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December 30, 2007
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札幌の某病院を留学のために退職して、今年一年を振り返ると実に楽しい8ヶ月だったなぁ。それとともにスウェーデンから日本を見つめると,改めて悲観的な現状が浮き彫りになり、帰る気持ちを失った8ヶ月でもあった。

スウェーデンの8ヶ月は日本の便利さを認識するも,生活自体は極めて快適だった。

 こちらで最も閉口させられるのは公務員関係の仕事の遅さといい加減さ。住民登録、福祉局登録、IDカード登録などの業務は、はずれの担当官(不親切な人)を引くと、いつまでたっても許可されない、あるいは遂に登録されない,なんてことが起こりうる怒ってる。メールで問い合わせても返事が来ないのはあたりまえ。電話で問い合わせても、5分や10分待たされるのは当たり前。やっと出たと思ったら、ワークシェアが著しいので,別部署に回されて,また待たされる、なんてことはしょっちゅう。これでは英語すらほとんどできなければ暮らしていくのはホープレスである。しかし、スウェーデン語ができなくとも,英語が何とかなれば、暮らしていくのは何とかなる。スウェーデン語は暮らしていく最中に学ばなければならないのは必須だが、1-2年の短期留学なら、スウェーデン語を知らなくともなんとかなろう。もちろん知っていたほうが、生活は格段に楽しくなる。

 私にとっての快適な生活とは,仕事がしやすく、自分の時間が十分にもてることである。

 スウェーデンの医療事情は患者にとっては,間違いなく日本より不便である。決められた家庭医もしくは救急当番医を受診しなくては病院にかかれない。その紹介状を持って私が勤めているカロリンスカへ来ることになる。しかし、大病院どうしといえども,診療予約が混んでいれば,あふれた人たちを別な大病院に回す。つまり、カロリンスカ近くにすんでいる患者が、車で1時間も離れたフッジンゲへ行か無くてはならない,あるいはその逆があるのだ。

 それと専門性を細かく分けている。消化管の手術ならカロリンスカ、肝胆膵ならフッジンゲという感じ。つまり、日本のように各地の病院で成績を競って患者を奪い合う、いいかえれば各地方に平等に各専門家がなくてはならない、とは考えられていない。患者をさばくには非常に合理的、効率的である反面、競争が少ないと堕落するデメリットもあろう。患者も旅する覚悟で専門病院に行かなくてはならないだろう。

 しかし、医者にとっては、間違いなく日本よりも働きやすい。8時から4時半で仕事は終わる。当直の次の日は代休を取るか高賃金を取るかが選べる。代休を長期休暇に加えることも可能だ。夜間の当直は当然、複数の人間で,交替に仮眠を取りながら行なわれるので、日本の急性期病院よりもかなり楽と思われる。当直も各科がいるので,安心して振り分けられる。よって、体力はけっこう温存される当直となるので,代休をとらずに長期休暇につける人もけっこういる。それから、一日半労働を承知で義務回数以上の当直をやり、お金を稼ぐ人もいる。市内に救急は2か所しか無いので当然、軽症者はかなり長い時間待たされる。よって、本当の救急しか来ない。さらに、日本と違い,病気で職場を休むのは誰にでもおきうる不幸であり、当然許される権利であると,認識されている。よって、職場を休めないから夜に見てちょうだい、というとんでもない無理を医者に押し付けられることはない。
 
 土曜,日曜日は完全にお休み。国の10日ほどある祝日のほかに、長期休暇が義務づけられている。これは全職種、企業が職員に与えなくてはならない。医者も当然、もらえる。若い医者は4週間が認められている。それより長く欲しければ当直の代休をつけ加えることがきる。40歳以上の医者は6週間が与えられる。
 
 さらに、スウェーデンに医療訴訟は無い。通常医療でなされた過失で、患者側が納得できない場合は社会福祉省に苦情が申告される。そこで専門家により精査され、過失が明らかな場合は当事者に注意が及ぶとともに、国から一定額の賠償がされる。その額はまだ調べ中だが、重症合併症であっても,日本に比べてかなり少額のようだ。このような仕組みがあるから、こちらの医者は安心して仕事に集中できる。いろんな医者に日本の事情を話すと、悪夢だな,と一笑に付されてしまう。ちなみに、スウェーデンでは医療費が保障されているので,重症後遺症をについても、その後の医療費、社会保障費は保障され続けることになるわけだ。
 こういう仕組みを国が作成し、国民が受容しているのは誠に賢いと思う。訴訟社会を続け、医療の不確実性、人体の不完全さの責任を医者におわせ続ければ、日本、アメリカ、韓国のように,最も大事な急性期病院から医者がいなくなる事態になるのは明白だ。それを予想したかのように、社会制度設計をしているところが,本当に賢い政府だと思う。それを受容している国民の民度も高い。根底にはプロの仕事はプロに任せるべき、という哲学が浸透しているようだ。さらに、非常に忍耐強い。患者をみていると、うまくいかない結果が出たとしても,「あなたは頑張ってくれた、ありがとう」という人がかなり多い。人生観、宗教観の違いだけでは片付けられない気がする。プロに対する信頼とともに他人に対しての思いやり、他者をいたわる気持ちが,多くの人々にあるのだと思う。
 そして、この国は医者が不足している、という。日本よりもはるかに分業が進み、仕事も早く終わるのに、まだ医者が足りないという。つまり、医者が十分に人間らしい生活をしつつ、高度医療を維持するためには医者が足りない,ということなのだろう。また、ストックホルム、ヨーテボリ、マルメなどの都会(都会と言っても札幌、旭川、帯広規模の人口だが)を除くと、十分に医師が行きわたっていない,ということなのだろう。そんな中で、税で育てた医療従事者や海外から就職に来た医者を訴訟沙汰でつぶしてしまっては、国家の損失であることは元より、医療行政があっという間に崩壊するという認識もあるのだろう。スウェーデンの医師免許があればEU内のどこでも、医者ができるのである。たかだか人口1000万人のこの国で、日本のような馬鹿げた状況ならば瞬時に医療崩壊である。






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Last updated  December 30, 2007 11:18:46 PM
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