ほしあかりのノクターン -ピアノとわんことおうちの話-

2004/12/17(金)11:07

冬に弾きたいシベリウス「樅の木」と舘野泉氏

 ピアノ練習あれこれ(296)

サイト巡りをしていたら冬には是非弾きたい・聴きたい曲の1曲として、シベリウスの「樅の木」があげられていた。シベリウスといったら、フィンランドを代表する作曲家。誕生日が1865年12月8日って、えっ?私と1日違い??と、勝手に親近感をもってしまったりもするのだが、交響詩「フィンランディア」あたりは耳にした人も少なくないのではないだろうか。どうしても交響曲や交響詩、協奏曲等のイメージが強いシベリウスであるが、実はピアノ曲も多数存在しているのだ。 私にとって、シベリウスのピアノ曲はほとんど未知な領域であり、一体どのような曲なのかすら知らないまま、ウン十年を過ごしてきた。が、たまたまネットで見かけた紹介記事に惹かれて、そのままフラフラッと楽器店に足を運んでしまったのである。 ■シベリウスの楽譜とCDを買ってみる 「樅の木」は、全音の「シベリウスピアノアルバム」に掲載されており、中級レベルで容易に弾けそうな譜面だ(全音でいう星3つレベル)。先日、日記でも話題になったレパートリーを増やすには、もってこいではなかろうか、そう思いながら、そのままレジへ。「おっと、CDも入手しておかないと」と、隣のCDコーナーに立ち寄ったのだが、シベリウスのピアノ曲を収録したCDがほとんど無いではないか。「も、もしかして、かなりマイナーなのだろうか・・・」 と、必死にCDの棚を目で追っていくと、ようやく2,3枚のCDを発見。実は、先程購入したシベリウスピアノアルバムの監修であり、ピアニストである舘野泉氏のCDを探していたのだが、店頭で見つけた彼のCDはシベリウスに特化したものではなく、フィンランドの作曲家全般の演奏CDであり、「あれー、ネットでの紹介CDとは違うなぁ」と棚に戻す。同じく日本人ピアニスト田部京子さんもシベリウスのCDを出しているはずなのに、これまた店頭には在庫無し。結局、その場でどうしても1枚は買って帰りたかったため、ヴィータサロが演奏したシベリウスピアノ小品集のCDを買ってみることにした。 家に帰るとすぐさまCDを聴き始めた私であったが、その途端にテレビでしか見たことがない北欧の深い冬空と雪の情景がぼんやりと浮かんできた。ところどころ、ドビュッシーを思わせる曲調ではあるものの、いや、ドビュッシーとはまた異なった、どことなく素朴さが残る旋律。それでいて、聴き慣れたクラシックではみられない不思議な響きを漂わせているのだ。 ■さて、かんじんの「樅の木」は・・・ クリスマスといえばやっぱり樅(もみ)の木、しかし、なにもシベリウスはクリスマスを想って「樅の木」を作曲したのではなく、フィンランドの象徴である樅の木を題材に作ったことをとりあえず最初に言っておこう。この「樅の木」は、ピアノのための5つの小品Op.75のなかの1曲であり、通称「樹の組曲」と言われているらしい(名付け親は、ピアニストの舘野泉氏) 樹の組曲は、ピヒラヤの花咲く時(Op.75-1)、孤独な松の木(Op.75-2)、はこやなぎ(Op.75-3)、白樺(Op.75-4)、そして、樅の木(Op.75-5)と、いずれも樹木を題材とした曲だ。 さて、「樅の木」は、流れるようなアルペジオに始まり、主題はLentoでじっくりと響きを楽しむ旋律。中間部のアルペジオはまるで樅の木の周囲を舞う風のような印象であり、再び主題に戻って終わり、といった、非常に短い曲。テクニック的には特に問題となる箇所はなく、ソナチネアルバムあたりを弾いている人ならば、容易に弾ける曲だが、あとはいかに曲に命を吹き込めるか、例えば、じっくり聴かせる部分の歌い方とアルペジオをいかに美しく響かせるか、あたりがポイントではないだろうか。 ■全音の楽譜シベリウスピアノアルバムを監修したピアニスト 舘野泉氏 今回購入した全音の楽譜を監修したのが、ピアニストである舘野泉氏。大学卒業後、フィンランドに拠点を移し、フィンランドの代表的なピアニストとして非常に長い間活躍している。日本にもファンが多く、なんと、ファンクラブまで存在するのだとか(す、すごい!!)。しかし、2001年、フィンランドのリサイタル中、ステージ上で倒れ、右半身不随といったピアニストとしては致命的といわれる症状に陥ってしまう。しかし、彼はその苦境に負けじと「左手のピアニスト」として復帰。現在、再び多くのステージをこなしている。 ・・・ということなのだが、ふと、自分に置き換えて考えてみた。もし、今、自分が倒れたら。もし、今、自分の手が動かなくなったら。舘野氏のように己の状況を冷静に受け止め、そして新たなる道へと進むことが出来るのだろうか・・・と。 おっと、気がつけばかなり長い日記になってしまった。ちなみに、シベリウスのピアノ楽譜はとにかく少ない。実は、シベリウスの「ソナチネ」の楽譜を探しているのだが、ご存じの人はいないだろうか。各所をあたってみたのだが、どうしても入手方法が見つからない。 ---------------------------------------------------- 本日のピアノ練習メモ(定例) ●ハノン #21-22,#29-30,#39,#40 #21-22(3-4-5指の訓練)を続けて繰り返し2回 #29-30を続けて繰り返し2回。 #39全長短調の4オクターブ音階をリズム変えて(ハノン教本によるリズムその3))2往復ずつ弾く #40半音階(オクターブと3度) ●クラーマー=ビューロー60練習 #01~#04 #01~02、おさらい #03、まとめ段階(テンポアップ開始) #04、つまずき度は随分減ってきたのでテンポ四分音符96で安定して弾けるように繰り返し練習。 ●バッハインヴェンション #01~#13 #01~#10はノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は再復習。 #08、テンポ四分音符110で、左手もつれることなく弾けるように復習。 #11、OK、明日からノーミス1回コースへ。 #12、指の進行に慣れてきたため、強弱を考慮しながら曲を仕上げていく。 #13、上に同じく、指の進行に慣れてきたため、強弱に考慮しながら曲を仕上げていく。 ●ショパン エチュード Op.10 Op.10-12、第65小節から最終小節まで左手重点的に練習。特に、73~76小節の運指に戸惑ってしまうので、特に重点的に。 ---------------------------------------------------- 本日のピアノ練習メモ(期間限定?) ●シベリウス 「樅の木」 今日楽譜を買って早速着手。40小節からのアルペジオ部分を除けば非常に弾きやすい曲なので、1日である程度のところまでは仕上がった。あとは最終的にどう料理していくか・・・である。

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