学校通信DX

2007/09/12(水)00:32

状況は変わっているという認識

児童・生徒の問題(17)

このところ、毎年、クラスの子供たちに質問していることがあります。「お父さんは、全然、食事を作らないという人」 これには3割程度の子供が手を挙げます。「では、女子に聞きます。結婚したら、自分が毎回、食事を作ろうと思っている人」これにはほとんど手が挙がりません。手を挙げることに照れがあるのかもしれないことを差し引いても、おそらくこれが現実なんだと思います。地域差もあるでしょうけれども、全体の流れとしては、これが現実なんだと思います。ジェンダーフリーは確実に進行しています。1990年代に入った辺りから CMで家事をするシーンに男性が登場することが増えました。90年代当初、薬丸君が食器洗いを妻役の女性とじゃんけんで決めるCM(薬丸君が負ける)がありました。おそらく、どこかからの圧力がかかったことに対応して意図的に男性を起用するようになったのでしょう。堺正章さんやスマップの料理する姿、愛のエプロン・・・・違和感を覚える若い人はもはや少数派だと思います。状況は確実に変わっています。ジェンダーフリーに関することだけではなく、子育てを取り巻く状況全般が、どんどん変わっているのです。数回前にエントリーした携帯所持やゲームはとてつもなく大きな変化だと思いますし、至るところで、社会全体で大小の変化がどんどん進行していると思います。今日の「さんま御殿」には、ヤンキーキャラの木下優樹菜?19歳がゲストで出ていました。善し悪しは別として、あんなに品がない女性が「アイドル系」キャラとしてTVに登場することはまずなかったと思います。子供はあらゆるものからメッセージを受け取ります。「ヤンキーキャラ、テレビ(公共の電波)で承認」というメッセージを受け取っていることでしょう。 状況はどちらかというと悪い方向に変わっているのに、子育てに関しては漠然と、漫然と、場当たり的に、だらだらと、個人任せでやらせてしまっています。このままではまずいという病識が保護者にもないし、社会の中にもない。---------------最初の話に戻ると、保護者が自分たちの世代の感覚で、「男の子だから身の回りのことができなくても・・・」と、なんとなくそう思って育ててしまうと、男の子供は結婚したときに「そんなはずじゃなかった」と、破綻に追い込まれてしまうことになるかもしれません。「男女平等社会の本格的到来」ということ一つをとっても、その状況の変化を読んだ上で子育てをしておかなければ、不安定要因を一つ、子供が抱え込んだまま成人になってしまうという危険があるわけです。私は、男の子たちに、こう言ってあげます。「ほらね、女の子は君たちのために食事を作ってあげる気はないよ。覚悟をして自分のことは自分でできるという習慣を身につけておいたほうがいいよ(笑)。」

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る