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マレーシア 今日考えた事&思った事

白鵬翔 06年NEWS1

 日刊スポーツ 1月6日
<抜粋> 大相撲初場所/中 白鵬 苦悩の大器、大関再挑戦
新大関・琴欧州に熱い視線が注がれる初場所。ちょうど1年前、話題の中心には、昭和以降、貴乃花、北の湖に次ぐ19歳9カ月の若さで三役に昇進したモンゴル出身の白鵬がいた。しかし後進の琴欧州が一気に大関を手中に収めたのと対照的に、白鵬は一度は平幕に落ち、今場所ようやく関脇に復帰した。

「上がってきたころの勢いがないなあ。何かこう、ここにあるんだよ」。白鵬は自分の胸を指さし、モヤモヤした思いを表す。新入幕から7場所連続勝ち越しで番付を駆け上がり、昨年初場所は新小結で11勝。その前場所、朝青龍を破っての12勝と合わせ、大関取りが視野に入った。

ところが、そこで壁にぶつかった。勝ち越しはしても、2けたに届かない。加えて名古屋場所では左足首を痛めて途中休場。それ以降も、9勝どまりと成績は伸び悩んだ。「足は痛くないんだけど、意識しちゃう」と白鵬。場所前の横綱審議委員けいこ総見では内館牧子委員(脚本家)が「覇気がない」と不満を口にした。

場所前、新しい刺激もあった。白鵬のいる宮城野部屋が属する立浪一門の総帥・大島親方(元大関・旭国)が年末の一門連合げいこで、白鵬に厳しい言葉をかけたのだ。

「上がってきたころを思い出せ。強くなろうとして、何をした? テッポウを500回日課にするとか、いろいろやっただろう。満足するな」

すると白鵬は柱に向かい、黙々とテッポウを始めた。「素直だし、天性のセンスがあるんだから、やればすぐ強くなるのに。けいこが少なくなっているよ」と大島親方。小兵ながら、大関在位21場所。「相撲博士」の異名を取った実力者の言葉は重い。大島親方は総見でも、朝青龍に転がされる白鵬の脇にひとり立ち上がり、「腰が入ってないぞ」。大島親方は「今年はつきっきりで見る」と意気込む。

けいこ納めの年末の30日。06年の目標を聞かれると、白鵬は「あれしかないでしょ」と言った。もちろん大関昇進だ。モンゴル帰国も4日遅らせ、日本に戻った新年早々から春日野部屋に連日出向き、汗を流した。「勝てなくなると、あっという間に周囲が静かになる」としみじみ言う白鵬。周りの目を再び向けさせられるか。自らの気持ち一つだ。【上鵜瀬浄】 



 毎日 1月6日
<抜粋> 展望
白鵬も徐々に調子を上げており、昨年名古屋場所の負傷以降、手放せなかった左足の足袋を外すこともあった。【上鵜瀬浄】 



 毎日 1月7日
<抜粋> あす初日
白鵬も徐々に調子を上げており、玉乃島も先場所土俵際まで追い詰めた横綱への雪辱を誓う。【上鵜瀬浄】  



 毎日 1月8日
<抜粋> 初日
○…関脇返り咲きの白鵬が動きよく、白星発進。豪風の突きにも上体が起きず、左で上手を取ると一気に力強く寄り切った。十分のけいこを重ねながらも体重は増えて150キロ超。「いいねえ。やるしかないねえ。ミスしないように取るだけ」と笑顔に自信がにじむ。昨年の名古屋場所で左足首を負傷して以来、精彩を欠き、昇進争いではライバル琴欧州に主役の座を譲ってきただけに、新年を迎えて期するものがある。 



 毎日 1月9日
<抜粋> 2日目
○…返り関脇の白鵬が豪快な小手投げで連勝。朝赤龍に右を深く差され、不利な体勢になったが、思い切りの良さが効を奏した。「危ない体勢だった。技はとっさ」と白鵬。もっぱら気になるのは同じ西の支度部屋の琴欧州。新大関の初勝利を見届け「強いなあ」と感心。大関取りで先を越され、「追い越したいな」と意識している。復調の兆しが見える今場所を足掛かりにしたいだけに「ミスをしないよう大事に取ります」と気合を入れていた。 



 毎日 1月10日
<抜粋> 3日目
◇好調、白鵬「今場所は2けた、いや、それ以上を」
3場所ぶりに関脇に返り咲いた白鵬が、初日から白星を三つ並べる好調ぶりだ。

立ち合いがいい。左から踏み込んで左前みつをつかむと、低く一気に前へ。思わず下がった旭天鵬に双差し。巻きかえにきたところを、左腕を返す四つ相撲の見本のような取り口で寄り倒した。「(まわしを)取った状態でもっと前に出ないと。でも、足の不安がなくなってきた。ここからだね」と口調もなめらかだ。

話題をさらったのは、ちょうど1年前。昭和以降3番目に若い19歳9カ月で三役(小結)に昇進した初場所だった。新入幕から5場所で4度目の2ケタ勝利と、今では先を越された琴欧州を尻目に大関候補の筆頭となった。だが、新関脇となった春場所で8勝止まり。さらに名古屋場所で左足首を痛めて途中休場と、足踏み状態が続いている。それだけに、最も欲しいのがかつての勢いだ。

