Fuzzyな見たり読んだり

2005/08/05(金)23:55

ヘンゼルとグレーテルの魔女って。

映画・読書(428)

 エジプト展への行き帰りの電車の中で、  『逃れの森の魔女』というファンタジーを読んだ。    グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』に出てくる  お菓子の家の魔女 の話である。    あの、最後にカマド(というより昔風のオーブン)に  押し込まれて死ぬ、あの魔女は  本当にトシのせいでボケてて目が悪く  よぼよぼで「わけがわからなく」なっていたのか、  実は 子どもを殺したくなかったのだとしたら??  という視点で書かれている。  例えば、魔法を使うための魔法陣を使って悪魔を呼び出し  人々の病気を治していた魔術師が  一度だけ 悪魔のわなに落ちてしまったとしたら。  魔女として「焼かれる直前に逃げ出す」なんてことを  実はやらかしたのだとしたら‥‥  心理描写もしっかりしていて面白かった。  グレーテルとの心の交流も、ラストの叫びも  心に残ってしまった。  ファンタジー好きには特に読んで欲しい一冊である。  題名は   『逃れの森の魔女』 という。    作者は ドナ・ジョー・ナポリ (青山出版)  『パンを踏んだ娘』よりも切ない話である。

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