【回想録・42】老人と若者
これも昆明旅行中のことです。どういういきさつかは忘れましたが、その日の夕食は日本人留学生の旅行者数名と米国人老夫婦数組で同じ円卓を囲むことになりました。メニューを見ながら料理を注文しようとしている時、米国人側の付き添いの若い中国人女性がこっそり耳打ちしてきたのは、「お年寄りだから、あまり奇抜なお料理は頼まないでね。」そして彼女は自分たちの割り当て分?野菜や豆腐を中心としたあっさり目のものを何皿かチョイスし、日本人側も注意事項通りに無難なメニューを注文しました。一同で運ばれてきたものをつつきながら感じたのは、お年寄りってどの国も似たり寄ったりなんだな…同じ米国人でも、留学仲間の若い彼らみたいににぎやかでノリがいいわけでなく、目の前の皆様は、ちょっと気難しそうな表情で、時々会話をしながら静かなお食事です。日本の親戚などを思い出せば、老人と若者が違うのは当たり前とすぐ分かるのに、自分の中にある「○○国人」に対するイメージは、若者の姿だけを見ていたんだと気付きました。