Backcountry skiing
ようやくこの時期になって、制限も何もないフィールドへと繰り出します。今年の積雪はレコードとのことですが、その通りの積もりっぷりです。冬はエサがなく、厳しい季節だったことでしょう。このブナも、向こうのミズナラも、これまで何回冬を越え、これから何回の冬を越すのか。日差しが雪のキャンパスに濃い影を落とします。ブナの幹に付けられたツクノワグマの爪あと。冬は雪のおかげで、普段は行くことができない場所へも行くことができます。とは言え、急斜面の谷を下りると体力の消耗が著しいです。陽も傾いてきたと言うのに、谷底にいるなんてステキ過ぎです。葉っぱが無い冬の雑木林に響くのは吹き抜ける風の音と、雪の重みで折れた枝がきしむ音だけ。世の中のほとんどのことがバカバカしく思えてくる瞬間です。そして、今日も下山は闇の中です。