じた、そんな出来事だった
しかし、数度繰り返して弾いていくうちに、それまで感じていた限界よりも「先」が見えたような気がした。運指に慣れない箇所はもう少し部分練習を繰り返すとして、ペダルの使用方法、著名な先生が考えた運指、そして楽譜を紹介してくださった皆さんに感謝である。
1から曲を自分色に染めたい人にはペダルや運指未記載の全音版でも良かったのだろうが、現在のところ、教えて貰える先生をもたない己としては、楽譜における細かな指示はある意味、先生の声でもあったりするのだ。あ、かんじんなことを追記しておくとすれば、全音の全ての楽譜がそうである訳ではないということだ。今回の「ベルガマスク組曲」がたまたま・・・であるので、くれぐれも誤解なきようお願いしたい。
その後、気分が良かったので、春秋社の楽譜に掲載されていた「夢」を初見で弾いてみる。「夢」は、昔エレクトーンで何度も弾いていた曲(柏木玲子さんアレンジの「夢」はとても美しくて心地よいのだ)ゆえ、非常に馴染み深いのだが、ピアノ譜面を見るのはこれが初めて。原曲はこうだったのか、としみじみとメロディに酔いしれる。
----------------------------------------------------
本日の練習メモ(定例)
●ハノン #29~#34
昨日に引き続き#29-30を続けて繰り返し4回。#32の1-2指運動、更に#33の1-2-3指運動、#34の1-2-3-4指運動を数回繰り返す。#29-30と、#32以降は訓練目的が異なるため、3-4-5指の訓練の為にもしばらく続けようかと思ってる。
●ツェルニー30番 #01~#20
#01~19は、ノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は繰り返し弾いて指慣らし。
#20、安定したテンポで弾けているが、やはり3連音符の旋律をもう少し丁寧に弾きたい。よって更に繰り返し練習だ。
●バッハインヴェンション #01~#09
#01~#07はノーミスで弾ければ1回ずつ
#08、テンポが途中から加速するのは、どうやら譜面2ページあたりの左手に問題があるらしい。軽快に弾いているつもりが、どうにも指が焦って次小節へ行こうとしているのが気になる。
#09、ようやくトリルも譜面に食い入るようにみることなく弾けるようになり、あとは音ミスがなきよう、繰り返し練習するだけ。それでも昨日から音ミスはかなり減ってきているため、落ち着いて弾けばそこそこ聴ける曲に仕上がってきた。
●ドビュッシー ベルガマスク組曲から「プレリュード」「メヌエット」
プレリュード、新たな楽譜では、11小節目の3度のメロディ進行がネック。詳しくは上記を掲載済み。
メヌエット、ウナコルダと格闘しながらこちらも上記同様に新たな楽譜で練習。
●ショパン エチュード Op.10-4
本日も通しで超スローテンポ練習。加えて、65小節から最後まで更に超スローテンポで部分練習。特に左手中心にリズムを変化させたり、アクセントをつけながら指を馴らしていく。さて、この効果は果たして出るのだろうか。部分練習後、再び通しでスローテンポ練習。しばらくはこの繰り返しか。