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2021/04/22
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カテゴリ:維和島
2021/04/15 熊本日日新聞朝刊掲載
 上天草市大矢野町の東部に位置する維和島。高台にある「桜・花公園」は、春はソメイヨシノやツツジ、夏はモミジアオイ、秋から冬にかけてはノボタンと、ほぼ1年を通して花を楽しむことができる。植樹や清掃など、約2・5ヘクタールの公園の環境整備を続けるのは、地元有志約50人でつくる「維和地区まちづくり委員会」だ。
 春の柔らかな日差しが注いだ3月3日、公園では鬼塚泰英会長(76)ら8人が、早咲きの河津桜の苗木20本を植えた。約3週間前から植える場所を確保するため茂みを取り払ってきた。昨年の10本に続く植栽。天草地域の気候だと数年後の2月中旬には枝いっぱいにピンクの花が咲き誇るはずだ。「子や孫たちの代にきれいな公園を残したいからね」。小林博美副会長(73)は笑顔で汗を拭った。
 公園は1950年代まで維和小があった場所。委員会は、植樹や、花と木の手入れだけではなく、雑木で荒れた場所にグラウンドゴルフ場を造ったり、公園から島頂上部の高山(標高166m)へ続く道を整備したりした。身近な場所に自然と親しめる環境を維持するためだ。
 委員会は、自治会や婦人会など各種団体の顔触れが融合する形で2005年に結成。島では、長年地元の経済を支えてきたクルマエビ養殖の低迷や、人口減の危機感が高まっていた。委員会は「癒しの維和島」をコンセプトに、島に足を運ぶ人を増やして交流・関係人口の創出を目指すことにした。
 初代会長の渡辺泰信さん(84)と事務局長の今塚廣隆さん(84)を中心に80回ほど会合を重ね、維和島のために何ができるのかを議論。公園の魅力アップを地域再生に結び付けるアイデアで、息の長い活動を実現させた。
 維和島が韓国版トレッキング「オルレ」のコースに認定されたことを受け、委員会は2012年から、約400人規模の参加があるウオーキングイベントを開催する受け皿にもなった。今では、旅するチョウのアサギマダラが飛来するスイゼンジナやフジバカマも育てている。
 活動は高く評価され、15年には県内の地域づくり団体でつくる「火の国未来づくりネットワーク」から表彰を受けた。その年、地域活性化に取り組む団体を県天草広域本部が表彰する「天草ブランドデザインアワード」で銀賞にも選ばれた。
 一方、イノシシがグラウンドゴルフ場を荒らすなど新たな課題も浮上。その中で、最大の課題は、平均年齢が70代になったメンバーの高齢化だ。今塚さんは「ぜひ若い世代の人にもっと加わってもらいたい。そのためには発足時の思いを再認識し、世代を越えて協調関係を築くことが大切」と語る。
 活動費の調達も課題だ。当初の5年間は、市による「13地区のまちづくり運動」に伴う全額補助で花や木、資機材の購入費、案内板の設置費などを確保できた。しかし現在は、市に代わって管理するグラウンドゴルフ場使用料と、ミカンの木を有料で貸す自主事業の収益が主な資金だ。通常の出費に加え、イノシシ被害対策などを加えると、厳しいやりくりという。
 3月23日もメンバーたちは公園に集まり、草刈りを済ませ、満開のソメイヨシノを見上げた。鬼塚会長と小林副会長は「四季を問わずに遊びに来てもらえる公園にすることが目標。それが交流人口を増やし、島全体の元気につながる。皆さんの理解と協力の下、できることをやり続けたい」と声をそろえる。(松富浩之

​​維和島(日本の島へ行こう)





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Last updated  2021/04/22 11:00:15 AM
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