「今場所は取り口に気持ちが乗っている。琴欧州にも、『けがしてなければおれの方が(大関昇進は)先だった』と悔しがるしね」と話すのは、育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)。優勝争いに絡めば、再び大関取りの話題も持ち上がってくるというものだ。

初日から3連勝は一昨年の九州場所以来。体重も過去最高の152キロと、体も一回り大きくなった。「今場所は2けた、いや、それ以上を目指しますよ」と意欲十分。それ以上とは、つまりは優勝。その意気がなければ大関の座が見えてこないことは、誰よりも知っている。【和田崇】 



 デイリースポツ 1月10日
<抜粋> 万全!白鵬 波に乗って3連勝
大相撲初場所3日目(10日、両国国技館)、関脇白鵬が同じモンゴル出身の先輩である小結旭天鵬を寄り倒して、初日から3連勝と波に乗った。大関昇進争いで琴欧州に先を越された悔しさをバネに今場所から巻き返しを図る。2日目に黒海に金星を配給した横綱朝青龍は雅山を寄り切って再進撃を開始。新大関琴欧州は、小結玉乃島を上手出し投げで土俵に転がし、2勝目を挙げた。かど番の大関栃東も初日から3連勝。

白鵬が万全の相撲で、初日から3連勝を飾った。立ち合い下から当たって、すかさず左まわしを取った。一呼吸置いて右も差し、もろ差しで前に出て旭天鵬を寄り倒した。

昨年名古屋場所で痛めた左足首はほぼ完治し、場所前のけいこも十分にこなせた。「だいぶ不安が少なくなってきた。先場所と全然違う。場所前のけいこですね。こっからですよ」と、上々の滑り出しに自信も膨らんできた。今場所は自身最高の152キロに体重が増えたが、動きに支障はなく「160キロにしたい」という。

ライバル・琴欧州の新大関昇進が何よりの刺激になった。前師匠でコーチ役の熊ケ谷親方(元前頭13枚目・竹葉山)は「気持ちも前向きになっている。11番勝てと言ってある」とシリをたたく。

大関とりに向けて昨年初場所以来となる2けたの星を残すのが第一目標だが、今の相撲を続ければV争いでも有力候補の1人となる。北の湖理事長(元横綱北の湖)は「(白鵬が)ずっと勝っていくと優勝争いを面白くする。崩れやすいから、それが出ないようにしてほしい」と激励した。 



 日刊スポーツ 1月11日
<抜粋> 4日目 白鵬4連勝に「気持ちいい」/初場所
関脇白鵬(20=宮城野)が4連勝と元気いっぱいだ。玉乃島相手に立ち合いで左上手を狙ったがかなわず、土俵際へ押し込まれた。それでも慌てず、突っ張ってきた相手の右腕を手繰って転がした。「体が動いてますね。いいっすね。気持ちいい」と上機嫌だった。 



 サンスポ 1月11日
<抜粋> 4日目 白鵬、完全復活4連勝!次の大関とったり
大相撲初場所4日目(11日、東京・両国国技館)3場所ぶりに関脇に返り咲いた白鵬(20)が、小結玉乃島(28)をとったりで破り、初日から4連勝と突っ走る。8連覇を狙う横綱朝青龍(25)は、初顔合わせとなった平幕豪風(26)を問題にせず、押し出して3勝目を挙げた。新大関琴欧州(22)は平幕栃乃花(32)をはたき込み、2日目から3連勝となった。(観衆=6000)

鋭く踏み込む。立ち合いからいっきに力を爆発させた白鵬が、相手を土俵際まで押し込んだ。突き返されても慌てない。左に回りこみながら、先場所敗れている玉乃島の右腕を抱えてとったり。大関候補が、完全復活の予感だ。

それでも、白鵬に笑顔はない。「突っ張ったときにいなされて力が抜けた。下から下から、いかないといけない。相手を見てしまった」。目指す内容を高く置くからこそ、反省点が口をついた。

20歳の大器。初日から4連勝スタートは、12勝をあげて殊勲賞を獲得した平成16年九州場所以来だ。快調な滑り出しができたのは、年末年始を母国モンゴルで過ごし、リフレッシュしてきたからだ。育て親の熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)の許可を取り、宮城野部屋のけいこ納めとなった先月30日から、2日まで帰国した。

6年ぶりにモンゴルで新年を迎えたが、そこでうれしいハプニングがあった。ウランバートル市内で行われた年越しイベントにエンフバヤル大統領らと参加。大統領が年頭の演説をしたあと、突然マイクを向けられた。約5万人の市民の前で「みなさん、おめでとうございます」と堂々とあいさつ。同郷の衆を前にした、1年のスタートに胸が高まった。

ちょうど1年前の初場所。新小結ながら11勝して年内には大関昇進は確実とまでいわれた。母国から父・ジジドさん(63)、母・タミルさん(57)を両国国技館にも呼んだ。だが、その後はけがもあり、ライバル琴欧州に大関の座を先に奪われた。

