おうぎ形 そにょ4

おうぎ形の弧の長さと面積 そにょ4


 そにょ3で説明した,おうぎ形の弧の長さや面積がわかっていて中心角を求めるやり方は,円錐の表面積を求める問題で大きな威力を発揮する。

[問4]下の図は,底面の半径4cm,母線の長さ12cm円錐の展開図である。この円錐の表面積を求めなさい。

       展開図

 最初に,側面のおうぎ形の弧の長さに注目する。これさえわかれば,無理に中心角なんか求めなくたって,面積は出せるからね。

 ポイントは,側面のおうぎ形の弧の長さと底面の円周が同じ長さであるということ。でないと,組み立てたときに困るでしょ。

 底面の円周は,4×2×π=8πcmこれがおうぎ形の弧の長さだから,

   弧の長さ    8π
   ―――― = ―――
    円周     24π ← 半径12cm円の円周

          1
        = ―
          3


       中心角
 これを,―――― の代わりに使って,側面積(おうぎ形の面積)を求める。
      360度

            1                        8π
   12×12×π×―=48π (最初から,12×12×π×――― としてもよい)
            3                       24π

 表面積=側面積+底面積 だから,
    =48π+16π=64π 平方cm



 これを教科書流でやると,中心角をχ度としてややこしい方程式を作り,それを解いて,再びおうぎ形の面積を求めるという,恐ろしく面倒な手順を用いることになる(アホらしいから解説しないよ)。

 ここまで説明したやり方は,私が中学生のときに編み出した方法である。教科書の解き方がどうしても分からず,なぜそうなるのかもわからないまま,苦肉の策としてたどり着いたものだ。

 とはいえ,私が創始者というわけではなく,以前から知られている考え方である。なぜ,一般に普及しないのか,不思議でならない。


(補足) 「母線」とは,回転体の側面をつくる線分のこと。教科書等の図で確かめておいてください。

 最後に,問い4と同じような問題を解いてみよう。


[問い5]底面の半径が3cm母線の長さが12cm円錐の表面積を求めなさい(フリーハンドでいいから,自分で図を書いてみること)。














[答え]
  底面の円周は,9πcm,これは側面のおうぎ形の弧の長さに等しい。
  半径12cm円の円周は,24πcm。

  中心角    弧の長さ        9π    中心角
  ―――― = ―――― だから、――― を ―――― の代わりに使って、
  360度     円周         24π    360度

  側面積は,
                  9π             1
       12×12×π×――― =12×12×π×― =36π 平方cm。
                 24π             4


  底面積は,3×3×π=9π 平方cm。


  よって,表面積は,36π+9π=45π 平方cm


おしまい。




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