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gamzattiさん

バレエ・ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、舞台大好き!

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全1964件 (1964件中 1-10件目)

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2017.05.29
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今月は歌舞伎が4(回数は5)、文楽2、バレエ1、ライブ1、その他1で9(10回)でした。
映画は1回。
歌舞伎は珍しく(笑)5回のうち3階が1階席というぜいたくだったので、
気分的にはものすごく充実していて5回以上見ている気がする。

【歌舞伎】
團菊祭五月大歌舞伎(昼の部)「梶原石切/吉野山/魚屋宗五郎」@歌舞伎座
團菊祭五月大歌舞伎(夜の部)「壽曽我対面/伽羅先代萩/弥生の華浅草祭」@歌舞伎座
五月花形歌舞伎(昼の部)「戻駕色相肩/金幣猿島郡」@松竹座
五月花形歌舞伎(夜の部)「野崎村/怪談榎木乳房」@松竹座

【文楽】
5月文楽公演(昼の部)「寿柱立万歳/口上/菅原伝授手習鑑」@国立劇場小劇場
5月文楽公演(夜の部)「加賀見山旧錦絵」@国立劇場小劇場

【ダンス・バレエ】
Kバレエ「海賊」(矢内/杉野/益子)@オーチャードホール

【ミュージカル・ライブ】
「ソニンライブ―faithー」@Bar Rhodes

【その他】
「氷艶hyoen2017―破沙羅―」@国立第一代々木体育館

【映画】
「美女と野獣」(吹き替え版)@MOVIX柏の葉

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今月のMVPは、やはり「氷艶」でしょう!
世界初のエンターテインメントは、本当に完成度が高く、ワクワクし、
歌舞伎界、フィギュア界、プロジェクションマッピング、TAO、
ワイヤーアクション機材やスパイクシューズというすぐれもの、と
現在の日本がこれだけの宝を持っているからこそできたこと。
染ちゃんの妄想が形になった中でも、これは相当でっかい妄想でしたね~。
「歴史の証人」になってとってもうれしいです。

最優秀主演男優賞は、「怪談乳房榎」の中村勘九郎に。
早替わり、すごかったです。こなれてきました。自分のものになってきましたね。

最優秀主演女優賞は、「海賊」の矢内千夏に。
特別賞に同じく「海賊」の益子倭に。
「海賊」についてはレビューを別に書いています。

敢闘賞は「野崎村」でお染を演じた中村児太郎に。
「野崎村」はいわゆるスピンオフであって、母屋は「お染久松」。
お染のキャラがちゃんと立っていなければ、お光の物語は浮かび上がってきません。
児太郎は、野崎村にたどり着くまでのお染の人生をちゃんと背負って演じていました。






Last updated  2017.05.29 11:53:19
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2017.05.28
序曲が始まり、紗幕の向こうに海賊たちの揺らぎが出現。
半裸のアリの胸板の陰影が目に留まり、そして彼が前方に何かを発見すると、
いよいよ物語が始まる。
私たちはすでに、冒険の渦の中……。

熊川哲也が「海賊」を再振付し全幕ものとしてKバレエ版を披露してから、
もう10年が経つ。
この「海賊」で熊川は大けがをした。
この「海賊」で活躍した多くの男性ダンサーの中には、すでにバレエ団を離れている者も多い。
それでも次から次へと新しい星たちが表れ、
コンラッドを、アリを、ランケデムを、ビルバントを、魅力的に演じ、踊る。
今回は男性陣だけでなく、洞窟でのヴァリエーションなども音楽と調和して見応えがあり、
改めて見どころ満載のよいプログラムであることを実感した。

中村/遅沢/井坂、浅川/宮尾/山本、矢内/杉野/益子の3クルーのうち、
益子倭のアリが見たくて5/27(土)の昼の部を鑑賞。
益子は自ら「(熊川)ディレクターと体格が似ている」ことを自覚し、
彼の体型に合わせた振付をそのまま自分に移せるメリットを最大限に利用している。