「連勝は気持ちいいね。体も動いている」。このまま連勝が続けば、今場所中に再び両親を国技館に招待することも考えている。琴欧州との出世レースは、まだその上もある。形勢逆転を狙って、着実に力を蓄える。(江坂勇始) 



 スポニチ 1月11日
<抜粋> 4日目 白鵬が非情の4連勝
関脇・白鵬が4連勝と好スタートを切った。立ち合いでは玉乃島を押し込んで前に出た。すぐに引いてしまったが、土俵際でまわりこみながら相手の右腕をたぐった。右腕を痛めていた玉乃島はたまらず土俵に手をついた。

「いいですね。今場所はうまく滑り出せた」と4連勝には本人も納得の表情を浮かべた。初日からの4連勝は、金星を含む12勝を挙げて殊勲賞を獲得した04年九州場所以来。昨年、名古屋場所で左足を痛めてから低迷していたものの、ケガも次第によくなって復活の兆しを見せつつある。ただし、相撲内容は万全とは言えないだけに「まだまだ硬さがある。体が動いてるけど、もっと下から下から攻めないと」と反省。大関争いで先を越された琴欧州の活躍も発奮材料にしてさらなる活躍を期す。 



 中日スポーツ 1月11日
<抜粋> 4日目 白鵬、手加減なし
大関とりの足がかりをつかもうとする白鵬は勝負に手加減しない。右肩を痛めている玉乃島の右腕をとり、そのまま土俵の外に出した。顔をしかめながら花道を引き揚げる玉乃島。非情とも思える厳しい相撲だった。

「手を取ったのは、突っ張ってきたのでちょうど前にあった」と白鵬。もっとも相撲内容には大いに不満が残る。「自分が突っ張ったときいなされ、見てしまった。それが駄目だった。もっと下から下からいかないと」

初日から4連勝は一昨年の九州場所以来、7場所ぶり。「気持ちいい。体はよく動いているけど、まだまだ硬さがある」という。うまく切り替えができず、この日のように見てしまうのが不満、と説明する。

白鵬が今場所好調なのは琴欧州に大関争いで先を越されたこともある。大関候補として注目されたのは白鵬が先。一昨年九州で12勝、翌場所も11勝を挙げ、春場所は大関とりに臨んで8勝だった。そのとき、琴欧州は入幕3場所目で東前頭4枚目にいた。白鵬は昨年の名古屋で左足首を負傷してから低迷し、いまは琴欧州一辺倒になってすっかり影が薄くなってしまった。

「琴欧州関は琴欧州関。自分は自分ですから」と言うものの、内心は違う。相当なライバル心を持っている。入門から付きっきりで指導している熊ケ谷親方は「彼はおとなしい性格だが、琴欧州が先に大関に昇進したことで相撲にも積極さが出てきた」と言う。けがが癒えた白鵬が賜杯争いのトップを走るのは偶然ではない。 (近藤昭和) 



 日刊スポーツ 1月11日
<抜粋> 4日目 白鵬、張り差し封印で4連勝/初場所
関脇白鵬(20=宮城野)が、好調に白星を重ねている。小結玉乃島(28)をとったりで下し、自己最多タイの4連勝をマークした。琴欧州に続く大関候補筆頭として、06年の飛躍が期待される中で、最高のスタートとなった。場所前には、来日後初めて正月にモンゴルへの帰国が許され、心身ともにリフレッシュして場所に臨んでいる。上位陣では大関栃東(29)が全勝を守った。

今場所の白鵬は立ち合いが違う。張り差しを封印して、踏み込みが速い。この日の玉乃島戦も、左足の出足が鋭い。出足がいいだけに、反撃に遭っても余力がある。栃東が「スライム」と表現した柔軟さと、土俵の円を利用した足の運びでしのぐ。最後は右のかいなを巧みにつかみ、とったりを決めた。

土つかずの4連勝。だが手放しでは喜ばない。「手応えは感じない。まだまだ硬さがある。いなされてから(相手を)見ちゃったから」。安易な張り差しを控えたのも、どん欲に右四つの完成を目指すからだ。

相撲に取り組む姿勢があるから、入門時から育ててきた部屋付きの熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)も、初めて正月の里帰りを許可した。「今は獲物を狙う目になっている。タカやオオカミのような目だ。張り差しをやらないのも、相撲を変えたからだろう。けいこしていても息切れしない。体力がついている」。明らかに変わりつつある姿を頼もしそうに見詰めた。

成長を認められ許された母国での正月で、ある初体験もした。エンフバヤル大統領とともに、ウランバートルのスフバートル広場で新年のカウントダウン。10万大観衆の前で大統領の次に新年のあいさつをした。「気持ち良かった。とても新鮮な気持ちがした」。

朝青龍が序盤でつまずいた中で、白鵬の連勝街道は日増しに注目されていく。関脇が強いと場所が盛り上がる、といわれる中、琴欧州に続いて大関昇進を狙う20歳の白鵬が、真価を発揮する。【井上真】 



