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マレーシア 今日考えた事&思った事

白鵬翔 06年NEWS7

 ZAKZAK 3月
<抜粋> 11日目 時代が転んだ!?朝青龍から白鵬へ、玉錦と双葉山に似て
出るくいはたたけ、というのがナンバーワンの座を維持する鉄則。たたき損なうと、とんでもないことになる。まだ頂点に上り詰める前の不世出の横綱、双葉山が6戦して6敗とどうしてもかなわず、最大の目標にしたのが横綱玉錦だった。ところが、7戦目で初めて双葉山が勝つと両者の関係は一変。玉錦は、昭和13年12月に現役のまま没するまで1度も勝てなかった。

この玉錦、やはり2年半もひとり横綱。初めて勝ったときの双葉山は関脇だった。つまり、今場所の朝青龍と白鵬に状況がよく似ている。朝青龍がこの過去の出来事を知っているかどうか、わからないが、負けたらヤバいとは思っていたはずだ。先場所、白鵬に敗れ、これが引き金で優勝を逸した後、2人は2月5日の大相撲トーナメントの決勝でぶつかり、朝青龍が寄り切って勝っている。このとき、部屋に帰ってきた白鵬は、指導役の熊ケ谷親方(元前頭竹葉山)にこう言って笑ったそうだ。

「横綱、本場所でもないのに、頭をつけてきましたよ」

この時点で、もう朝青龍は白鵬に飲まれていたと言っていい。この日もまさに完敗。横綱になって以降、朝青龍が同じ相手に本場所で連敗したのは、魁皇とこの白鵬の2人だけだ。「いい形になったけどな。白鵬は力をつけてきているかって? 力(で負けたん)じゃないよ。うまいこと、ヤラれただけだ」と、土俵にたたきつけられ、優勝争いからも一歩後退した朝青龍は悔しそうに吐き捨てたが、果たしてこの若き白鵬の猛烈な追い上げを押し戻せるのだろうか。
さあ、大変なことになった   



 読売 3月
<抜粋> 11日目 白鵬、朝青龍破り全勝守る 
大相撲春場所11日目(22日・大阪府立体育館)――白鵬が朝青龍との無敗対決を制して単独トップの11連勝とし、大関昇進に大きく前進。鋭い投げで横綱を土俵にはわせた。

◆朝青龍時代に待った!大関を手繰り寄せる星◆
座布団の乱舞する花道を引き上げる白鵬の目は、潤んでいた。モンゴルの大先輩、朝青龍との全勝対決。最高の舞台で、大関昇進を手繰り寄せる星をつかんだ。立ち合いは横綱の速さが勝り、左四つ、右前まわしの形を許した。しかし、白鵬は動じない。「まずいとは思った。でも、落ち着いて取ろうとした」。左の差し手を大きく返して右肩を下げると、ガッチリと右上手をつかむ。最後は、左手で相手の左足を払いながら強烈な出し投げ。いい形を作った横綱から二の矢の攻めを封じたのは、懐の深さの威力そのものだ。

朝青龍も「右前まわしを取って万全でしたが、うまいことやられた」と、完敗のショックがありあり。入幕12場所の若者が、無敵の横綱に「けいこして強くなりたいよ」と言わせるまでに成長していた。これで3場所合計が昇進目安の33勝に到達した。しかし、北の湖理事長は「まずは初優勝を目指してほしい。大関の地位などは優勝を目指していけば、自然についてくるもの」と激励した。横綱と互角に取った相撲を制した白鵬は「これからは(朝青龍を)意識していいと思いますね」。スケールの大きい21歳が、朝青龍時代に割り込もうとしている。(込山駿)   



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 11日目 白鵬 朝青撃破!大関当確だ
注目の全勝対決を関脇白鵬が制し、大関昇進をを確実にした。横綱朝青龍を上手出し投げで下して初日から11連勝。昇進目安となる直前3場所合計33勝に到達するとともに、初優勝にも大きく近づいた。かど番大関魁皇は大関栃東を寄り切って5勝6敗。師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)は、ここ数日間の相撲内容を受けて魁皇と話し合い、負け越したら引退するという方針を撤回した。敗れた栃東は3敗になり今場所後の横綱昇進が絶望になった。

初場所のVTRのように座布団が舞った。白鵬が土俵にうつぶせになった朝青龍を見下ろす。表情を変えず、喜びをかみしめるように花道を引き上げた。「すごくうれしい。まさか出し投げが決まるとは思わなかった。これが(千秋楽の)最後の相撲ならよかったのに」。支度部屋でようやく笑顔が弾ける。大一番を制し、場所後の大関昇進を確実にした。

横綱の得意な左四つを封じた。立ち合い左を差されたが、上から押してまわしを切ると反撃に出る。右上手を取り、左手で相手の右足を押さえながら、タイミングよく出し投げを決めた。大先輩への気後れはなかった。この日初めて、故郷モンゴルの国旗をあしらった帯を巻いて会場入りした。「前から注文していたんだ。特別な気持ちでつけたよ」。国旗入りの帯を締めているのは朝青龍だけ。横綱と同じ服装をするのにふさわしい力をつけたという自信の表れだった。

