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2020年06月06日
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おはようございます、ひなこです。
昨夜、生田斗真君が結婚したと報道がありました!
おめでとう!斗真君!
お相手との出会いは、私も見ていたドラマ(実は斗真君ファン)「ウラボロス」での共演だそうです。
彼女、朝ドラ「半分、青い。」にも出てたから知ってるけど、名前は覚えてません~。

そして、横田めぐみさんのお父さんが亡くなったそう。
北海道にもゆかりのある方なんですよね、滋さん。
それにしても、悲劇だよな、拉致問題。

「キノシタさん、ご親切に私達のことを気にしてくれて」私は微笑みながら、言いました。
彼は頭をちょっと下げ一礼し、私にもっとお茶を注いでくれました。
「二口くらい食べただけで、もう喉が渇くほどだったね」と彼は言いました。「魚料理を作ったのなんて久しぶりだから」
あれは暖かい夜でした。それで、彼は立ち上がって庭に面した大きな引き窓を開けました。
そして、私に背を向けてそこに立ったまま、両手を着物の袖の中に突っ込んでいました。
結局、私も立ち上がって彼の所へ行きました。
彼は深く考え込んで、外の闇をじっと見つめていました。
庭の向こう端の木々の間では、虫たちが夜の音を奏でていました。
「何を考えておられるのですか、キノシタさんのおじさん」
「君たち女性に恥をかかせられるとどういう気持ちになるのかを考えていたところですよ。あなた達は我々を甘やかし、そして我々を自分の飯も作れない無能な者にしてしまうんだね。やすこが結婚したら、私はヤナギさんの店で飯を食うしかないないじゃないか。あんなまずい飯をさ」
「まあ、キノシタさんにはがっかりさせられましたよ。私達のことを思っていたわけではなかったんですね。ただ単に、ご自分の料理の練習をされただけだったんですね」

彼は私の方を向いて頭を下げました。笑っていたので目が細くなっていました。
「世の他の人と同様、私も終戦に備えているわけさ」
私は笑いました。笑顔で彼の目の周りのしわも一層深くなりました。
「キノシタさんは、終戦を望んでいらっしゃるんですか?」
「他にすることがあるかね?」
「でも、戦争が終わったら寂しくなるでしょう」
「そして、幸福にもなるよ」
「幸福と寂しさ」私はため息をつきました。「魚にはもっと少量の塩を振ることを覚えておいてくださいね」
「ありがとう、みちこさん。ちょくちょくここに来て、私に料理を教えてくれなくちゃね。やすこはただ私のことを笑うだけだから」

丁度その時でした、やすこが部屋に戻って来て、自分について何を話しているのかと尋ねたのは。
続く。





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最終更新日  2020年06月07日 09時41分15秒
[サー・カズオ・イシグロ作品の翻訳] カテゴリの最新記事



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