先日も情報教育関係の某会議に出席したのですが、そこで計画された来年度の研修の7割方は「無意味」に思えました。単に恒例の研究大会(枠組み)があるから公開授業をする、研究発表するといった雰囲気です。高速道路建設に代表されるハコモノ行政とよく似ています。
それでは、発展性がありません。研究内容にどれだけの成果があったのか、あるいは期待できるのか。研究内容がどれだけ一般の教室に普及する可能性があるのか。もっと戦略的に物事を考えなければ、授業公開あるいは研究発表をして、ハイ終わりということになってしまいます。普及という観点がないのです。趣味的または先進的な授業を研究・公開してしまっているように見えるのは私だけでしょうか。・・・これは、情報教育だけの話ではなく、学校関係の研究・研修全般について
言えることでもあるかもしれません。
情報化・・・情報機器活用が一般職員へ普及するために、とりあえず、思いつくことを書いてみます。
1.教育事務の情報化
教育事務はどの教員でもしなければならないことです。定型業務をパソコンでするようにしてしまえば、さわらない人も、さわらざるを得なくなります。まずは、成績処理・名簿処理・出席簿処理・保健事務処理・日録週録月録処理あたりの誰もがする事務から始めるとよいでしょう。
やってみて、「ああ、楽で正確になった」という実感を持てるようになれば、もう少し情報化推進に目が行くのではないかと思います。
2.民間人情報コーディネーターの起用
民間人校長と同じように、委員会に民間人情報コーディネータを入れるべきです。人事主事(教員からの昇任)が情報を担当することが多いのですが、それをサポートする人が必要でしょう。少々情報に詳しい教員といっても、日々は児童生徒の指導に追われているわけですから、それほどの実力があるわけではありません。専門的なことは専門家のサポートを受けるべきです。各校に一人はほしいところですが、とうてい無理なので、数校に一人でも。少なくとも、中長期的ビジョンが必要な委員会での仕事は専門家が必要です。
3.予算(情報機器)の集中的投入
情報機器を公平に配ろうという配慮が仇になっているようにも思えます。平等主義で中途半端な予算を各校・各教室に中途半端な機器を導入しても、なかなか充実して使われることはありません。10年ほど前は、コンピュータ室に10台ほどのパソコンがあるだけといった状況がありました。これではどうしょうもありません。最近やっと、各校のコンピュータ室に40台(=「1人1台」と文部科学省はいう・・・ちがうちがう、「全校生に40台」でしょう!)になりましたので、少しは指導が楽です。それでも、使わない教師は使いません。
使わない学校からは思い切って、機器を引き揚げ、使いたい(使える)学校・教師に集中的に予算を投入して、「なるほど、これならうまくいく」という先例を作っていく必要があると思います。
4.専科制
情報化が便利なのはわかっているけれど、情報化を推進するのには、かなりのエネルギーが必要です。高齢化している上に、たくさんの教科をこなさなくてはならない小学校では特に情報化は難しいです。
情報化だけの話ではないのですが、小学校では少しでもよい授業を準備するために、専科制をとるべきだと思います。
5.効果測定と情報化情報の広報
情報化によって何が便利になって、どんな学習効果が現れたのかという効果測定をきちんとしていく必要がありますね。情報関係以外の研修でも、これは大事だと思うのです。
その上で、効果が上がっている事業については、しっかりと、広く、教師に伝播するように広報活動にもっと力を入れるべきだと思います。