九重審判部副部長(元横綱千代の富士)は「白鵬の相撲は大関というより、もう横綱の相撲だよ。本人にしたら大関昇進はちっぽけなことだ」と安定した取り口を絶賛した。北の湖理事長(元横綱北の湖)は「11勝と言っても残り4日間で負けたらイメージが悪くなる。あと一つ、二つはほしい」と慎重な姿勢を示したが、今の勢いなら何の心配もいらない。白鵬は「まだ場所は終わってないから。横綱に勝って他の力士に負けたらだめ。もう優勝を意識していいと思う」。最大の難関を乗り越えた21歳が、初の賜杯へ向けて突っ走る。 



 日刊スポーツ 3月23日
<抜粋> 12日目 白鵬「熱くなっちゃったね」
<大相撲春場所>◇12日目◇23日◇大阪府立体育会館
白鵬の連勝が11でストップした。「熱くなっちゃったね」と話す通り、はやる気持ちを抑えられずに栃東に2度つっかけた。本来の立ち合いができずにおっつけで攻め立てられ、何もできずに押し出された。支度部屋ではため息交じりに「横綱に勝って安心? それはない。(大関昇進確定には)あと1番勝てばいい。優勝は終わりだー」と弱音も口をついた。13日目は琴光喜と対戦する。 



 3月23日
<抜粋> 12日目 
○…完敗で連勝が止まった白鵬は苦笑いで引き上げてきた。二度つっかけて待った。その後、仕切り線から大きく下がって立ったが、これが失敗。伸ばした左は突き放されて届かない。下から押し上げてくる栃東の押しに辛抱できず、二度も引いて墓穴を掘った。「焦っちゃいなかったけど、かち上げていけば良かったかな」と反省の弁。相撲にならなかったのがよほど悔しかったようで、「優勝も終わりだ」とぽつり。最後は気を取り直したように、「あと一番勝てばいいと思うので頑張ります」。まず大関昇進に照準を合わせる心境を語った。   



 3月23日
<抜粋> 12日目 関脇白鵬、心押され土
大相撲春場所12日目の23日、大関昇進と初優勝を目指し快進撃の関脇白鵬に土がつき1敗を守った横綱朝青龍と並んだ。白鵬は今場所での綱とりが絶望の大関栃東に押し出された。先場所からの連勝は18でストップ。朝青龍は左四つで大関魁皇を寄り切った。魁皇は7敗目で9度目のかど番脱出に後がなくなった。大関琴欧州は取り直しの末、9勝目をマークした。大関千代大海は関脇琴光喜に寄り切られ4敗、琴光喜は勝ち越した。

◆立ち合い「下がりすぎ」
勝負の分かれ目は立ち合いだった。仕切り線から離れて仕切る白鵬。2度、突っかけた。その度にさらに下がり、栃東との距離が開いていく。21歳の若武者の動揺が見てとれた。

「下がりすぎだよ」

テレビで注目の対決を見守った北の湖理事長がつぶやいた。その直後、軍配が返った。白鵬が踏み込んで左前まわしをつかみにかかるが、触れることすらできない。下からの攻めにたまらず引いて、遮二無二大関の顔を突っ張ったが、粘っこい相手には通じない。2度目の引きが墓穴を掘り、はず押しで押し出された。

完敗。理事長が「ほら、下がり過ぎて、つけ込まれる間合いができた。相手にうまさがあるから雑になっちゃったね」と言葉をつないだ。「焦っていない」「迷っていない」。初日から11連勝で止まった白鵬は強がった。ただ「敗因は立ち合いか」というストレートな問い掛けには無言を貫いた。それが答えだったから。

前日は朝青龍を破り、大関をほぼ手中に手繰り寄せた。14日目に両親がモンゴルから大阪入りすることも決まり、周囲の慌ただしさは増す。初優勝にひた走ると思われた直後のつまずき。理事長は「残りの対戦相手は朝青龍の方が厳しいが、精神的には追いつかれた白鵬の方が厳しい。ここは五分と五分」と予想した。

白鵬は言った。
「あと1番勝てばいいと思うんで頑張る。優勝、終わりだ」

もちろん賜杯をあきらめたわけではない。まずは大関昇進を確定させること。懸命に心を整理しようとする姿にみえた。 (高橋広史)   



 スポニチ 3月
<抜粋> 12日目 朝青龍 1日で白鵬とらえた!
朝青龍が逆転優勝を視界にとらえた。大相撲春場所12日目(23日・大阪府立体育会館)、前日に全勝直接対決で苦杯をなめた白鵬が栃東に黒星。その直後の結びの一番で魁皇を寄り切って、1敗でトップに並んだ。2敗は平幕の若の里。3敗で栃東、琴欧州、旭鷲山が続いている。 【12日目の結果】

経験豊富な朝青龍にはこうなることが分かっていたのかもしれない。「白鵬は全然落ち着きがなくて大丈夫かと思った。栃東がいい相撲を取ったね」。わずか1日で優勝争いの先頭に戻り、初優勝のプレッシャーにとらわれた白鵬の姿を冷静に振り返った。豪快に遊んで豪快に勝つのが朝青龍の流儀。今場所は毎晩飲みに出かけていたが、白鵬戦の前夜だけは外出しなかった。昨年の春場所も同じ。連勝を27で止められた栃東戦の前の日だけ飲みに行かなかった。結果はどちらも負けた。だから白鵬に敗れた悔しさはアルコールで思い切り発散した。「きのうはお酒をバクバク飲んだよ。量は別にいいじゃん。体大きいからね」と笑顔でおなかをさすった。ワインと焼酎、それぞれボトル2本分を体に流し込んで心のもやもやはスッキリと洗い流した。