そう。
私はそこに熊川の幻影を見る。
もちろん、同じではない。
宝箱を運ぶ仕草や刀を振るっての殺陣などを見れば「まだまだ」はおのずと知れる。
けれども、ここぞアリの踊り、というところでは、
ジャンプの高さ、滞空時間、動と静のメリハリ、行くところまで行くぞというピルエットなど、
申し分のない出来である。
バレエユースの第一回公演パンフレットのプロフィールには
「いつか熊川さんの息の根を止めるダンサーになりたい」と大胆発言。
先日バレエGentsにインタビューする機会に恵まれ、そのことに触れたら
「逆に息の根止められそう」とか他のメンバーに茶化されていたけれど、
その志やよし。
彼は昨年「ラ・バヤデール」でのブロンズ・アイドルとしてのデビューを
怪我によって棒に振っているが、
その直前に観たソロルの踊りに比べ、格段に踊りの精度が増したように感じるのだ。
ひどい怪我でなくてよかったと思うと同時に、
休養期間、頭を使ってしっかりと過ごしたんだな、と非常に満足している。

技術だけではない。
私は「アリ」という人物造形にうなった。
「ラ・バヤデール」の白眉は何といってもグラン・パ・ド・トロワ。
海賊のアジトである洞窟に、キャプテンであるコンラッドの賓客(にして妻)の
メドーラを迎える踊りだ。

ここを、ガラ公演ではメドーラとアリのみのグラン・パ・ド・ドゥとして切り取ることが多い。
そのため、そこだけ見るとアリとメドーラが相思相愛の仲だと誤解してしまうことがある。
しかしアリは、あくまでしもべなのだ。
自分が心酔し尊敬し、どこまでも忠誠を誓っているコンラッドの大切な人を
全力でお守りするという気持ちで迎え入れ、そしてコンラッドに引き渡す。
そういう踊りである。
だから、メドーラと対等の気持ちで踊ってはいけない。
野心はない。あくまでコンラッド命。だから最後に身替りとなって命を落とす。
忠誠の男なのだ。
そこがぶれずによく表れていたアリだった。

そうした「コンラッドとメドーラ」より一歩引いた存在でありながら、
弾けんばかりの身体能力と常にフルアウトの気概と活躍、
そしてキャプテンの一番の腹心であるというプライドによって、舞台でもっとも輝く。
そういうアリに、益子はちゃんとなっていた。

アリが観客を沸かせるから、コンラッドも負けてはいられない。
コンラッドは演技部分が多いので、あまり踊れなくていい、みたいに思われがちだが、
そんなことはない。
杉野のコンラッドはソロもトロワもそしてその後のメドーラとのパ・ド・ドゥも
若々しい中にキャプテンとしての大きさを感じさせるコンラッドだった。

そしてメドーラ!
矢内千夏は完璧。出てきただけで光り輝く。スターのオーラ。
演技ではない。技術に演技が融合している。踊りに喜怒哀楽を背負わせることができるプリマなのだ。
これだけ踊れる矢内がまだソリストだという驚異!
ていうか、
コンラッド杉野、メドーラ矢内、ランケデム篠原、ビルバント石橋、全部まだソリストでっせ。
そして益子アリに至ってはいまだファーストソリストなのであった!

3ヴァリエーションでも柱はソリストの井上とも美だが、大井田百と岩渕ももはファーストソリストだ。
若手を起用したたった1回の公演でも、これほど完成度が高いというKバレエの層の厚さに、
私はもう、感無量なのでありました。






Last updated  2017.05.29 10:07:39
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2017.04.29
4月は歌舞伎6、演劇3、ミュージカル1、バレエ・ダンス2で舞台は計12でした。
映画は試写のみで3。

【歌舞伎】
四月大歌舞伎(昼の部)「醍醐の花見/伊勢音頭恋寝刃/熊谷陣屋」@歌舞伎座
四月大歌舞伎(夜の部)「傾城反魂香/桂川連理柵/奴道成寺」@歌舞伎座
こんぴら歌舞伎大芝居(第一部)「神霊矢口渡(頓兵衛住家の場)/忍夜恋曲者/お祭り」@金丸座
こんぴら歌舞伎大芝居(第二部)「葛の葉/口上/身替座禅」@金丸座
赤坂大歌舞伎「夢幻恋草紙~赤目転生」@赤坂ACTシアター
曳山祭り・山車上の子ども歌舞伎のうち「紅葉狩/花祭長浜城(フィガロの結婚より)」@長浜市

