へいへいホー、へい・ほう・コン(3)

前号までのまとめ


○ ある数aの平方根とは … 2乗するとaになる数

○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、プラスとマイナスの2つがある。

○ 正の数aの平方根(2乗するとaになる数)は、+√aと-√a の2つがある。



 根号(√「ルート」)という武器を手に入れた男は、これを用いて、自然数の平方根をまとめなおしてみた。

・1の平方根(2乗すると1になる数) ・・・ √1 と -√1

・2の平方根(2乗すると2になる数) ・・・ √2 と -√2

・3の平方根(2乗すると3になる数) ・・・ √3 と -√3

・4の平方根(2乗すると4になる数) ・・・ √4 と -√4


 そういえば、ルートを思いつく前は、1の平方根は1と-1、4の平方根は2と-2だったはず。
そうか、平方根が小数や分数で表せない数のために考え出した記号「√」だが、ルートの中の数が何かの2乗になっていれば、√なしで表せてしまうんだ。

 男は、自分の発見の中に、「新たな発見」を見出した。この発見は、後に平方根の計算に生かされることになる。

 次に、男が試みたものは、√を使って表された数どうしの計算。まずは、足し算からやってみた。

√2+√3= ・・・?

 答えが思い浮かばない。2乗すると2になる数(正)と2乗すると3になる数(正)を足しているんだということは自覚していたが、一体、どんな数になるのか?

 やむを得ず、小数(近似値)を使ってみた。√2=1.414、√3=1.732 としてみると、

√2+√3=1.414+1.732=3.146。何だ、この数は? これ自体が何かの平方根になっているわけでもなければ、これを2乗してどうなるものでもない・・・。

 同様に、引き算もやってみたが、うまくいかない。

 男は失望した。√の中の数が違うと、足し算・引き算は成り立たない。そう結論付けるしかなかった。

つづく


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