そして迎えた魁皇戦。左四つで組み合い、魁皇が浮き上がるほどに上手を引きつけて前に出た。寄り切る際になぜか右ひざから崩れてヒヤリとさせたが「異常なし」と歩く姿は普段通りだった。「こういう経験は何回もある」。昨年秋場所でも、初優勝目前で金縛りにあった琴欧州を絶望的な状況から逆転した。再び見えてきた逆転優勝。「あんな負け方して悔しかった。もう一度やりたい」と白鵬へのリベンジを胸に抱き、その手に賜杯もつかみ取る。

≪魁皇 崖っ縁の7敗目≫魁皇が朝青龍に敗れ7敗目。崖っ縁に追い込まれた。それでも22日に師匠・友綱親方と話し合い「結果はどうであれ千秋楽まで相撲を取り切る」と結論を出しており「自分の中では気持ちが吹っ切れて相撲を取っている」とスッキリした様子。「いろんな人に声かけられ、いろんな人が支えてくれている。それに応えないといけない。簡単にあきらめるわけにはいかない」と気持ちはまだ切れていない。

≪白鵬「優勝、終わりだ」≫初日から圧倒的な強さで連勝を続けてきた白鵬が栃東に敗れた。「もう立ち合いから全然駄目だった」と本人が言うように明らかに平常心を失っていた。2度も先に突っ掛け、3度目でようやく立ったが、低い体勢で押し続ける栃東の顔面に張り手を連発し、引いてしまった。その後は、土俵下まで押し出されるしかなかった。両者好調だった先場所の対戦でも栃東の勢いにやられた。苦手意識については「どうだろうね」と認めなかったが、取り口は消極的だった。この1敗が大関昇進に及ぼす影響は少ないだろうが、優勝争いでは再び朝青龍と並び「優勝、終わりだ」と弱気な言葉も口にした。

≪栃東 会心の白星≫栃東が全勝の白鵬に土をつけた。「自分の相撲が取れた。それがうれしい」と会心の笑顔。白鵬が2度つっかけてきても「冷静だったし、中途半端な立ち合いだけはしないように心懸けていた」と言う。「師匠からも“下から下からいくのがお前の相撲”と注意を受けていたので、相手にまわしを取られないように下から攻め切った」と振り返った。横綱昇進は厳しい状況だが「残り3日間まだチャンスはあるので最善の努力はする」と力強く言い切った。   



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 12日目 白鵬に土、再び朝青と並ぶ
大相撲春場所12日目(23日・大阪府立体育会館)大関昇進と初優勝を目指し快進撃の関脇白鵬に土がつき、1敗を守った横綱朝青龍と並んだ。白鵬は今場所での綱とりが絶望の大関栃東に押し出された。先場所からの連勝は18でストップ。朝青龍は左四つで大関魁皇を寄り切った。魁皇は7敗目で9度目のかど番脱出に後がなくなった。大関琴欧州は取り直しの末、9勝目をマークした。大関千代大海は関脇琴光喜に寄り切られ4敗、琴光喜は勝ち越した。全勝が消え、1敗の2人を2敗で若の里、3敗で栃東、琴欧州、旭鷲山が追う。十両は把瑠都が12戦全勝で依然首位。 



 サンスポ 3月
<抜粋> 12日目 白鵬18連勝でストップ
横綱を撃破した勢いはどこへやら…。白鵬はまわしを取れないまま、栃東に押し出された。先場所からの連勝も「18」でストップ。初優勝を狙うV争いでも再び朝青龍に並ばれ、大関昇進を確定的にする12勝目もお預けだ。「あせってない。立ち合い、かち上げていけばよかった」と、作戦失敗を悔やんだ。「大関昇進? あと1つ、勝てばいい。優勝、それは終わりだ」とショックは大きい。残り3日間。引きずらなければいいが…。   



 中日スポーツ 3月
<抜粋> 12日目 白鵬「優勝終わりだぁ」
これが初優勝への重圧なのか。前日、角界の第一人者・朝青龍を圧倒した力士とはとても思えない別人の白鵬だった。白鵬は焦るだけ焦って、「自分だけ熱くなっていた」(白鵬)のだ。今場所の綱とりが消えた栃東に簡単に押し出された。先場所9日目から続いていた連勝は18でストップした。白鵬は、立ち合い2度突っかけた。こんなことは今場所初めてのことだ。「(栃東に)早く手を付けと言えばよかったな」と白鵬が真顔で言った。突っ張りだって、威力がなく相手のうまさに「足がそろってしまった」。最悪の内容。朝青龍に勝って安心したこともあるかも知れない。「そんなことはないよ。今までよりも緊張した? それもない」。本人はそれを否定するが、優勝争いのトップに立った21歳に、冷静な相撲を期待する方が酷かもれない。

1敗で朝青龍に並ばれた。北の湖理事長(元横綱北の湖)は「優勝争いは五分と五分だと思うよ。精神的には経験の少ない白鵬の方が厳しいだろう。気持ちの切り替えが大事だな」と話した。大関昇進は確実だが、優勝争いは混沌(こんとん)としてきた。白鵬は「あと1番勝てばよいと思うと、頑張ります」。これは大関昇進についての言葉。その後、「優勝終わりだあ」と白鵬は突然、大声を出した。情緒が不安定になっている。これが優勝争いに影響しなければよいが…。 (近藤昭和)   



