【ツアー旅行回想録・85】白と黒の芸術・3
どうしたらいいか見当もつかない「難題」に頭を抱えながら会社事務所に戻ると、上司に報告&相談です。「あの…今回の件ですけど…」先ほどのお客さんとのやり取りの様子を旅行条件的要望も含めて報告し、終わりに「こういうことってどう手配したらいいんですか?」率直に質問してみました。すると上司はちょっと困ったような表情で、「有名な書家なら、向こう(中国側)から出てくるよ。」つまり、書道の世界で地位がある日本人書道家が訪中したら旅行社サイドで手配なんてしなくても中国側書道家が黙って放ってはおかない、交流したいと申し出てくるはず、そうで。聞いて余計に困惑しました。地位がどうとか言われても、まさかお客さんに「あなた書道界でどのくらいの地位ですか?」と質問するわけにはいかないし、それに「出てくる」って?!「出す」には「○○先生が訪中しますよ~」なんて伝えないと?そんなこと、どうやって?どこに?不釣り合いな人が出てきちゃったらどうするの?!困っているのを見かねたのか、上司は「名刺見せて。」今回のお客さんの名刺を渡すと、眺めながら「うーん」と少し考えた後本棚から辞書のような分厚い本を取り出しました。