秋山巌の小さな美術館 ギャラリーMami の町田珠実です。
秋山巌「うれしいことがある」1988年
葱坊主、わたしにもうれしいことがある 山頭火
昭和9年5月9日の句。山頭火其中日記より
五月九日
曇、昨夜は眠れた、何よりも睡眠である。
初夏の朝、よいたより。
ちよつと街へ出て戻ると、誰やら来てゐる、思ひがけなく澄太君だ、酒と豆腐とを持つて。
ちび/\やつてゐるところへ、呂竹さんが見舞に来られた、これまた茶を持つて。
さらに樹明来、T子さん来庵。
風が吹いて落ちつけない、風には困る。
澄太来のよろこびを湯田まで延長する、よい湯、よい酒、よい飯、よい話、よい別れでもあつた、澄太君ほんたうありがたう、ありがたう。
夕暮、帰庵すると、飲みつゝある樹明を発見する、彼はまことに酒好きだ、少々酒に飲まれる方だが。
労れた、よい意味で、――今夜はよくねむれるだらうと喜んでゐると、T子再来、詰らない事を話して時間を空しくする、しめやかな雨となつたが寝苦しかつた、困つた。
・生きて戻つて五月の太陽
・けさは水音の、よいことがありさうな
葱坊主、わたしにもうれしいことがある
湯あがりの、かきつばたまぶしいな(病後)
・竹の葉のうごくともなくしづかなり
・土は水はあかるく種をおろしたところ(苗代)
こちらの葱坊主は、仙台にいた頃に撮ったmのです。
ころころまん丸くて、とっても元気な葱坊主。
毎日嬉しい事見つけられるといいですね♪