 毎日 1月12日
<抜粋> 5日目 栃東、土俵際の逆転勝ちで5連勝 白鵬ら3人も
○白鵬 (初の5連勝発進)大関、横綱戦までこの調子で行きたいなあ 



 毎日 1月13日
<抜粋> 6日目 栃東、白鵬と北勝力とともに6戦全勝
○…白鵬が危ない星を拾って6連勝。黒海のいなしに勢い余って徳だわら。体勢を崩したもののしのいで、反応よく黒海を追い、左をうまく使ってすくい投げた。白鵬は「(途中で)勝ったと思っちゃった。危なかった」とは言うものの「押されても腰が降りていたので余裕があった」。入幕11場所目で自己最長タイの6連勝には「からだが勝手に動いている感じ」と好調を物語る。場所を引っ張る役回りになったものの、出る言葉は「とりあえず8番勝ってから」と慎重だった。 



 日刊スポーツ 1月13日
<抜粋> 6日目 白鵬が粘り腰で6連勝
白鵬(20=宮城野)が粘り腰で6連勝を果たした。黒海にいなされて土俵際まで追い込まれたが、うまく回りこんで最後は左のすくい投げで逆転した。支度部屋では「焦りはなかったよ。体が勝手に動いている」と涼しい顔で振り返っていた。 



 朝日 1月13日
<抜粋> 6日目 白鵬、輝き戻った
「白鵬は今日勝てば、優勝のチャンスが出てくるよ」と取組前に北の湖理事長は断言した。期待に応える6連勝だ。横綱、大関を立て続けに倒した黒海に正面からぶつかった。張り差しなどの小手先の技は封印。「変化も考えなかった」と白鵬。土俵際で「もう勝ったと思った」と油断し、黒海に横から逆襲されたが慌てない。下がりながら相手の体勢を崩して左ですくった。6日目でトップと並走するのは初めて。「とりあえず8連勝まで伸ばしたいね」。白い歯がのぞいた。

そんな白鵬が復活した要因は2点。左足で強く踏み込めるようになり、腰の低さが戻ったこと。そして、出世争いで先を越された悔しさ。入門当時から指導している熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「琴欧州に抜かれたのが刺激になっている。挫折を知らずに大関になるより、良い経験をさせてもらったと思う」。

各大関と対戦成績では五分以上の星を残している。琴欧州への悔しさを晴らすには、新大関がまだ手にしていない賜杯まで走り切るしかない。 



 日刊スポーツ 1月13日
<抜粋> 6日目 白鵬、黒海に逆転6連勝
腹の中央にある丹田(たんでん)に力を込め、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐く。腕を組んで、視線は土俵上の一点を見つめる。出番直
前の控えでも、白鵬は悟りの境地にいるような落ち着きを保っていた。

土俵の上でも、気負いなどない。「調子がいいから変わるとかは考えなかった」。迷いなく、黒海にぶつかった。丸太のような腕に2度、3度と突き放されてもひるまない。いなされて土俵際で半身になる絶体絶命の体勢でも、あわてない。俵を伝うように回り込み、左腕を相手の右脇に差し込むと、165キロをすくい投げで土俵下まで転がした。

「焦りはなかったよ」。支度部屋では涼しい顔で振り返った。実は場所前、精神面で新境地を開いていた。モンゴルへの里帰りから戻った翌日の今月3日。育ての親の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)の勧めで、横浜市にある興善寺へ精神修行に出かけた。付け人の龍皇と2人で座禅を1時間。足が太いため正座ではなくあぐらだったが、警策(きょうさく)でたたかれながら瞑想(めいそう)した。

座禅の後は住職の市川智彬(ちひん)さんから説法を受けた。「自分の相撲を取ること。悔いの残らない相撲を取りなさい」。取組前の力みを抜くための呼吸法も、この時教わったものだ。20年前に十両で足踏みしていた熊ケ谷親方もここで座禅を組み、新入幕へのきっかけをつかんだという。大関昇進の壁にぶつかっていた白鵬も、張り差しや変化に頼っていた自分の相撲を見つめ直した。

「とりあえず8連勝は行きたい」。当面の目標は勝ち越しだが、当然その先も見据えている。「大関? もちろん、なりたいって気持ちはある」。先場所は小結で9勝。このまま白星を積み重ねれば、春場所で大関とり、そして初優勝も見えてくる。大関昇進レースでは琴欧州に先を越されたが、開眼した白鵬がひたひたと追い上げていく。【太田尚樹】 



 ヨミウリ 1月13日
<抜粋> 6日目 自身初!初日から6連勝
「押し込んだ時に勝ったと思った。焦りはしなかったけど、オッと思った」ヒヤリの一番にもこの落ち着きようだ。熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)からは年始めに「この1年が勝負。ここで頑張らなきゃ大関が遠のくぞ」とハッパをかけられた。けいこへの姿勢、仕切り、「すべてが前向きになってきた」と親方は評価する。

入門6年目で初めて許された正月の里帰りでは、ウランバートル市のスフバートル広場で、エンフバヤル大統領とともに、国民に向けて新年のあいさつをした。今や、母国では朝青龍と二分するほどの人気。モンゴルのテレビでは、なんとモンゴル相撲の大横綱・バットエルデン氏の娘との結婚が報じられた。

