2018/03/03(土)02:34
徳本寺さん寺報に、秋山巌の屏風【釈迦十大弟子】
秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。
宮城県山元町の曹洞宗 徳本寺 寺報※「見星」で、秋山巌の肉筆屏風【釈迦十大弟子】が紹介されています。この屏風は徳本寺所蔵作品です。
平成6年(1994年)「ギャラリー馬美」が、福島県の相馬にオープンしたその年に制作しました。
徳本寺のご住職、早坂文明さんは、卒論に山頭火、新婚旅行に山頭火の足跡をたどった山頭火ファンで、もちろん秋山巌の事は昔からご存じでした。
ご著書「僧が語る情四季的な話」にも、秋山巌が書き下ろしの作品を描かせていただいたり、良きご縁を沢山いただきました。徳本寺さんの事は、また改めて記事にしますね。
今回私は、この「見星」を読んで、初めて釈迦十大弟子それぞれのお名前と得意分野を知りました。せっかくですので、ご紹介させていただきます。
※<喫茶去> 釈迦十大弟子
「こんにちは、和尚さん。いつ見ても、あの屏風の絵は迫力がありますね」
―釈迦十大弟子が描かれています。版画家の秋山巌さんの作品で、平成6年のものです。
「棟方志功さんのような雰囲気がありますね」
―その通りで、棟方志功門下の鬼才と言われています。漂泊の俳人山頭火の句をモチーフにした版画が特に有名です。
「釈迦十大弟子はどんな人たちなんですか」
―お釈迦様の弟子の中で中心的存在の10人の方です。
それぞれの第一人者として、
知恵の舎利弗(しゃりほつ)
神通の目連(もくれん)
頭陀(ずだ・修行の専念者)の摩訶迦葉(まかかしょう)
天眼(てんげん・超能力的視界を持つ)の阿那律(あなりつ)
解空(げくう・空の真理の理解者)の須菩提(しゅぼだい)
説法の富楼那(ふるな)
論議の迦旃延(かせんねん)
持律(戒律を守る)の優波離(うばり)
密行(綿密な規律者)の羅睺羅(らごら・お釈迦様の実子)
多聞(多くの教えを聞いている)の阿難(あなん)
です。
「お釈迦様には、子どもがいらしたんですね」
―釈迦族の王子さまとして、16歳の時ヤショーダラーと結婚して一子をもうけています。お釈迦さまが出家をして悟られた後に、妻子共にお釈迦さまの弟子になり出家をしています。その子、羅睺羅が十大弟子のひとりというわけです。
「お釈迦さまの偉大さは言うまでもありませんが、たくさんの優れたお弟子さんが、その教えを受け継いだからこそ、仏教が今に伝わっているのですね」
―そうですね。実はお茶も仏教が縁で日本に伝わっています。まず一服どうぞ。
※喫茶去:禅の言葉で「お茶をおあがりください」という意味
十大弟子それぞれの得意分野を知ると、この屏風に描かれている誰が、どの弟子にあたるのか、わかってきそうです。(ご住職にはわかるかも!)
描いて間もない頃の屏風。(ギャラリー馬美にて)
今月21日で、秋山巌生誕97年!
ではまた。