【演劇】
「エレクトラ」@世田谷パブリックシアター
「ハムレット」@東京芸術劇場プレイハウス
「フェードル」@シアターコクーン

【オペラ・ミュージカル】
「王家の紋章」(浦井/濱田/宮澤/平元)@帝国劇場

【バレエ・ダンス】
イゴール&モレノ「イディオット・シンクラシー」@伝承ホール(渋谷区文化総合センター大和田)
セルゲイ・ポルーニン「Take Me to Chrch」@東京芸術大学奏楽堂

【試写】
「アンジェイ・ワイダ~残像」
「ダンサー~世界でもっとも華麗な野獣」
シネマ歌舞伎「東海道中膝栗毛」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今月は盛りだくさんで、MVPを決めるのは本当に難しいですね~。

MVP
曳山祭りの山車上子ども歌舞伎

古典の「紅葉狩」、
システィナ歌舞伎の「フィガロの結婚」をご当地ものに書き換えた「花祭長浜城」、
いずれも子どもたちのパフォーマンスとは思えない出来で、
ただの可愛さや素人であることを差し引いて、私たちに感動をもたらす芸域だった。
春休みからの稽古でここまでもってくる大人たちの努力、
プロ顔負けの浄瑠璃語りや鳴り物の素晴らしさ。いつまでも続いてほしい至芸です。
(ほかにも異なる山車で上演されたものがありますが、
 時間と場所の都合で私が拝見できたのはこの2つのみでした)

最優秀作品賞

「身替座禅」@こんぴら歌舞伎

仁左衛門の山蔭右京と彌十郎の玉ノ井、松緑の太郎冠者のバランスが最高によく、
金丸座という小屋の雰囲気や規模も手伝ってか、
仁左衛門丈の右京がこれまで観た中でもっとも楽しそうにはじけていたように思います。

最優秀主演男優賞
平岳大(イポリット@「フェードル」)

これまでに見たどんなイポリットより清々しく、そして説得力があった!
彼が誰かに語りかけることで、ありとあらゆる背景が浮かび上がってくる。
「フェードル」は大好きで、舞台にかかるたびに観ているが、こんなに物語全体が見えたことはない。
イポリットが置かれた状況こそが、物語の支点であると納得!
できすぎの父親を観て生きるイポリットの葛藤は、彼自身、自分と重なる部分もあったのだろう。
素晴らしい役づくりだった。

最優秀主演女優賞
片岡孝太郎(お舟@「頓兵衛住家の段」)

女優でなくて女方ですが、この枠で。
前半の目がハート娘のコメディエンヌから必死の形相の後半まで、
お舟という女性が自分の恋心にまっすぐ向き合うさまを
至芸で見せてくれました!

5/6(土)、KSB瀬戸内海放送でこんぴら歌舞伎の特集番組が放送予定ですが、
その中で歌舞伎ビギナーのガイド役として辻アナウンサーのお供をさせていただきました。
「頓兵衛~」は辻アナにとって初めての歌舞伎でしたが、それがこの孝太郎さんのお舟だったことは、
本当に幸せだったと思います。舞台全体もよく締まり、見事な舞台でした。

敢闘賞
イゴール&モレノ(「イディオット・シンクラシー」@伝承ホール)

「ダンスで世界を変える!」と銘打ってチャレンジングなダンスをひっさげ初来日の2人。
休みなく続く正確なジャンプは、最初少年の遊びのようでいて、次第に重低音が混ざり、
魂の響きへと連なっていく。
ジャンプのリズムは心臓の鼓動であり、鼓動の高鳴りは魂をシェアできる存在と共鳴し合う。
技術と体力、そして志、いずれも高い二人に。






Last updated  2017.04.30 10:57:02
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2017.04.28
初演に比べ、
あんなところこんなところがかなり変わった、というウワサは
いろいろ聞いておりますが、
私は初演を観ていないのでその点についてはなんとも言えません。
逆に、なぜ初演に行かなかったか、といいますと、
「王家の紋章」というマンガにあまり心を惹かれたことがなかったからです。
すごい人気だったし、もともとエジプト文化とかにも興味がある方なので、
チャンスがあるたび何度もトライしましたが、
キャロルにまったく感情移入できなかったのでそのたび断念。
だから、
大好きな浦井くんがメンフィスだとか聞いても心が動かなかったんです。

昨日、午前中と夜に所用があって、
一度帰宅するのは中途半端な時間が空いてしまったので、
劇団四季の「ノートルダム」か滝沢歌舞伎でも(でも?)観ようかと調べたら
すみません、「でも」とか舐めててすみません、チケット入手が困難で
「王家の紋章」はゲットできたので行ってまいりました。

予備知識なく、ある意味、本当に「素」のまま劇場に行ったのですよ。


以下、ネタバレしますので、
これから行く人は、観劇なさってからお読みくださいませ。








・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ネタバレしますよ!

