 スポーツ報知 3月
<抜粋> 12日目 朝青龍、白鵬に並んだ
百戦錬磨の横綱は、この日、控えに座りながら、白鵬の緊張を見て取るだけの余裕もあった。「落ち着きがなかったから大丈夫かな、と思った。栃東の方が冷静にいい相撲を取ったね」。   



 社説 3月24日
<抜粋> 13日目 
大相撲十一日目・結びの取り組みは全勝同士、モンゴル出身力士同士の一番となった。横綱・朝青龍に挑むのが関脇・白鵬。がっぷりと四つに組んだから、これは力に勝る横綱かと思ったら、前に引かれて腹這いになったのは横綱の方だった▼日本の国技がもうすっかり外国人力士に“占領”され、相撲フアンも興味半減してしまったのか、満員札止めという日はまれになった。それでもテレビで見る限り桟敷席がガラガラということはなく、いぜん根強い人気を保っていることだけは確か。しかし栃若時代、柏鵬時代のように、両雄並び立ち、館内をわかせるような時代はしばらくやってこまい▼外国人力士が強くなったのか、日本人力士が弱くなったのかという比較はおいて、現役の日本人力士を見ている限り、溢れる闘志をむき出しにするような攻撃型は、ウルフの異名をとった千代の富士を最後に姿を消したように思えてならない▼朝青龍の、あのすさまじいまでの闘志は、本人を好き、嫌いだという前に敬服にあたいするものがある。格闘技なのだから、何としても相手を倒すぞ、という闘魂が見る側にも伝わってくるようでなければ、国技は衰退していくだろう。その負けん気な横綱を上手出し投げで土俵に這わせた白鵬の静かな闘志は、勝っても負けても表情を変えない大鵬をほうふつとさせるものがあった▼白鵬の横顔を見て、鼻梁の線が大鵬に似ているな、と思った時、そうか同じモンゴロイド(蒙古系)だものと気づいた。赤ん坊のお尻にでる青い蒙古斑を共有するアジア人のその“大本家”が、相撲に飛び込んで来たのはまさしく“先祖がえり”であり、国籍など別問題なのだ。白鵬よ行け!そして“別家”を叩きのめせ!  



 日刊スポーツ 3月
<抜粋> 13日目 
消極的な取り口で初黒星を喫した白鵬は、相撲を立て直せるか。大関昇進に向けての緊張感との戦いでもある。相手は右の相四つだけに、得意の左上手を取れるかどうかがポイント。取れずに焦って引くことだけは禁物だ。琴光喜は思い切って当たり、一気に走りたい。大関候補の先輩としての意地を見せられるか。   



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 13日目 白鵬に土…栃東に完敗
21歳の白鵬に若さが出た。大相撲春場所12日目(23日・大阪府立体育館)、栃東のまわしを取れず押し込まれると、のけぞりながら土俵下に落ちた。「焦っていたわけじゃない。でも(栃東に)早く手を付けって言えば良かったかな」。立ち合い2度つっかけて、頭が熱くなっていた。疲労はピークに達している。この日の朝げいこは腰に湿布を張って行った。前日の打ち出し後、マッサージを受けたものの、痛みは完全には取れていない。だが、14日目に来日する両親に賜杯を掲げる姿を見せるためにも、泣き言はいっていられない。初日からの連勝は11で、先場所からの連勝は18で止まり、強敵朝青龍に1敗で並ばれた。「優勝はもう終わりだ!」。支度部屋でヤケ気味に叫び声を上げた。優勝の難しさは初場所で味わっている。初Vへ正念場を迎えた。   



 ZAKZAK 3月
<抜粋> 13日目 進撃白鵬、誘致もリード…夏巡業めぐり台湾と合戦
まだドラマは先が見えない。こちらの闘いも土俵上に負けないぐらいの大熱戦だ。今、名古屋場所後の夏巡業をめぐって、台湾とモンゴルが猛烈な誘致合戦を繰り広げている。つい10日前まで、8月17、18日の開催を予定している台湾の独走状態で、正式契約寸前だった。ところが、この1週間でモンゴルが猛烈に巻き返し、全くわからない状況になっているのだ。もし台湾が逃げ切れば戦後初、モンゴルが逆転すれば史上初の巡業となるが、どちらも大きな弱点を抱えている。「台湾に行けば、おそらく中国が黙っていないでしょう。日中関係がギクシャクしているときだけに、やめた方がいいんじゃないか、と慎重論を唱える親方も多い。モンゴル巡業は日程的な問題があります。向こうが計画しているのは名古屋場所の3日後。場所後の1週間は力士たちの休養日と決まっているし、準備期間が短すぎる」と、協会関係者は明かす。

このモンゴル巡業の火付け役が初優勝と大関昇進を目指してひた走っている白鵬の活躍だ。何しろ父のジジド・ムンフバトさん(64)はモンゴル相撲の大英雄で、日本で言えば長嶋茂雄さんのような人。朝青龍とは国民の見る目が違うのだ。この日、白鵬は栃東に初黒星。「迷ったわけじゃないんけど、立ち合いが失敗だった。(大関確定の)あと1番、勝てばいい。優勝は終わりだ」と、白鵬は半分あきらめ顔だったが、もちろん腹の中は別。再び横一線の朝青龍との猛烈なつばぜり合いに、モンゴルも一段とヒートアップするに違いない。さあ、この熱闘がモンゴル巡業の追い風になるか。   



