14.えりこさんの質問に答えて

(1)82×3.2-32×3.2-52×3.2 の楽な計算法


このまま計算したら,面倒くさくてやってられない。そこで,「-」でつながれたすべての項に「3.2が掛けてあること」に着目する。

分配法則 (a+b)×c=a×c+b×c を逆に使う。cが3.2で,←の式の右辺が(1)の式として,

 82×3.2-32×3.2-52×3.2
=(82-32-52)×3.2
=(64-9-25)×3.2
=30×3.2
=96





(2)AはBより8大きく、Aの絶対値はBの絶対値の3倍であるとき、A,Bの値を求めなさい。


A,Bのまま,連立方程式を作ると,


「AはBより8大きい」から,A=B+8 ・・・ア


「Aの絶対値はBの絶対値の3倍である」の部分は,A=±3B ・・・イ
となる。

絶対値とは,数直線上における0からその数までの距離を表す。例えば,+5の絶対値は5,-5の絶対値も5。言い方を変えれば,「絶対値が5である数は,+5と-5,すなわち,±5である」ということ。

ここでは,絶対値同士の大小を比べているので,Aの絶対値を基準にすると,絶対値がその3倍になる数は,+Bと-Bの2つがある。
(例えば,絶対値が2である数を基準に,絶対値がその3倍である数は,+6と-6)

イは,A=3B と A=-3B に分け,

・A=3Bのとき,これをアに代入して,3B=B+8
                    B=4,A=12

・A=-3Bのとき,これをアに代入して,-3B=B+8
                      B=-2,A=6

よって,A=12,B=4 または A=6,B=-2 となる。



(別解)「Aの絶対値はBの絶対値の3倍である」から,絶対値が3倍になるものを端からさがす。

・Bの絶対値=1のとき,Aの絶対値=3
・Bの絶対値=2のとき,Aの絶対値=6
・Bの絶対値=3のとき,Aの絶対値=9
・Bの絶対値=4のとき,Aの絶対値=12
・Bの絶対値=5のとき,Aの絶対値=15 あたりまで書き出す。

A>B だから,Bの符号にかかわらず,Aは正の数(Aの絶対値が3だと,+3と-3が考えられるが,-3よりも8大きい数で,絶対値が1である数は存在しない。以下も同様)

「AがBより8大きく」なるものは,

A=6のときの,B=-2
A=12のときの,B=4

とする方法もあるが…。

 


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