寝耳に水の本人はびっくり。「4つ年下で小学校が同じだっただけ。まあ縁起がいいからじゃないの。結婚は25歳ぐらいでしたいよ」と、プライベートにかかわる誤報をも笑い飛ばすおおらかさ。増量中の体重も初めて155キロを突破し、上を狙う機は熟しつつある。(甲斐 毅彦) 



 ヨミウリ 1月13日
<抜粋> 6日目 栃東ら3人6連勝、朝青龍は1敗守る
◆白鵬6連勝、久しぶり活躍期待◆
「体が自然に動いている。久しぶり? だねぇ」。白鵬が、自身初めてとなる無傷の6連勝。日ごろから柔和な色白の顔に、穏やかな笑みを浮かべた。白鵬の調子のバロメーターは、腰の高さ。今場所は低い位置で、どっしりと構えている。元師匠の熊ヶ谷親方(元幕内竹葉山)が「仕切りから、相手をグッとにらんでいる」と言うように、集中力も高い。

考え方もしっかりしてきた。万全に見える取組後も反省の弁が多く、「相撲って難しいんですよ」。三役にスピード出世した1年前には、聞かれなかった言葉に実感がこもる。

言葉や態度も浮ついたところがなく、体重も昨年秋場所から7キロ増の152キロ。北の湖理事長は「このまま乗っていけば、優勝争いの行方にも影響がありそうだな」。“重さ”を増した大関候補に、久しぶりに高い期待が寄せられている。(臼田雄一) 



 スポニチ 1月13日
<抜粋> 6日目 白鵬“白黒対決”制して6連勝
入門時から指導する熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は「心の落ち着きが出てきた。ケガをしてから朝も起きたり起きなかったりだったのが、早く起きて自分でやろうとしている」と愛弟子の変化を語った。

落ち着きをもたらす要因の1つが故本田美奈子さんの歌声。夏川りみ、松山千春ら、しっとりした曲調を好む白鵬は「すごく心が落ち着くんです」とファンからもらった本田さんのCD「アメイジング・グレイス」を聴くことを最近の日課にしている。

「15連勝?無理だよ」と否定しつつも「無理じゃなくてやらないとな」と決意を込める。その顔には落ち着きだけではなく自信も戻ってきた。 



 毎日新聞 1月14日
<抜粋> 7日目 
32歳のベテラン栃乃花が20歳の白鵬に初黒星をつけた。白鵬に「まわしが取れず焦った」と言わせた老かいな相撲。左からのおっつけで右差しを許さない攻めが厳しかった。白鵬が苦し紛れに引いたところを一気に押し出した。「思った以上に良い相撲だった」と栃乃花。敗れた白鵬は「失敗だ、失敗だ。立ち合いも引いたのも」と苦笑い。「けいこでも負けていないのに何でだろう」と首をかしげたが、初顔の対戦は土俵経験の差がものを言ったようだ。 



 毎日新聞 1月15日
<抜粋> 中日
2度の待ったにも動じなかった栃東。白鵬の意図を見透かしていた。時間いっぱい。白鵬が、なかなか手をつかなかった。栃東は「オレは全然意識してなかった。相手が左にずれて仕切ったので、じらしといて何かやってくるなと思った」と読んで立った。

「相手が低かった」と嫌がった白鵬は、ずれながら引きにかかる。だがここからが栃東の真骨頂。相手の腹に頭をつけて一気に体を寄せる。白鵬も右からすくうが「体が開き切らなかった」。 



 ZAKZAK 1月15日
<抜粋> 中日 
勝負はもつれた。いきなり白鵬が低く当たる栃東をはたき、残して押し込むところを、さらに右からすくい投げを打ち、ほとんど同じようなタイミングで落ちた。が、行司の軍配は栃東に高々とあがり、審判委員も手を挙げず、スンナリと栃東の8連勝が確定した。

引き上げてきた白鵬は、「花道奥のテレビでよく見たら、大関の右足の甲が先についた。なんで物言いがつかないんだろう」と不満を露にしたが、三保ケ関審判長(元大関増位山)は「前に攻めている者と後ろに下がっている者との違いだ」と一蹴。北の湖理事長も「あれは栃東が勝っている」とにべもなかった。 



 朝日 1月15日
<抜粋> 中日 
白鵬との立ち合いだ。2度の仕切り直し。「じらしているんだな、と。たとえ、先に当たられても、そんなに危ない場面はないし、引いてくるだろうと思った」と栃東。背を丸めて低く踏み込む出足に自信もあるのだろう。案の定、白鵬は引き技。それに乗じて中に潜り、一気に決着をつけた。 



 日刊スポーツ 1月15日
<抜粋> 中日 
白鵬との呼吸が合わずに2度の「待った」も、栃東の顔に焦りは出なかった。「気にしてなかった。じらしてくるのは分かっていた」。立ち合いで栃東が3度、体重を前に掛けたが、その都度、タイミングをずらされた。相手の胸の内を見透かしていた。

