2005/08/05(金)23:55
ヘンゼルとグレーテルの魔女って。
エジプト展への行き帰りの電車の中で、
『逃れの森の魔女』というファンタジーを読んだ。
グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』に出てくる
お菓子の家の魔女 の話である。
あの、最後にカマド(というより昔風のオーブン)に
押し込まれて死ぬ、あの魔女は
本当にトシのせいでボケてて目が悪く
よぼよぼで「わけがわからなく」なっていたのか、
実は 子どもを殺したくなかったのだとしたら??
という視点で書かれている。
例えば、魔法を使うための魔法陣を使って悪魔を呼び出し
人々の病気を治していた魔術師が
一度だけ 悪魔のわなに落ちてしまったとしたら。
魔女として「焼かれる直前に逃げ出す」なんてことを
実はやらかしたのだとしたら‥‥
心理描写もしっかりしていて面白かった。
グレーテルとの心の交流も、ラストの叫びも
心に残ってしまった。
ファンタジー好きには特に読んで欲しい一冊である。
題名は
『逃れの森の魔女』 という。
作者は ドナ・ジョー・ナポリ (青山出版)
『パンを踏んだ娘』よりも切ない話である。