11月・カンゲキのまとめ
今月は歌舞伎が5(回数は7)、文楽が2、能が1、落語が1、演劇2で11(13)、映画は3。歌舞伎座は、松本幸四郎最後の日を、千穐楽で目撃。あたたかなカーテンコールも素敵でした。【歌舞伎】吉例顔見世大歌舞伎(昼の部)「鯉つかみ/奥州安達原/直侍」@歌舞伎座吉例顔見世大歌舞伎(夜の部)「仮名手本忠臣蔵(五段・六段)/新口村/大石最後の一日」@歌舞伎座11月公演「坂崎出羽守/沓掛時次郎」@国立劇場大劇場「スーパー歌舞伎II ワンピース」@新橋演舞場翔の会「矢車三番叟/浮かれ坊主/禿/春興鏡獅子」@国立劇場小劇場【文楽・素浄瑠璃】11月公演第一部「八陣守護城/鑓の権三重帷子」@国立大阪文楽劇場11月公演第二部「心中宵庚申/紅葉狩」@国立大阪文楽劇場【能】「幽花会」@京都観世会館【落語】「柳家小三治・柳家三三親子会」@銀座ブロッサム中央会館【演劇】「13番地の桜の園」@シアターコクーンこまつ座「きらめく星座」@紀伊國屋サザンシアター【映画】「スリービルボード」@東京国際映画祭「超級大国民」@東京国際映画祭「馬を放つ」@フィルメックス映画祭今月のMVP=「吉例顔見世大歌舞伎」高麗屋三代襲名を前に、幸四郎として最後の歌舞伎座出演に、音羽屋(菊五郎)、松嶋屋(仁左衛門)、山城屋(藤十郎)、播磨屋(吉右衛門)ら当代の大幹部が勢揃いして自らの得意中の得意演目を披露。とりわけ、菊五郎の直侍と仁左衛門の勘平は比類なきオーラを放った。今月の最優秀主演男優賞=松本幸四郎「大石最後の一日」の説得力は、彼ならでは。「初一念を忘るるな」が胸に響いた。今月の最優秀主演女優賞=中村児太郎女優ではなく女方ですが。最近の児太郎の飛躍率はものすごいものがある。幸四郎の内蔵助に全く引けを取らず、自分の論理で立ち向かっていったおみのは出色。「鯉つかみ」では、ちょっぴりコミカルなお姫様を品よく演じ、染五郎との2ショットも見栄えがした。敢闘賞=中村鷹之資「翔の会」で見せた「矢車三番叟」の静謐さ、「浮かれ坊主」の巧みさは驚異的。「春興鏡獅子」の弥生はまだまだだけれど、歌舞伎の未来は明るい、と思わせる逸材である。