立ち合いでやや踏み込まれたが、あごを引いて下がらない。その圧力に白鵬が引くところを、一直線に走って勝負を決めた。「ちょっと左に寄って仕切っていたからね。引いてくるのは頭にあった」。集中し、観察し、体が動く。土俵際でもつれ、栃東の右足が返り、際どかったが物言いはつかない。「前に出ていたから、印象的に良かったのかな」。 



 毎日 1月16日
<抜粋> 9日目 
□白鵬 (魁皇に不戦勝)連敗が止まったのはよかったが、栃東との一番が、いまだに悔しいな。 



 毎日 1月17日
<抜粋> 10日目
○白鵬 立ち合いで左の指先だけまわしに引っかかった。よく外れなかった? 不思議だな。(勝ち越しで)ちょっとほっとした。うれしい。 



 サンスポ 1月17日
<抜粋> 10日目
○…白鵬(鮮やかな下手投げを決めて勝ち越し)「ほっとしたよ。やっぱりうれしいよね」 



 毎日 1月18日
<抜粋> 11日目
◇立ち合いから迷い消え…白鵬
白鵬の立ち合いから迷いが消え去った。思い切りよく当たると、すかさず上手から左前みつを取る。けいこ場で何度も繰り返す型を貫いている。張り差しや変化を見せていた先場所と比べ、相撲に心境の変化が表れている。

関脇同士の対戦。琴光喜が一度つっかけたが、「向こうは立ち合い合わせないのは分かっている。自分の立ち合いで行こうと思った」と動じない。仕切り直すと、しっかりと踏み込み、型通りに前みつに手を掛けた。投げに出ると、まわしは切れたが、そのまま頭を押さえつけ、小手で投げ捨てた。立ち合いからの流れで相撲が取れている。

一つのきっかけがある。場所直前の3日、横浜市にある興善寺にお参りに出かけ、兄弟子の幕下龍皇と共に約1時間座禅を組んだ。「自分自身の問題だから」と多くを語らないが、指導する熊ケ谷親方は「(昨年は)足のけがで勝てなかったり、相撲も悪くて悩んでいた。気持ちが変わった」と見る。

先場所は小結で9勝。今場所は関脇で既に9勝を挙げた。今場所は二けた勝利を意識しているという。来場所での大関取りにつなげる狙いだ。二けたをかける12日目の相手は、先場所変化して苦言を呈された横綱。「立ち合いの集中力だ」とは親方。横綱を相手にしても迷いが出なければ、白鵬の「心」の変化は本物だ。【長谷川隆広】 



 毎日 1月19日
<抜粋> 12日目 朝青龍、白鵬に手痛い2敗目
◇朝青龍、8連覇に向け厳しい状況
自分の呼吸で立てなかった朝青龍。その少しのずれが最後まで響いた。最初の立ち合いで、白鵬が突っ掛けた。明らかに早かった。そして2度目は、いつもより下がり気味に手を突く。「立ち合いは良かった」という白鵬。柔らかい体で、うまく横綱の当たりを吸収した。白鵬の低いまわしを取りに行こうとして、朝青龍は踏み込んだが、その腰が伸びた。

それでも、いい時の朝青龍ならここで下から体を寄せて、自分の型に持ち込めるはずだった。だから左は差し切れなかったが、構わず出た。

白鵬は、その出足を待っていた。「タイミングが良かった」と自賛する左からの小手投げ。ひじを完全にきめられては、朝青龍もたまらない。土俵下まで転がり、座布団が舞う中で、呆然と立ち尽くすしかなかった。「(自分は)前に出られていい相撲だったけど、相手は(それを利用することを)考えていたんだろうな。まだ若いのに」とは朝青龍の負け惜しみ。

今場所は長い相撲が多く、平均約12秒。前日の岩木山戦も30秒かかった。5秒に至らない速攻が身上だったのに、これだけ時間がかかれば、体力は消耗する。白鵬の仕掛けにも対応ができなかった。

6人が2敗以内の大混戦。朝青龍はまた追う立場だ。琴欧州に横綱が2差をつけられていた昨年秋場所中でさえ「まだ五分」と言っていた北の湖理事長が、今回は「優勝争いは全く分からない」。8連覇に向け、厳しい状況になった。【村社拓信】 



 サンスポ 1月19日
<抜粋> 12日目 朝青龍が白鵬に屈し2敗!
大相撲初場所12日目8連覇を狙う横綱朝青龍は関脇白鵬の左小手投げに屈し、2敗に後退した。白鵬は10勝目を挙げた。

大関栃東は安馬をはたき込み、黒海をはたき込んだ平幕の北勝力とともに1敗を守った。新大関琴欧州は岩木山を左上手投げで退け、白星を二けたに乗せた。関脇琴光喜は勝ち越した。

