カテゴリ:サー・カズオ・イシグロ作品の翻訳
おはようございます、ひなこです。
![]() 9月3日 最初から書いた方がいい。じゃなきゃ、忘れちゃうから。 だから、僕が起きたところから始めるのがいいだろう。11時くらいだった。 僕はキャロルを見に窓の所へ行った。でも今回はあいつはそこにいなかった。 僕は服を着て、トイレに行って、自分のナニをじっくり調べた。 僕はまだ大丈夫だ。 ママとジョンは1階にいて、笑ったりしてるのが聞こえた。 トイレから出ると、階段の踊り場が見えて、でキャロルの部屋のドアがちょっと開いてるのが見えた。 僕は、抜き足差し足で歩いて行って、のぞき見した。 カーテンがちょっと開いてて、太陽の光が隙間から部屋の中にさしていて、埃が浮かんでいるのが見えた。 キャロルは何も着ないでマットレスの上に横になっていた。仰向けで。 毛布は足元に丸まってて、夜の間に蹴っ飛ばしたんだな。 太陽は又、眼鏡のレンズの上に輝いていて、あいつの目は見えなかった。 でも、僕はあいつが寝てると思った。頭が片方に傾いていて、口がちょっと開いていたから。 僕は、じっくりあいつを見た。雑誌に載ってた売春婦の誰よりもずっといい感じだった。 それから太陽の光がちょっと変わって、あいつの目が見えたんだけど、なんと、ずっとあいつは俺のこと見てたんだって気づいた。 どうしていいかわからなかった。固まっちゃった感じ。 あいつはじっと僕を見続け、それはちょっと奇妙だったんだ。というのも、あいつの頭はまだ片側に傾いていて、口もちょっと開いたままだったからだ。まるで、もう死んでて僕を見てるみたいで、気持ち悪かった。 それからあいつの腕が動き出した。両手が体をすっごくゆっくり下りていった。それから本当にゆっくり毛布を上に引っ張り上げた。顎のところまで。 それから、あいつは微笑んで、「コーヒーを淹れて持ってきてくれない?」って言った。 自分がなんて言ったのかはわからない、覚えてない。 多分そこに立ったまま、あいつの言ったことについて考えていたんだと思う。 それからあいつは言った。「いい子でいてちょうだい。私のためにコーヒーを淹れてきて」 そう言って、僕に微笑んだ。 準備をするのに時間はかからなかった。 台所でコーヒーを淹れている間、ママとジョンが玄関に近い方の居間で笑ってるのが聞こえた。 カップを持って2階のキャロルの部屋に上がって行った。 最初にあいつは、ドアを閉めてって言う。 それからあいつはカップを受け取って、起き上がる。 えーっと、ひなこです。 ここから、7000字ほど、エロイ描写が続くのですが、ひなこのブログの品がガタ落ちになるので、削除しま~す。 急に、時制が現在形になって、省略部分は全部現在形で書かれています。 そして僕は、雑誌で見た色んな体について考える。そしてエディーの兄さんのことや、彼女の体の中をぐるぐるぐるぐるまわっている毒のことを考える。 そして、僕は、抜こうとするんだけど、彼女がより強く締めて自分自身を強く押し付けてくる。毒がどんどん強くなってまわってるのがずっと感じられる。 それから彼女は突然止める。まるで体の中を何かで刺されたように。 喉の奥で、変な音を鳴らす。 僕は彼女から下りて、彼女は僕を押しのけて立とうとする。 彼女はドアに行こうとするけど、ふらふら、よろよろして、そして、再度何かに刺されたように、身体をぐっと折り曲げる。 彼女はドアにたどり着いて、それから口を手で覆う。吐き気がやって来る。 ドアを全開して、階段を下りていく音が聞こえる。そしてトイレのドアがバタンっていう音も。 僕はパンツとジーンズを履いて、ドアへ行く。 そこで、彼女のたてている音が聞こえる。変な嘔吐してる音。 部屋からこっそり抜き足差し足で出て、トイレのドアの外に僕はいる。 彼女は、奇妙な音を立てている。時々めそめそ泣いている。吐いてない時に。 段々、彼女の立てる音が大きくなる。まるで誰かが彼女の首を絞めてるみたいに。 僕の後ろで足音がする。ジョンが階段を上がってくるのが見える。ママはその後ろ。 「クソ、一体どうしたんだ?」とジョンが言う。僕はただ肩をすぼめる。そしてキャロルがトイレで具合が悪いみたいだと言う。 ジョンは僕を押しのけて、ドアを叩く。 キャロルは、その時には静かになっている。 ジョンがまたドアを叩く。そしてドアを開けようとする。 ドアは鍵がかかってなくて、でも何かが邪魔している。 ジョンがもっと押して、言う。「ああ、神様」。 ママはあいつの肩越しに見て、同じように「ああ、神様」と言う。 とても強い嘔吐の匂いがする。 ママは、後ろを向いて僕に、電話して救急車を呼んで、急いでと言う。 それからママとジョンはドアをもうちょっと開けようとする。 僕はそこに立ち尽くし、ママが僕の方を向いて、救急車に電話しなさい、と叫ぶ。 僕はゆっくりと階段を降りる。 僕が急いでいないことに彼らは気づかない。皆、トイレにぎゅうぎゅう詰めで入っているから。 僕は階段を降りながら、ちょっと鼻歌なんかを歌う。だって彼女には死んでもらいたくないから。だって、色んなことをあんまり真剣に考えたくないから。だって、本当に彼女には死んでもらいたくないんだから。 彼女を殺したくなんか絶対なかったし、そんなこと絶対したくなかったし、そうしなければならなかったけど、でも絶対本当にそうしたくなかったんだ。 彼女に僕のガールフレンドになってもらいたかったし、2人でやりまくって愛し合いたかったんだ。 だから、絶対彼女には死んでもらいたくなかったんだ。 終わり。 いやはや、なんなんだか。 訳しているうちに、私、何やってんだろう的な気分になってきましたけども。 まあ、この原文は今すぐ破棄ですね。 もし、今晩突然死んだら、残った人々が、ひなこ、こんなの読んでたのか?!って唖然としそうですから! では、御機嫌よう! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年07月02日 07時00分09秒
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