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カテゴリ: ピアノレッスン番組
NHK教育テレビの「スーパーピアノレッスン」ショパン編の第4回は、「スケルツォ第2番」変ロ短調 Op.31の後半である。先週はテキスト34~37ページ目の途中、つまり4ページ分しか進んでおらず、今回はその残り37~56ページを一気にレッスンするらしい。本当にあの10数分のレッスン放映時間のなかでおさまるのか??(すぐにその答えが分かるのだが)
さて、今回は前置きはなく、いきなり曲中での細かな注意点についてあげてみよう。(以下、各小節の注意点は青字はルイサダ先生の注意点、括弧内の黒字はそれに対する補足と、加えて私なりのコメントである) ・169小節:1拍目両手ともにドーンと身体が飛び跳ねるごとく力強く (再び主題に戻った箇所のフォルテシモ部分。全身で弾け、ということでもある) ・185~188小節:こそっとしないでもっと大胆に (ルイサダ氏いわく、手にとった本をこっそり開けるような弾き方ではなく、本をつかんでバシッと開く大胆さが欲しいということらしい。この表現、なかなか難しいが、セコセコ・こそこそ弾かないでということか?) ・197~249小節:優しく、胸のときめきを伝えるような弾き方で (少々抽象的な言い回しであるが、つまり第2主題の再現部において、旋律を十分に歌うこと。) ・233~235小節:付点音符進行、急がずゆったり焦らないで! (だんだんと盛り上がる箇所に向かって、微妙なクレシェンドとディミヌエンドを繰り返している箇所であるが、気持ち的に焦ることなく、その音色の響きを大切にしたい。ルイサダ氏はこの部分を「ショパンのロマン主義が明確な部分」であると語っている) ・240小節:ここからハッと色を変えること (楽譜表記には既に前小節からクレッシェンドが開始されているが、この240小節で一旦、音の性格を変え、と同時に若干控えめに弾くと良いらしい) ・265小節:テンポはほとんど変えないで (ここから中間部イ長調で、優しく、また落ち着いた性格な部分。テンポを落としてしまいがちな箇所であるが、気をつけて) ・277小節:右手1音目のド音は響かせるべく、先にペダルを踏んで ・281~284小節:華やかさを出し、手はアーチ状の形を保って (指先をちょこちょこ動かすのではなく、大きく形を保って上行していくこと。なお、307~309小節も同様の弾き方で。) ・309小節:2拍目からはテンポを意識して (嬰ハ短調へとつなぐ部分。ここからは穏やかな流れながらも拍子感をきちんと保って弾きたいところだ。) ・326~333小節:左手の付点二分音符を意識して。346,8,330小節の左1拍目は軽くアルペジオで (アルペジオにする意味、それは響きを良くするためだとか。但し、ほんのチョットのアルペジオで良い) ・334~364小節:歌うように、そして3本の指で鍵盤を引き寄せるように。 (ホ長調の上下進行がしばし続く箇所。leggieroではあるが、歌う心を忘れずに。) ・340~341,348~349小節:左手はテノールかバリトンを歌うように (左手側の進行にも流れがあることをきちんと意識して) ・352,356小節:左手オクターブはクレシェンドで ・361~364小節:各小節の1音目(右手)に軽いアクセントをつけて (右手で下行する箇所だが、弾き方ひとつで拍子感が消えバラバラにきこえてしまうため、ここはワッと下行するだけでなく、小節頭に若干だけアクセント気味にすることで、バラバラ感を解消させる) ・366~400小節:バロック音楽のごとく淡々と弾くのでなく、もっと抑揚をつけて (ルイサダ氏は「オーケストラ等のビブラートを想像して」という表現をしている。ここは音数が少ない箇所ゆえ、音色の響きがかなり重要なところでもあるのだ。また、374小節の右3拍目のレ音だけはピアノッシモで) ・411~435小節:再び嬰ハ短調箇所、2回目は慎み深く (310小節から登場した部の繰り返し部分ゆえ、こちらは少し表情を変えて弾くこと。なお、テキストにも掲載されているが、415-418小節の左手2拍目はほんの少しだけアクセント気味にして。詳細はテキスト参照) ・436~451小節:ホ長調のleggiero部分、速くなり過ぎず、右手を強調して ・468小節:1拍目のオクターブはドーンと力強く ・492小節:1拍目はスフォルツアンドを意識して (ここからアジタート部分。1拍目はスフォルツアンドであり、更に右にはアクセント表記まである。ここから情熱的にいきたいゆえ、やはり1拍目の音は大いに重要であるということだろう) ・501~502,503~504小節:上声は表情をたっぷりこめて (これぞロマン主義の最高潮・・・らしい。) <<506~647小節:レッスン風景省略>> ・648~714小節:響きを保ち右手は十分に歌って (再び第2主題部、そしてコーダへと続いていく部分。また、補足事項として666小節から若干テンポを速め、更に682小節から更にテンポを速めていく。また、692小節から段階的にクレシェンドしていくことも忘れずに) ・724~728小節:スラー表記がある箇所はその都度ディミヌエンドを意識して (この部分は言葉ではうまく説明ができないため、テキストに掲載されているものを参照にされたし。) ・732~735小節:8分音符の3連符はもっとイジワルそうに (抽象的な表現であるが、いわゆるずるがしこそうな感じ??) ・745~最終小節:力強く、抑制しないで (最後の小節の音ミスに際し、ルイサダ氏は「最後の音は失敗しても拍手でバレませんよ」と。これはやっぱりルイサダ流ジョーク?) ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ これにてスケルツォ第2番のレッスンは以上であるが、19ページものレッスンをどのようにおさめるのかと思いきや、途中、思いっきり省略されているではないか。抜けた部分はアジタート後半から主題に戻った部分、まぁこの部分は、ルイサダ氏の模範演奏に含まれていたため、まぁ良しとしようか。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ それにしても8月後半から、ショパンの何らかの曲を練習メニューに組み込むはずだったのに、気がついたらどうしてヒナステラ?どうしてラフマニノフ??私のショパン熱は一体何処へ・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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