 デイリースポーツ 3月24日
<抜粋> 13日目 白鵬の大関昇進が確実に
大相撲春場所は24日、大阪府立体育会館で13日目を行い、東関脇白鵬(21)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身、宮城野部屋=が12勝目を挙げ、場所後の大関昇進が確実となった。21歳0カ月での昇進は昭和以降で貴ノ花(のち貴乃花)、大鵬、北の湖に次ぐ4番目の若さ。外国出身力士の大関昇進は昨年九州場所後の琴欧州に続いて6人目で、モンゴル出身では朝青龍以来で2人目。二十九日の理事会と夏場所番付編成会議で昇進が正式に決まる。白鵬は11日目に初黒星を喫したが、この日は落ち着いた取り口で関脇琴光喜を退けた。宮城野部屋からは、明治から大正にかけて活躍した元横綱鳳以来で94年ぶりの大関誕生となる。   



 読売 3月24日
<抜粋> 13日目 12勝目の白鵬、大関昇進が確実に
大相撲春場所で12勝目を挙げた白鵬の場所後の大関昇進が確実となった。
直近3場所合計も34勝として昇進目安をクリアしたことを踏まえ、北の湖理事長は「関脇で2場所連続の優勝争いは高く評価出来る。先場所が13勝で成績も安定してきた。話題は出るでしょう」と、昇進に前向きな評価を下した。ただ、場所は優勝争いの大詰め。理事長は「今は初優勝に向かって欲しい。優勝を目指せば大関はついてくる」と明言は避け、昇進を預かる放駒審判部長(元大関魁傑)も「優勝争いを朝青龍と並走している。千秋楽まで審判部で話すことはしない」と、あくまでも優勝レースを重視した。 



 デイリースポーツ 3月
<抜粋> 13日目 
関脇白鵬が自力で大関昇進をつかんだ。関脇琴光喜を上手投げで下して12勝目。北の湖理事長が「12勝は(昇進の)ひとつの目安」と事実上の昇進ゴーサインを出した。横綱朝青龍は千代大海を上手投げで退け1敗を死守。かど番脱出へ、1敗もできない大関魁皇は出島にすくい投げで勝ち6勝目を挙げた。十両は東11枚目の把瑠都が13連勝で初優勝を決めた。全勝Vすれば1963年九州場所の北の富士以来4人目の快挙で、一気に新入幕が視界に入る。

自力で大関を手中にした。白鵬は琴光喜をがっちり組み止め、十分な体勢から上手投げで下して12勝目。11日目に朝青龍を破って11勝し、昇進目安の直前3場所合計33勝に到達していたが、さらに白星を加えたことで、昇進を確かなものにした。1横綱、2大関を破っての12勝に、これまで慎重だった北の湖理事長も「先場所13勝、今場所12勝と高い成績を残しているのは安定している証拠。審判部の話は分からないが、話は出るだろう」と踏み込んだ発言をした。

この日は父ジジド・ムンフバトさん(64)が予定より1日早く会場で観戦した。白鵬を角界に紹介した旭鷲山が座席を手配してくれたもので、「取組前は父を見なかった。目の前で勝ててうれしいよ」。モンゴル相撲のかつての大横綱でもある父の前での昇進確定に、満足そうに笑った。会場を出る前にはムンフバトさんからほおにキスで祝福を受けた。風邪気味で声はかすれ、腰痛も抱えているが、千秋楽まで見守ってくれる父の応援が何よりの力の源だ。「この後、2日間も白星を挙げたい」。狙うは初優勝だ。2重の喜びを父とともに分かち合う。  




 読売 3月24日
<抜粋> 13日目 朝青龍、白鵬が1敗守る…大相撲13日目
大相撲春場所13日目(24日・大阪府立体育会館)―─1敗で並ぶ朝青龍、白鵬がともに首位を守った。朝青龍は千代大海の出足を止めて上手投げで転がし、白鵬も慎重な攻めで琴光喜を下した。

◆父の前で記念すべき勝利◆
もはや関脇同士の対決には見えなかった。白鵬の動きに中盤戦までの切れ味はなかったが、左上手まわしを引くとグイグイ寄り立てて圧倒。最後は上手投げでひっくり返し、大関昇進を確実にする12勝目。そんな一番も「緊張はなかった」とさらりと振り返った。 優勝を意識して張りつめていた気持ちが、前日の敗戦で切れ、疲労が一気に吹き出した。「(体が)重くて力が出なかった」。風邪気味でノドが痛く、熱っぽくもあった。そんな状態でも琴光喜は防戦一方。「テレビだと動きが遅いように見えるけど、無駄がない。貴乃花みたい」と、出世争いでも完敗を認めるしかなかった。

記念すべき日の升席には、64歳の父、ムンフバトさんの姿があった。モンゴル相撲の大横綱で五輪レスリング銀メダリスト。母国の先輩、旭鷲山が「大事な一番だから」と気を利かせ、日程を1日早めて招いたという。その父の目の前で決めた勝利を、短く「うれしい」と喜び、感慨に浸った。 いきのいい21歳の躍進に呼応するように、近年まれに見る客の入り。満員御礼が8日以上の“勝ち越し”となるのは確実で、これは東京場所も含めて2001年春場所以来5年ぶり。演出した白鵬が朝青龍との並走を続ければ、千秋楽は最高に盛り上がる。(山口博康)   



