酒と温泉の日々

2009/04/05(日)00:44

パラドックス

雑感(60)

車いす少女の中学入学を拒否…奈良・下市町、財政難理由に (読売新聞) 奈良県下市町の町立小学校を今春卒業した、下半身不随で車いす生活を送る少女(12)が、入学を望んだ町立中学校の設備が不十分として、同町教委から入学を拒否され、養護学校への入学を勧められていたことがわかった。 両親が4日、記者会見し、「小学校の友達と一緒に入学させてやりたい。普通学級の方が子供のリハビリにもいい」と訴えた。 地方公務員の父親(51)や町によると、少女は出生時の脳性まひで下半身や右腕などが不自由。自分で車いすを使って少しなら移動できるが、通っていた同町立阿知賀小では介助員2人が付き添い、特別担任の元で学校生活を送った。 中学入学手続きの前に、医師や教諭らでつくる町教委の諮問機関・就学指導委員会(10人)で審議。斜面に立つ町立下市中の校舎(4階建て)は階段が多く、施設のバリアフリー化は財政的に厳しいことから、下市中への就学は無理と判断、町教委は、3月27日に入学を断る連絡をした。 両親によると、少女は「なぜ行けないのかな」と話しているといい、8日の入学式までに入学が認められない場合は、訴訟も検討するという。東奈良男町長は「命の大切さを考えればこその判断で、理解してもらいたい」と話している。 東京都武蔵野市で障害者向けの学習塾「遠山真学塾」を開く小笠毅さん(68)によると、学校施設を理由に就学を拒む例は少なくないというが、「障害者の学ぶ権利と、学校側の監督責任にどう折り合いをつけるかの問題。一度通ってみて、本人や両親と話し合ってから、就学が可能かを判断してもいいのでは」と話している。 これ…、どうなんでしょう?記事の書き方にも問題があるように感じますが、世論を変に誘導してるような違和感が著しい(-_-;) 純粋に子供が今までの友だちと同じ学校に通いたい気持ちはわかるし、小学校の時に十分な介護をしてもらって通えていたから中学時代もできたらそうしてほしいという親の希望も心情として理解出来る。ただ『希望に添うことのできない学校=悪』という切り口でしか読み進められない書き方というか、一方の主張のみに阿るかごとく偏ってる気がしてならない、いや、敢えて偏らせているんだよ。 学校は面倒だとかそういう理由で断っているわけじゃないでしょうに。この中学校や町では予算が足りず設備が十分でない上に、ただでさえ立地が斜面で階段が多いという他の中学校とも比較して立地が悪いから、仮に介護要員をつけるにしても人数が今まで以上に必要になったり、たくさんある階段で事故にあったりしないような配慮もしなければならない…といった事情を勘案して出した結論ではなかったのかな? コストのことを持ち出そうものなら、権利や基本的人権を持ち出して非情のレッテルを貼ろうという意図が見え見えのスタンスですね。 しかし、町や学校の側から記事は全く掘り下げられていないので、敢えて言うと、環境を整えられない学校に、この子供の両親が無理言って通うことで小学校の時以上にお金のかかる介護を強いる、また、学校関係者や他の生徒への負担増を当然の権利と開き直る姿勢は支援者以外にどう映るのか?という視点も子供本人のために必要かと思う。 多少の無理を通して通学出来ても、無理を通すために訴訟を考える親が実際に階段で転落して等負傷した時にどういう行動に出るかを考えた時…、学校はそういう事故を未然に防ぐ意味も含めて無理だと判断したのは正しいと思わざるを得ないですね。 12歳にもなれば条理を説いて説明すれば理解できるだろうし、それを理解した上で「なぜ行けないのかな」なんて言わないと思う…いや、実際言ってないんじゃないかな?これは少女の擁護を誘うために記事がこう書いてるだけか、親が娘を晒す形で自らの思想を主張してるだけのような気がする。 保育園のイモの時もそうだけど、気の毒な状態を晒して、そこへ世論の同情のような気持ちを誘導してパブリックを叩こうとする見え見えの論調はとても不快に感じる。 この場合の親子はそこにのせられただけの被害者ではあるのだろうけど…。

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