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秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の「まみだより」

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2009.10.05
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秋山巌の小さな美術館 ギャラリー馬美の町田珠実です。

仙台の海藤抱壷は、昭和15年9月18日に亡くなっています。その後1ヶ月もしないうちに、山頭火も亡くなるのですが、抱壷の訃報を受け取った時の山頭火の日記をご紹介しておきます。

昭和十五年
九月二十二日  秋晴、何ともいへない心よさ、午後は曇る。
未明起床、しゆくぜんとして省悟する所があった。
郵便が来てーーー抱壷の訃を通知されてーーー驚いたことは驚いたけれどこれは予期しないではない悲報であった、あゝ抱壷君、君は水仙のやうな人であった、友としては余りに若く遠く隔ててはゐたが、いつぞや君を訪ねて仙台へいったときのさまざまの思いでは尽きないーーーこみあげる悲しさ淋しさが一句また一句、水のあふれるやうに句となった、ーーー抱壷君、君はよく昨日まで生きてくれた、闘病十数年、その苦痛、その忍耐、そしてその精進、とてもとても私のやうな凡夫どもの出来ることではない、私は改めて君に向かって頭を下げる、ーーーあゝ逝く者は逝く、抱壷もついに逝ってしまった、あゝーーー私は一人静かに焼香し読経した。

・・・抱壷に関してここまで・・・

それでは、昭和11年のみちのく日記に戻ります。

~山頭火の日記~(昭和11年)

六月廿五日 曇。
握飯と傘とを持って、そして切符までも買って貰って、松島遊覧の電車に乗り込む。
塩釜神社参拝、境内神さびて、おのづから頭がさがる、多羅葉樹の姿、松島遊覧、ーーーあまりに遊園化してゐる、うるさいと思ふ。
瑞巌寺(雲居禅師の無相窟)。
五大堂、福浦島。
松島は雨の夜月の夜逍遥する景勝であらう。
三時の電車で石巻へ、露江居におちつく、お嬢さんが人なつこくてうれしい。
入浴、微酔、同じ道をたどるもののありがたさ。
寝ること~ 忘れること~。

六月廿六日
早い朝湯にはいってから日和山の展望をたのしむ、美しい港風景である、芭蕉句碑もあった。
十時出発、汽車で平泉へ、沿道の眺望はよかった、旭山・・・・・一関。・・・・・平泉。ーーー
 毛越寺旧蹟、まことにほろびるものは美しい!
     中尊寺、金色堂。
     あまりにも現代色が光ってゐる!
何だか不快を感じて、平泉を後に匆々汽車に乗った。
九時仙台着、やうやく青衣子居を探しあてゝ厄介になる。
青衣子君の苦脳と平静とは尊くも悲しい、省みて私は私を恥ぢた。

~日記ここまで~

石巻の露江とは、戦前『石巻日日新聞』で編集長を勤めた佐藤露江の事。戦後は『石巻日日新聞』を「復刊」し、社長となっています。

それにしても、行く先々、迎えてくれる友がいたのですねぇ。秋山巌と、本当にだぶってしまいます。

みちのく日記は、もう少し続きます。

◆~俳人・種田山頭火 70回忌によせて~◆

平成21年10月9日(金)~13日(火)10時~18時

会場:秋山巌の小さな美術館 ギャラリー馬美

秋山巌の山頭火の世界を、お楽しみに!






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最終更新日  2009.10.06 00:28:51
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