 毎日新聞 3月24日
<抜粋> 13日目 白鵬12勝目 大関昇進が決定的に
大阪府立体育会館で行われている大相撲春場所は13日目の24日、東関脇・白鵬(21)=宮城野部屋、モンゴル出身、本名ムンフバト・ダヴァジャルガル=が琴光喜を降して12勝目、直近3場所が三役で34勝とし、場所後の昇進が決定的になった。この日の勝ち星で昇進の目安となる33勝を超えた。豪快な上手投げでの12勝目に、北の湖理事長は「審判部がどう判断するかだが、この1勝で話題は出ると思う。関脇で2場所連続優勝争いにからんでいるのは評価できる」と話した。審判部の放駒審判部長は白鵬に優勝の可能性が残っていることから発言を留保。千秋楽に審判部内で大関昇進について話し合うとしている。

大関の昇進の手続きは千秋楽終了後、審判部が昇進の理事会招集を北の湖理事長に要請する。決定権を持つ理事の間に異論はなく、13日目で12勝、横綱を2場所連続で破った実力を高く評価する声が高い。このため審判部の理事会招集要請は確実。29日開く理事会、番付編成会議で「大関・白鵬」誕生の運びとなる。大関誕生は05年九州場所後の琴欧州以来、昭和以降では78人目。白鵬は01年夏場所の初土俵。所要30場所での昇進。米国(小錦、曙、武蔵丸)、モンゴル(朝青龍)、ブルガリア(琴欧州)に続く6人目の外国出身大関となる。【武藤久】   



 日刊スポーツ 3月24日
<抜粋> 13日目 白鵬、父観戦で「慎重すぎた」
白鵬が父の見守る前で1敗を守った。立ち合いですばやく琴光喜の左上手を取ると、寄りをこらえられたところを上手投げ。「ちょっと慎重すぎたかな」と首をかしげていた。この日は父ムンフバトさんが観戦。帰り際にはほおに祝福のキスをされて、照れ笑いを浮かべていた。14日目は対戦成績1勝6敗と苦手にしている若の里と対戦する。   



 日刊スポーツ 3月23日
<抜粋> 13日目 白鵬12勝目!大関昇進確実
東関脇白鵬(21=宮城野)が12勝目を挙げ、場所後の大関昇進が確実となった。21歳0カ月での昇進は昭和以降で貴ノ花(のち貴乃花)、大鵬、北の湖に次ぐ4番目の若さ。外国出身力士の大関昇進は昨年九州場所後の琴欧州に続いて6人目で、モンゴル出身では朝青龍以来で2人目。29日の理事会と夏場所番付編成会議で昇進が正式に決まる。白鵬は12日目に初黒星を喫したが、この日は落ち着いた取り口で関脇琴光喜を退けた。宮城野部屋からは、明治から大正にかけて活躍した元横綱鳳以来で94年ぶりの大関誕生となる。   



 スポーツ報知 3月
<抜粋> 13日目 白鵬1敗キープ
父の前で、ぶざまな相撲は見せられない。白鵬は、琴光喜を豪快な左上手投げで下し、1敗を死守した。来日した父・ムンフバトさん(64)がその足で観戦に訪れたことに「びっくりしたけど、うれしかった」と話し、握手をかわした。この1勝で最近3場所合計34勝とし、大関昇進は確実。周囲は優勝と2つの“みやげ”を期待するが「きのうの一番(栃東戦)で力を全部出してしまった。大関? わからないな」ととぼけた。「来場所につながる自分の相撲を取りきればいい」ラスト2日、無心で最後の大きな壁に挑む。   



 サンスポ 3月
<抜粋> 13日目 白鵬、大関だ!琴光喜を下し昇進確実
春場所13日目(24日、大阪府立体育会館)関脇白鵬(21)が関脇琴光喜(29)を上手投げで下して12勝目を挙げ、場所後の大関昇進を確実にした。今場所1横綱2大関を破っている白鵬は、昇進の目安とされる直前3場所の合計勝ち星33勝を上回る34勝とした。29日の理事会と番付編成会議で昇進が正式に決まる。

大関の座をたぐり寄せた。白鵬は右四つ、左上手をひいて十分な体勢になると、粘る琴光喜を慎重に攻めて、最後は寄っておいて左からの上手投げで投げ捨てた。かつて大関候補といわれた実力者を下して12勝、3場所合計を34勝にした。昇進問題を預かる審判部の放駒部長(元大関魁傑)は「千秋楽まで何も話さない」としたが、北の湖理事長(元横綱)は「12勝というのは一つの目安。きょう勝ったことによって、そういう(昇進の)話題が出るでしょう」と話した。「うれしい。それしかない」。いつもより長めの風呂から出ると、「気合が入っていた。相手が重いし、パッとしない相撲だったけど」。前日に栃東に完敗し嫌な空気が漂ったが、酒を飲んで気分転換し踏みとどまった。負けられない理由があった。自分のため。そして父のために-。

