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カエルの子はカエルといいますが,人間の場合,そう単純ではありません。
たとえば,左翼の人の子が左翼とは限りません。 アンナは,なにひとつ不自由のない,まずは優雅な暮らしをおくっている9歳のパリの女の子です。あばあさんとおじいさんのうちはお城のようだし,おとうさんはスペインの貴族の家の出らしい。 ところがある日,父母そろって共産主義者の仲間入り。 子どもの願いなどお構いなしに,窮屈なアパートに引っ越すやら,大好きな宗教学校からの転校話がもちあがるやら,かわいがってくれたキューバ人のお手伝いさんがいなくなるやら…。 家には両親の“同志”たちやおかあさんに悩みを告白する女性が出入りし,よそのうちみたい。アンナの不満は爆発,「キョーサンシュギってなに?元に戻りたい。ぜんぶフィデルのせいなのね?」 せんぶ,フィデルのせい 公開中の映画「ぜんぶ,フィデルのせい」のあらましです。 フィデルとは,お手伝いさんがいつも悪口をいっていたキューバのフィデル・カストロです。けれど,ふくれっ面で反抗していたアンナのくらい目が,だんだん輝いてきます。なによりも,従順に生きるようお説教する学校で,「自由」の大切さに目覚めて。 わがままや勝手気ままでなく,好きにできればいいだけでもない,「自由」の尊さの発見。 本映画のジュリー・ガブラス監督は,独裁政権やアメリカを告発する多くの名作を撮った社会派監督コスタ・ガヴラスの娘です。 彼女の場合,見事にカエルの子はカエルだったようです。 ↑ お薦めの映画です。宜しければ見に行ってみてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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なかなか、含蓄のある映画解説ですね。
(2008年05月18日 15時31分11秒)
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