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
辛口ですよ!















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ミュージカルですから、まず楽曲が大切ですよね。
「屋根の上のバイオリン弾き」でも「レ・ミゼラブル」でも「オペラ座の怪人」でも、
「ミス・サイゴン」でも「キャッツ」でも、
タイトルを聞けばその場面と旋律が思い出されるような、そんな魅力的な歌が
このミュージカルにはありませんでした。

リーヴァイさん、どうしちゃったの?って本気で思った。
「モーツァルト!」とか「エリザベート」とか作った素晴らしい方なんですが、
これは自己模倣の寄せ集めとしか思えん。
短調から長調への転調コード進行とか編曲とかまったく同じだから、
別の作品の名曲のサビが頭に浮かんできてしまうほど。

あと、歌手の音域や生理を無視してるように思う。
もちろん、それを凌駕する歌手ばかりであれば気にならないのかもしれないけれど。でも、
どの歌手にも自分の良さがもっともよく出る音域というものがあって、
そうでない音域だとたとえ楽に出る音域でも、
魅力が半減してしまうのですよ。
有名なミュージカル歌手たちがこんなにたくさん出ているのに、
皆低音をうろうろしたり、音程が定まらなかったり、
今までに比べなぜかヘタに聞こえてしまって、
才能を生かし切っていない、もったいないと思いました。
曲調に感情と一体になる抑揚がなく単調。
ピアニッシモは声が詰まり、
フォルテッシモはがなるばかり。
豊かな声、というものに出会う回数が少ない舞台でした。

歌手の音域や生理を無視してる。ということは、
聴衆の生理も無視しているということで、
歌を聞いている気持ちよさが理屈なしに心を洗うというような現象がまったくなかった。
歌詞も頭にすっと入ってこない。
心情と歌詞が旋律に乗って初めてアタマとココロがシンクロするというのに、
そういう歌い方ができていたのは、女官長ナフテラ役の出雲綾のみでした。

この前、
トニー賞コンサートin Tokyoに行ってきましたが、
ケリー・オハラの歌声は本当に素晴らしかったです。
そのうえ井上芳雄もそれに負けないくらい心が揺さぶられ、
それからディズニーコンサートで海宝直人の歌声にも感動し、
ああ、日本のミュージカルもここまで来たんだ、と思ったばかりだったので、
余計悔しくてなりません。
浦井君、下手になったんじゃないの?ってほんと思ったよ。
大好きな浦井君、がんばれって思った。
他の人たちも、みんなこんなもんじゃないはず。
そう思いたい。

ストーリーに関しては、
先ほども言ったように原作自体に無理があるので、
あまりツッコミたくないのですが、
それにしても、
一人ひとりの心情の掘り下げ方が浅すぎる。

そして衝撃のラスト!

「えっ、これで終わり?」

キャロルがメンフィスと生きることを決意するのはわかる。
だけど、
「エジプト上下を二分することがあってもそれはあなたのまいた種」と言っていた
姉のアイシスが、
メンフィスの姉にして弟を異性としても愛しているアイシスが、
なぜ最後に唱和して大団円?
彼女はどこで恋をあきらめた?
どこでキャロルと身内になることを受け入れた? わからん。

そもそも冒頭、
現代エジプトで王家の墓に来たキャロルが
墓の中の花束を手にした途端
「封印が解かれた」と言ってキャロルを古代に誘ったのはアイシスだよね?
どんな封印だったのか、
封印されるようなものがあったのか、
封印したのはアイシスなのか、
ていうか、
あの墓はあのあとどうしたんですか?
キャロルが古代で命全うした証拠とか出てくるんですか?
出てこないんですか?
ナゾすべて放置??

古代に生きることにしちゃった妹を探し続ける兄のライアンも
あとは野となれ山となれ状態?