モンゴル相撲(ボフ)の大横綱で68年メキシコ五輪レスリング銀メダリストの父ジジド・ムンフバトさん(64)と母タミルさん(59)が、この日来日。14日目からの観戦予定を繰り上げて、父が場所に姿を見せた。「お父さんが来たことはここへ来て知った」。15歳で日本へと送り出し、その後も電話などで激励し続けてくれた父の前で晴れ姿を。この思いが土俵にあらわれた。「あと2日間は来場所につながる相撲を取りたい」と語る白鵬にとって、大関昇進を確実にしたいま、目指すものはただ一つ。双葉山、大鵬、貴乃花らを彷彿とさせる柔らかい足腰を持つ格闘技のサラブレッドは、「千代の富士関みたいに強い」と尊敬する父の前で初の賜杯を勝ち取り、ジャパニーズ・ドリームの主人公になる。

◆琴光喜
「上手だけは取られてはいけなかった。突き放しても、吸収される感じだった」  

父も親方も感無量
父ムンフバトさんは、大阪・堺市の宮城野部屋宿舎で「こんなになるとは思ってなかった」と感極まった様子。育ての親、熊ケ谷親方(元幕内竹葉山)とも抱擁を繰り返し、「小さかった子がこんなに大きくなって。親方はじめみなさんのおかげ」と頭を下げた。熊ケ谷親方は「入った時にあれだけ小さい人間が大関なれるとは思っていなかった。今ではお互いの気持ちが通じ合って、親子のような関係です」とこちらも感無量。父は「日本のファンも期待している。努力を忘れず、横綱に早くなってもらいたい」とエールを送っていた。



 スポニチ 3月
<抜粋> 13日目 
大相撲春場所13日目は24日、大阪府立体育会館で行われ、白鵬が琴光喜を上手投げで破って12勝目を挙げた。観戦に訪れたモンゴル相撲の大横綱である父ムンフバトさん(64)の前で大関昇進を確実にした。21歳0カ月での大関昇進となれば貴乃花、大鵬、北の湖に次ぐ歴代4位の年少記録(昭和以降)。1つの目標を達成して、残り2日間は初優勝を目指す戦いになる。 【13日目取組結果】

あとひと押しができず、投げても粘られた。右四つで上手をがっちりと引いたのになかなか攻めきれない。それでも、こん身の力を込めて再び前に出た白鵬は上手投げで難敵・琴光喜を仕留めた。東のマス席には、この日に来日した父の姿があった。本当なら14日目を観戦するはずだったが、チケットを用意してくれた旭鷲山が演出し“サプライズ”来場。場所入り後に聞かされて驚きつつも、しっかりと大関昇進を決定づける白星をささげた。ところが、大喜びしてもおかしくない状況で白鵬に笑顔はなかった。「パッとしないね。きのうの一番が大きかった。あそこで力が全部出ちゃった」。前日の栃東戦で連勝が止まり朝青龍に並ばれた。「優勝、終わりだ」ともらした弱気は白星でも解消されなかった。「あと2日間で来場所につながる自分の相撲を取りきればいい」という言葉はまるで敗者の弁。無欲というよりも気が抜けてしまった様子だった。

昇進の目安となる直近3場所三役33勝を上回る34勝目。北の湖理事長(元横綱)は明言こそしなかったが「きょう勝ったことで話題は出る」と当確宣言。残る2日間で目指すのは初優勝以外にない。ムンフバトさんは、日本でいえば長嶋茂雄と王貞治を足したような国民的英雄。以前、父の現役時代のビデオを見た白鵬は「気合というか、そういうものがあった。それが僕に足りないんだね」と語っていた。父が来日したことで、その気合を身にまとうことができるか。それが初優勝へのカギになる。   



 スポニチ 3月
<抜粋> 13日目 白鵬12勝 大関昇進確実に
大相撲春場所は24日、大阪市浪速区の大阪府立体育会館で13日目を行い、東関脇白鵬(21)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身、宮城野部屋=が12勝目を挙げ、場所後の大関昇進が確実となった。21歳0カ月での昇進は昭和以降で貴ノ花(のち貴乃花)、大鵬、北の湖に次ぐ4番目の若さ。外国出身力士の大関昇進は昨年九州場所後の琴欧州に続いて6人目で、モンゴル出身では朝青龍以来で2人目。29日の理事会と夏場所番付編成会議で昇進が正式に決まる。白鵬は12日目に初黒星を喫したが、この日は落ち着いた取り口で関脇琴光喜を退けた。宮城野部屋からは、明治から大正にかけて活躍した元横綱鳳以来で94年ぶりの大関誕生となる。   

▼白鵬の話 先場所いい成績を残したんで、今場所は頑張りたい気持ちが強かった。(重圧は)なかった。勝っていって(大関に)なっちゃうんじゃないかと思えるようになった。5年前に大阪に来て、その場所で決められて本当にうれしい。



 毎日新聞 3月
<抜粋> 13日目 朝青龍、白鵬1敗守る 13日目
◇「心技体」が試される残り2日…白鵬
白鵬の立ち合い。琴光喜の右の差し手よりも早く、低い姿勢で左前みつをつかんだ。長い仕切りにじらされ、焦りから腰高になって敗れた前日の栃東戦。その反省を生かし、低く踏み込んだ本来の立ち合いに、誰もが速攻での勝利を予感した。左から続けざまの上手投げで揺さぶり、琴光喜を半身にさせたまでは良かった。だが、慎重になり過ぎて次の矢が出ない。踏み込めず、思い切った投げも打てずと、慎重さが攻め手を狭めてしまう。1分を超える長い相撲。最後は辛うじて上手投げで仕留めたが、顔は真っ赤。力水をつけるまで、息は上がっり放しだった。