混戦の優勝争いは栃東、北勝力が1敗でトップで並び、2敗で朝青龍、琴欧州、白鵬、平幕の時津海の4人が追う展開。十両は栃乃洋が10勝2敗で単独首位に立った。 



 日刊スポーツ 1月19日
<抜粋> 12日目 朝青龍、鬼の形相「クソッタレ」
朝青龍が2敗目を喫し、優勝争いから一歩後退した。土俵際で白鵬の左小手投げを食らい土俵に尻もちをついた。支度部屋に戻ると鬼の形相で「クソッタレがっ! アイツ、ホンマに…」とつぶやいたが、すぐに冷静さを取り戻し「負けは負け。たまたまだから」と気を取り直していた。13日目は安馬と対戦する。 



 日刊スポーツ 1月19日
<抜粋> 12日目 白鵬「ウソだろう」
関脇白鵬(20)が、横綱朝青龍(25)を下した。土俵際で小手投げを出した。「ウソだろって思った」ほど、鮮やかな逆転だった。優勝争いは1敗の栃東、北勝力を、2敗で朝青龍、白鵬、琴欧州、時津海が追う混戦もようになってきた。 



 ヨミウリ 1月19日
<抜粋> 12日目朝青龍、白鵬に敗れ一歩後退
◆驚異の反射神経で逆転◆
横綱の敗戦で、優勝争いは大混戦になった。演出したのは20歳の関脇白鵬。土俵下に転げ落ちた朝青龍を見下ろした白鵬は「よしっ」と一言。大本命を2敗に引きずり下ろした喜びが伝わった。

左が欲しかった白鵬は、横綱にスピードで負けた。素早い右差しを許し、防戦するほかない。後退しながら、かいなを抱えこむ。絶体絶命のピンチに、白鵬は驚異の反射神経を見せた。深く差そうとした朝青龍がひじを伸ばした瞬間、体を開いて小手投げ。こらえきれずに、横綱は土俵下へ転げ落ちた。

追い詰められての投げ技も、「どんな形でも、横綱に勝つのはうれしい」。白鵬の横綱戦初勝利は2年前の九州場所で、7場所ぶりで挙げた白星の味はまた違う。「あの時は番付がまだ下。今度は関脇」と地位の重みも意識した。

昨年は名古屋場所で足首を痛め、初めて休場を経験した。大関候補と期待されながら、思い通りの成績が残せなかったが、この日の一番で勢いは取り戻せそうだ。

朝青龍は「(相手の投げは)一か八かでしょ」と素っ気なかったが、白鵬が優勝争いのキーマンであることは間違いない。13日目は1敗の北勝力と対戦、千秋楽には琴欧州戦が予想されている。残る3日間に、自らの初優勝もかかってきた。(山口博康) 



 デイリースポーツ 1月19日
<抜粋> 12日目 デッカイ白星!白鵬2敗堅守
大相撲初場所12日目(19日・両国国技館)で、ホープの関脇白鵬が横綱朝青龍を小手投げで破り2敗を死守した。朝青龍は2日目の黒海戦に続く2敗目で8連覇に黄信号が点灯した。賜杯レースは大関栃東、北勝力が1敗をキープし、朝青龍、白鵬、新大関琴欧州、時津海の4人が2敗で追走の大混戦。初春の土俵がいよいよヒートアップしてきた。

起死回生の小手投げで横綱を投げ飛ばした。「ウソだろ。まさか」―。乱舞する無数の座布団と18本の懸賞金が、白鵬を現実に引き戻した。「勝った。勝った。何てことやっちゃったんだろう」。ことの重大さに気付くと、うれしさが込み上げてきた。

左まわしを狙った。気持ちがはやり、最初の立ち合いでは突っかける。そして2度目。まわしは取れずに土俵際まで押し込まれたが、がけっぷちで投げた。「タイミングが良かった。前に攻めることはできなかったけど、どんな内容でも横綱に勝てたことはすごくうれしい」と胸を張った。

入門時から指導する熊ヶ谷親方(元幕内・竹葉山)は、朝げいこを見て勝利を予感していた。「腰が低くなった。今場所の横綱はこれまでのような状態じゃない。チャンスは十分にある」。課題の腰高を克服したことで確信を得ていた。

横綱には04年九州場所以来2勝目。「うれしさが違う。1年間、ケガとかあったから」。昨年の名古屋場所では、左足関節じん帯を損傷して休場。初めての挫折を乗り越えての勝利だった。

この日の朝「もし今日勝ったらお父さん、お母さんを呼ぼうかな」と、千秋楽に両親をモンゴルから招待するプランを口にしていたが「本当に考えなきゃ」。初優勝も夢ではなくなった20歳の関脇は、笑顔で残り3日間を見つめた。 



 ヨミウリ 1月19日
<抜粋> 12日目 白鵬、朝青龍を下す
その瞬間、白鵬は目を疑った。「ウソだろう、まさか。なんてことをやっちゃんたんだ」尊敬する朝青龍を投げつけた自分が信じられなかった。だが座布団が飛んで土俵に舞ってきた。ひとつが頭に当たった。「やっと大変なことをしたんだな、と実感した」という。

白鵬は、横綱が差してきた右腕を、自分の左腕で締め、自分の右でロックし、横綱の右腕を奥まで差させないようにした。まるで柔術にあるようなテクニック。そして、「タイミングが良かった」という左からの強烈な小手投げ。支度部屋に戻っても白鵬は息を弾ませ、興奮が冷めやらなかった。