王家の墓をあばいたら呪いがかかるって言われて、
そんなの迷信だって言ってたら妹がいなくなって、
と思ったらみつかって、でもまたいなくなって、って
どんだけトラウマなんだ?
「俺のせいで愛する妹がいなくなった」ってきっと思ってる。

せめて最後の場面の片隅に出して
「キャロル~!」って叫ばせてあげたかったよ。

そうなんです。
伏線がまったく回収されていないんですよ、このお話。
筋の展開に説得力もないし。
なぜキャロルが古代から現代に帰ったあとに、
また古代に戻ることができたのか。
現代に戻ったのは命の危険とかそれなりに納得できるんだけど、
問題は二度目に古代に行くきっかけ。
キャロルが「行きたい」と思うといつでも行けるの?とか。
ご都合主義だな~、と思ったわけです。

だいたい、
鉄の刀を持っているヒッタイト軍団に、
エジプト軍はどうやって戦ったのか。
「鉄の文化が世界を制するのよ!」ってキャロルが言ってたんだから、
勝つにしても引き分けるにしても、
「うう、ヒッタイトの鉄の剣、すごい!」みたいな描写がないと。
そのヒッタイトのイズミルに斬られちゃったキャロルが
あのまま死なないってどうよ?
ハリボテといえ、メンフィスの剣が一番切れそうってどうよ?

作り物のお話しだからこそ、
細部のリアリティがないとウソくさくなる。
そこでつまずくと、
お芝居って楽しめなくなっちゃう。

これが初演だったらこれほど辛口に書かないんですが、
手を加えて再演してこれって、修正の方向が間違っているんじゃないかと思うんです。

ミュージカルといえば劇団四季、と言われていた時代から
帝劇ミュージカルが日本の最高峰と謳われるようになって久しい。
何度心を撃ち抜かれ、何度涙し、胸熱くしたことでしょう。
たくさんの名作、名歌手に恵まれてきた帝劇ミュージカル。大好きです。
ここ数年、意識して世代交代に取り組んでいることはわかっています。
それは大切な取り組みですし、そこから城田優というスターも生まれました。
でも、この「王家の紋章」を見ると、
作品・歌手ともに次世代への発展の方向性を定めあぐねているようにも見えてきます。

恐れずに新人起用するのは大切なことですが、
宮澤佐江さんは、まだミュージカルの主役には早いと思いました。
歌がうまいとか声量があるとか、そういう才能に恵まれていたとしても
それだけでは務まらないのが「主役」というもの。
圧倒的なオーラ。
観客を魔法にかける力がないと、なれないと思いました。
少なくとも、
主役でないところからミュージカルやクラシックの発声の勉強をされたほうがよいと感じました。

出雲さんの歌が一番よかったって思ったということは、
いいことじゃなくて悪いことなんだと思う。
出雲さん「も」よかった、じゃなくちゃ。
宮澤さんだけじゃなくて、他の人たちも
もっと奮起してもらわなくてはならないと思っています。
奮起に足る作品であってほしいと心から思います。






Last updated  2017.04.29 11:58:06
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2017.04.25
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
蓬莱竜太が歌舞伎の本を書く、と聞いた時、
最初は行くのをためらった。
暗い舞台になるだろうから。心が痛くなるだろうから。

モダンスイマーズの「凡骨タウン」を見て以来、
蓬莱の才能と社会の底辺をみつめる鋭い眼力に感服しながらも、
彼の突きつけるものを最後まで見届ける気力と体力が自分にあるのか、
いつも迷ってしまう。
(「凡骨タウン」のレビューはこちらから)

お恥ずかしいことに今回も勇気がなく、チケットを取らずにいました。
初日をご覧になった人のレビューを見て少し前向きになり、
「やっぱり見ておこう」「見ておかねば」という気持ちになったのです。

のっけから蓬莱ワールド全開で、
子どもたちの話から始まったときはもう
「この後この子たちにどんな運命が待ってるんだ??」とドキドキ。
でも、
市川猿弥、中村いてう、中村鶴松の3人がとてもうまくて、
そんな私の不安を取り除いてくれました。

ハムレットではなく、太郎が転生する物語。
いつもなら、生まれ変わることもできず朽ち果てていく蓬莱チルドレンが、
今回は何度も生まれ変わって、それも太郎は
「今度こそ、今度こそ」と人生を切り拓こうと一生懸命生きていく。
それがときに空回りするんだけれど、
「今度こそ」と思う気持ちも「大切な人を大事にしたい」気持ちも、
「それがなかなか伝わらない」歯がゆさも、そして
「あの人の幸せのために自分の幸せはどうするのか」葛藤する辛さも、
私たち誰にでもある願いや迷いなので、とても考え深い作品になっています。

中村勘九郎、七之助の兄弟以下、歌舞伎役者は技術があるので、
蓬莱さんは思ったとおりの仕事ができたのではないでしょうか。
これをきっかけに歌舞伎という劇作に深く触れたことは、
今後の蓬莱さんにとって素晴らしい経験でしょうし、
それは日本の演劇界にとっても財産になると思います。

では、これは新作歌舞伎として成功したのか?

