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カテゴリ:ちょっと一息Coffee Break
軽井沢のレストランをプロデュースしたときの事。 ある一冊の本に出会った。 「イラクの小さな橋を渡って」(池澤夏樹著) それはイラクのまだ戦争に入る直前に著者がイラクを訪れたときの紀行文。 著者は世界の色々な国を訪れたときにその国の豊かさを確かめるため、 その国の地方のごくごく一般的な庶民の利用するレストランに入る。 その国の庶民がどんなものを食べているかで外見ではわからない、 その国の豊かさが推し量れるというくだりがあった。 世界中から経済制裁を受けていたにもかかわらず。 片田舎のレストランで、みようみまねでよくわからないMENUを眺めながら メインディッシュらしい物を注文する。 すると頼んでもいない新鮮な有機野菜をふんだんに使った、 オードブルやらサラダの類が一人ではとても食べきれない大皿に盛られて テーブルの上に所狭しと並ぶ。 それをおもむろに食べていると忘れた頃に、注文したメインディッシュ がテーブルに運ばれた。 著者はなんて豊かな国なのだろうと感慨にふける一節だったと思う。 これを読んだとき、日本が豊かだといわれているのに、いかに食の貧しい事かと 感じた。コンビニの弁当、おにぎりなどで生活をしている多くの人々。 どれだけ大地と交わる道をはずしてきてしまったのだろうと、悔しくもなった。 全て国産全て無添加を自負するこの会社のはじめようとするレストランでは どんなメニューしたものか。 ・・・日本にも誇れる食の豊かな田舎の文化がある・・・・ 信州のお茶請け・・ ここら辺の農家さんの家にお邪魔すると、 「まぁお茶でも・・・」といわれ、お茶を注がれ、傍らに野沢菜など・・ 湯飲みに口をつけるとまたお茶を注がれ、そうこうしてるうちに 野沢菜の他にも、お茶菓子がいくつか・・・ どれも他愛もない煎餅や見慣れたお菓子・・ で、そろそろお暇しようかと思ってると、大きな鉢になにやら茄子の煮付けが・・・ 「これおばあちゃんの得意な茄子で・・・畑で今日採れたんだって・・」 なんて、恐縮しながら味わう自分がいる。 で、またお茶を注がれて、・・・今度はいちごのショートケーキ・・・ 「これおとなり様からさっき頂いて・・・」、「どうぞどうぞ」と・・ そんなこんなで、気が付けば日も傾き、テーブルの上はあふれんばかりの 食の色々・・・・ あるを尽くすばかりの、おもてなしの心。 これだ!ひらめいた。 そしてやっぱり、食は、美味しく楽しくだと思います。 春分の21日の日本列島は大荒れの様子。仕方ないので本日の朝日を画像に収めました。 とても不思議な力のある光に見えるのは僕だけでしょうか?
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Last updated
2010.03.21 01:20:33
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