9.「定理」とは・・・

定理

数学というのは,きわめて理屈っぽい学問だ。すべてが「理論」の基づいて進められる。そこには,「感情」の入る余地はない。誰が見ても合同に見える2つの三角形が,本当に合同であると言い切るためには,
・三角形の合同条件という理論
・それを満たす,辺や角が等しいと言い切る理論
が常に必要だ。

このように,ある事柄が成り立つことを,筋道を立てて明らかにすることを「証明」と呼んでいる。だが,数学における証明は,論証,すなわち,理論による証明だ。誰からも文句を言われない,きちんと筋の通った証明(論証)を書き切ることは,快感でさえある。


ところで,図形に関する様々な「性質」がキチンと成り立つかどうかは,すべて証明(論証)による。「8.定義とは…」で二等辺三角形やウルトラマンの性質について述べた。ウルトラマンの性質は,事実(?)から明らかだが,二等辺三角形の性質は,論証が必要になる。


では,二等辺三角形の性質を,別の証明に使うときはどうするか?

いったん,二等辺三角形の性質を証明しておいてから,それをネタに,別の論証をぐだぐだと書く…。

長くなりすぎる。面倒だ。やってられねー。

これを防ぐため,

証明済みの事柄のうち,よく使われるものは,今後,証明なしで使ってもいいことにしよう。これが「定理」である。

「定理」とは,「本来なら,証明が必要な事柄だけど,めんどくさいから証明なしに使ってもいいよ」とされていること。二等辺三角形の性質も,いったん証明が済んだら,今後は「定理」として,証明なしに使って構わない。


なお,図形と合同以降,「円周角の定理,平行四辺形の性質,中点連結定理,三平方の定理」等,うじゃうじゃと登場する。

大事なことは,「定理がなぜ成り立つのかの証明が理解できて,初めて,定理を使う資格がある」ということ。丸暗記では絶対に乗り切れなくなる。




以上,考える学習をすすめる会の掲示板に寄せられた質問に答えるために,定義と定理に関するページを作りました。

投稿文を読んで非常にムカついたのが,

・『定理と定義どう違うのでしょうか?』先生に質問してみたら… 学校の先生は、とりあえず言葉だけ教えるだけでした。

・塾の先生は、『定義と定理は同じ意味やねん。どう違うん?と言われても先生が作ったんじゃないから作った人に聞きなさい。とりあえず、定理・定義と言う言葉があるの。その言葉をそのまんま覚えたらいいの。』と、言われました。

の2箇所です。


オイ,このガッコの教師と塾の講師よ。お前ら,本当にプロか!! こんなくだらねー説明は誰にだってできるぞ!

疑問に思った点を素直に聞きに行った生徒に対して,こんな説明をするなんて…。このコ,逆にわかんなくなって泣いちゃったんだぞ! それが「教える側」のとる態度か!! 

説明をごまかした学校の教師はともかく,この塾講師の説明は,断じて許せない!! こんなヤツと「同業者」だなんて,死にたいくらい恥ずかしい。

投稿者は,「勉強がすごく嫌になりました」とも言っている。お前ら「バカ先生」たちのせいだ。責任を取れ!!


お前らは,ただの給料泥棒だ! プロとしての恥を知れ!!!


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