慎重にいかねばならない理由はあった。1敗で並ぶ朝青龍との賜杯争い。加えて大関昇進を確実にする一番。本人は「緊張はしてないよ」と言ったが、終盤戦での白星の重みが硬さを生んだ。大関をつかむ白星にも、「攻め切れなかった」と納得のいかぬ表情を浮かべた。北の湖理事長も「前半戦のような踏み込みがない。勝たなくちゃいけないという気持ちが強くなっているんじゃないかな」と心配口調だ。ここに来て、安定していた相撲にかすかな狂いが出始めた。残り2日。相撲道で必要とされる「心技体」が試される。【和田崇】   



 中日スポーツ 3月
<抜粋> 13日目 白鵬、大関昇進 確実に
オヤジよ見ていてくれたか-。最後は左からの上手投げで、食い下がる琴光喜を土俵に転がした。勝ち名乗りを受ける白鵬を、マス席の最前列から見守る一人の男がいた。この日、来日したばかりの父ジジド・ムンフバトさん(64)だ。勝利を当然といわんばかりに小さくうなずいた。これで12勝。直近3場所で34勝に乗せ、偉大な父の前で大関昇進にダメを押した。「お父さん? (今日来るとは)知らなかった。顔を合わせた時はアーッて思った」。びっくりした表情で語った白鵬。ジジドさんは一緒に来日した母タミルさん(59)と、翌日の14日目に姿を見せるはずだった。だが、熱い血からじっとしてはいられなかたのか、ジジドさんだけは到着した関西国際空港から会場に直行した。驚きが先という感じの白鵬だが、偉大な父の前で勝ち、大関を確かなものにしたことに「まあ、うれしいですね」と照れくさそう。仏頂面が溶けるように緩んだ。取組後、白鵬はジジドさんから右ほおに祝福のキスを受けた。朝青龍との優勝争いは一歩も譲らない。風邪気味で「ノドが痛く、鼻が詰まっている」と苦しそうだが、モンゴル相撲で横綱を張り、6度の優勝を誇る父の“援軍”は心強い限り。「残り2日間、自分の相撲を取れれば」と力を込めた。あとは初優勝に向けてばく進するのみだ。 (中谷秀樹)

■北の湖理事長(元横綱北の湖)「(白鵬の場所後の大関昇進について)今日1つ積み重ねたことで、(場所後に昇進の)話題は出るでしょう。関脇で2場所続けて優勝戦線に残っている。それだけで評価できる。あと2日、しっかり相撲を取ってほしい。優勝をつかみにいってほしい」   



 日刊スポーツ 3月日
<抜粋> 13日目 白鵬、父の目前で昇進決める12勝
<大相撲春場所>13日目◇24日◇大阪府立体育会館
大関昇進確実の白鵬(21=宮城野)が、日本相撲協会の北の湖理事長(元横綱)を納得させる12勝目を挙げた。琴光喜(29)との関脇対決を制し、昨年九州場所から3場所合計34勝とした。この日モンゴルから来日した父ムンフバトさん(64)の前で1敗を守り、残り2日間に初優勝をかける。横綱朝青龍(25)も勝ち1敗は2人、3敗で大関栃東(29)平幕の若の里(29)と旭鷲山(33)の3人が追う。

父の見守る土俵で、息子は強さを取り戻した。立ち合いで素早く琴光喜の上手を取った。勝ち気に焦って負けた前日栃東戦とは違う、いつもの冷静な白鵬だった。右四つから両まわしを引きつけて寄り立て、相手がこらえたところを上手投げでたたきつけた。大関昇進文句なしの12勝目。慎重だった北の湖理事長も「13、12勝と高い成績を続け、安定感がある。連敗するとイメージが悪かっただけに、今日の白星は大きい。そういう(昇進の)話題は出るでしょう」とトーンを変えた。白鵬は「うれしい。それしかないでしょ」と目を閉じた。

取組前は嫌な感覚に襲われていた。「支度部屋でボーッとしてきて。体が重くて力が出なかった」。初優勝への重圧に加え、後半戦に入って風邪でのどを痛め、鼻も詰まっていた。それでも負けなかった。モンゴル相撲の横綱だった父の視線が奮い立たせてくれた。この日に来日したムンフバトさんの観戦は14日目から、と聞かされていた。土俵入り前に旭鷲山から「お父さん、来てるね」と知らされ驚いた。モンゴル相撲で6回の優勝を誇る自慢の父。右上手出し投げで朝青龍を破った11日目の夜に電話した際には「あれはオレが得意な技だったんだ」と言われ喜んだ。父に近づいた気がして、翌朝のけいこ場では付け人相手に何度も技を繰り返した。父の目の前で、負けるわけにはいかなかった。

帰り際、駆け寄ってきたムンフバトさんに、ほおへブチュッと熱い祝福を受けた。照れ笑いを浮かべた。優勝争いについては「来場所につながる自分の相撲が取れればいい」と無欲を強調するが、北の湖理事長は「優勝争いを大事にしてほしい」と期待する。あと2日、さらに父へ近づく戦いが始まる。【太田尚樹】   


















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