この日の朝げいこの後、「きょうの一番で自分を試せる。恩返ししたい」と白鵬はきっぱり言った。一昨年の九州場所で初めて横綱に送り出しで勝ったが、「あのころは下の方(西前頭筆頭)。きょうは関脇だから(意識が)違います」という。

昨年の名古屋場所8日目、普天王戦で右足首を痛めて翌日から休場した。その後、琴欧州に大関昇進で先を越された。内心悔しさは人一倍。「欧州関は欧州関ですから」。入門からずっと指導してきた熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)は「この1年で頑張らないと大関が遠のいていくぞ」とハッパを掛けた。今年の正月、入門6年目で初めてモンゴルへの里帰りが許された。エンフバヤル大統領に「朝青龍に早く追いつけ」と激励された。今や、モンゴルでは朝青龍と同じぐらいの人気を持つ白鵬。「リフレッシュできました」。それも好調の要因だろう。

国技館の前でファンにもみくちゃにされた。「白鵬、優勝だ。一番強い」と叫ぶファンの中で「こんなことはたまにしかないけど、うれしいよ」。2敗キープで優勝争いの渦中。「一番一番、集中していきたい。頑張るだけです」。20歳の若武者は口元を引き締めた。 (近藤昭和) 



 日刊スポーツ 1月19日
<抜粋> 12日目 白鵬、朝青龍を痛めつけた
勝った瞬間にほえていた。いつ、どこでも冷静な白鵬が、朝青龍が土俵下へ転げ落ちる姿を見て、感情を爆発させた。「ウソだろって思った」。朝青龍もぼう然の顔で起き上がる。瞬時の出来事で、観客も座布団を投げるのを一瞬ためらったほどだった。

白鵬の相撲センスが発揮された一番だった。立ち合いで狙った左まわしが取れず、逆に右を差された。一気に押され窮地に陥ったその瞬間に、体が自然に動いて相手の右腕をきめていた。「最後はタイミングが良かったね」。朝青龍が上体を起こしにかかったところで、力任せではない鮮やかな逆転の小手投げ。1年2カ月ぶりの対横綱勝利だった。

V戦線に残るのと同等の意味が、もう1つ込められている白星だ。白鵬の父でモンゴル相撲元横綱ムンフバトさんは、朝青龍の父で元関脇ドルゴルスレンさんに生涯全勝だった。親子2代の因縁対決。白鵬はひそかに「いつかは横綱を対戦成績で超えたい」との夢を持っている。しかし、先場所初日に立ち合い変化の自滅で敗戦。怒られると覚悟してかけた取組直後の父への電話で、逆に「素早く動こうと思ったんだよな」と慰められた。より一層、惨めな気分になった。通算成績はいつしか1勝6敗。父の名誉のため、自分の夢のため、朝青龍にこれ以上負け続けるわけにはいかなかった。

周囲からは一足先に大関に昇進した琴欧州と比べられる。緊張しやすい琴欧州に対し、精神力では負けない。「緊張? しなかったね」。この日も大一番を直前に控えピリピリするはずの支度部屋で、報道陣に自分から話しかけるほどリラックスしていた。昨年名古屋場所で左足首じん帯を損傷し、出世街道にストップがかかったが、素質とスケールに期待は高い。白鵬が見据えているのは琴欧州ではない。頂点の朝青龍に並び、超えることだけだ。【瀬津真也】 



 朝日 1月19日
<抜粋> 12日目 朝青龍、白鵬に不覚 8連覇黄信号
白鵬の鋭い踏み込みを受け止め、右をさっと差す。相手に得意の左前まわしを取らせない。前に出た。そこまではよかった。右の差し手が中途半端。ひじを両手で決められる。右腕を固定されたまま、体を開かれ、出足を利用されたかたちで投げを食った。

「タイミングがよかった。うそだろう、と思った」と白鵬。もんどり打った横綱の146キロの体が本当に軽く見えた。「若いのにあんなこと考えているんだな。前に出ているから仕方ない」と横綱は努めて冷静に振り返った。

師匠の高砂親方(元大関朝潮)は「確かに白鵬の投げは苦し紛れだったけど、朝青龍は左が入っていないのに、勝ち急いで出ていった。体が大きくないから、相手に大きな相撲を取られるとつらいな」と分析した。

10日目の琴光喜戦、11日目の岩木山戦も、本来の速攻ができていなかった。相手を受け止めてからの辛勝だった。いつもの場所のような「やんちゃ」な取り口がなく、耐えて、辛抱を重ねている感じ。強引な攻めがないのは裏返せば体が動いていないということだ。

支度部屋で右ひじをさする朝青龍。「気を緩められないですね」と問われて「そんなこと言うなよ。これからだよ」と語気を強めた。強気だけはこれまで通りとはいえ、残りはあと3日間。直接対決で相手を引きずり下ろしたいところだが、1敗の北勝力とは対戦が組まれない可能性が高い。前人未到の8連覇は危うくなってきた。 











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