第2回 静岡男声合唱のつどい <その5>
男声合唱団BigGoldは月に一度しかない練習を楽しむ合唱団です。練習曲は毎回更新されるという仕組みで、どんどん新しい"歌"が楽しめます。指揮者を置いていないので、選曲者が担当者として練習を進める仕組みです。と言うことは、このステージで歌う曲の練習は、せいぜい数回しか歌っていない。延べ時間としても、1曲あたり2時間くらいってところです。したがって、当日のリハーサルが一番長い練習ってことですね。いつもの練習がセッションを楽しむような練習で、それはそれで楽しい。でも演奏会前は、たぶん普通の合唱団のように追い込んでいる感じ。ただ普通の合唱団は、練習で積み上げたことの精度を上げるって感じですが、BigGoldの場合は、どんどん音楽が変化していく感じですね。要は習熟ではなく、自己分析と分解と再構築が超高齢で繰り返される。これが私にとってはすこぶる楽しいんですね。 (この日は岳南メンネルコールともコラボがありました)■Ubi Caritas (Ola Gjeilo)まずは挨拶代わりの宗教曲です。ずっと日本語ばかり聞いていたお客さんには"新鮮"かな。BigGoldのメンバーには歌いなれている現代曲のせいか、いつも"可もなく不可もなく"の演奏から少しは飛び出せたかな。■Sailing,sailing (Sea Shanty;Roger Wagner)学生時代に男声合唱を楽しんだメンバーの多いBigGoldにとっては、Roger Wagner版は定番中の定番曲ですね。だから大学毎に違う歌い癖があって、これを取り除くのが一番苦労する。だって五臓六腑にしみこんでいるもの。途中のアップテンポでバラける瞬間もありましたが、すぐさま修正。途中からノリノリになっていながら、冷静に和声を微調整する余裕も。最後のハモリは、歌っていて"決まった"と自己満足するものでした。観客から拍手が沸き起こった瞬間が最高でしたね。■深い眠りに包まれて (男声合唱組曲「今でも・・・ローセキは魔法の杖」から)私の担当曲です。でも私が一番歌えていないかも、だって歌ったことないんだもの。と言いながら、メンバーに引っ張られるように歌っています。この曲、大好きですもの。■酒頌 (無伴奏男声合唱「酒頌/海のあなたの」;上田真樹)上田真樹作品は初めてです。良い曲です。担当者が公務員試験でなかなか参加できなかったため、先週の練習でやっと音楽練習になった感じですが、コントロールがイマイチの所も多かったかな。このメンツならもう少し良い演奏ができるのでは?と言われそうですが、圧倒的に練習量が少ないながら、高いクオリティが出せることが良いのであって、これで練習を分厚くする理由が見当たらない・・・・って感じかな。指揮者れ経験者がいっぱいの合唱団ということもあって、目的を集約すると合唱団がバラバラになる可能性もある。この状態を続けることがベストのような気がします。