歌舞伎役者がやればなんでも歌舞伎、とはいいますが、
役者の肉体だけでなく、歌舞伎の文法というものがあります。
文法をしっかり身につけていればこそ、
歌舞伎俳優は3日稽古しただけで本番に臨めるのです。

「あらしのよるに」や「ワンピース」は、
一見歌舞伎とかけ離れているようで、その文法にのっとって作られていました。
それで昔からの歌舞伎ファンからの評価も高いのだと思います。

私は、
この作品は歌舞伎というより新派の匂いがするような気がします。
歌舞伎役者でもできるけど、女優も含め、他の俳優でもできる。
必ずしも女方が必要でもない。
でも、底辺の人間の叫びのようなものは、歌舞伎の大切なテーマです。
今回は蓬莱さんが蓬莱さんの文法でそれを描きましたが、
きっと次回作は、歌舞伎の文法にもっと慣れ、
より歌舞伎らしいものをつくってくれると思っています。
宮藤官九郎も「大江戸りびんぐでっど」の次に「天日坊」を作ったんです。
自分の文法から歌舞伎の文法へ。
彼らにはそれだけの才能があります。
またその才能を信じて、「思ったとおりに書いて」と言う度量もすごいものです。

クドカンも蓬莱竜太も、10年後20年後、
黙阿弥や南北に匹敵する大戯作者になるかもしれません。
そうやって歌舞伎がずっと愛され続けることを私は望んでいます。また、
彼らが自分たちのテリトリーで現代劇を書くときも、
きっと歌舞伎が400年培ってきた演劇の粋を学んで、
さらに味わい深いものに変容すしていくことでしょう。古典は最高の教師です。
異種文化の交流とは、ケミストリー。
歌舞伎は生き物です。






Last updated  2017.04.26 10:57:26
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2017.04.19
カテゴリ:シェイクスピア
いったい何種類の「ハムレット」を観てきたことだろう。
最初に観たのはテレビ。
何もないスタジオの中で、「尼寺へ行け!」の部分だけを一人芝居のようにやっていた。
黒のタートルセーターを着たあの人は誰だったか。
若き近藤正臣だったような、違ったような…以来50年くらい経つ計算となる。
蜷川幸雄が鬼籍に入った今、
これからのシェイクスピア劇はどうなっていくのか。
ジョン・ケア―ドの「ハムレット」を見に来た人は、みなそんな
「ポストNINAGAWA」を占う気持ちを少なからず持って劇場に集まってきたのだと思う。

ジョンの演出が、俳優たちに「考えさせる」演出であることは、よく知られている。
ワークショップを通して自分の演出プランを丁寧に説明するが、
基本は役者に任せる。
役者はジョンの意図を理解しながら、役者としてシェイクスピアのセリフと向き合う。
セリフの向こう側に生身の人間の感情を見出し、汲み取れるか否か。
それを今生きる観客の人生と共鳴させられるか。
それは、役者の力量にかかってくる。

シェイクスピアはコトバ・コトバ・コトバだ。
今回、全体的に俳優たちはセリフに追いかけられ、早口に詰め込むのが精いっぱいな人が多かった。
冒頭、輝きを放っていた内野ハムレットも、後半は疲れて来たのか何度も言い直す場面があった。
言い直してしまうと、観客はそこにハムレットではなく内野聖陽という役者を感じてしまう。
(「ガラスの仮面」風にいえば、「仮面がはずれる」??)
観客の緊張の糸がそこでふと緩んでしまうのは、非常にもったいなかった。

クローディアスの国村隼、ボローニアスの穣晴彦という2人のベテランが、
期待に反して存在感が薄かったのも残念だった。
政争の泥の中を泳ぎ進む鉄の鎧に覆われた狡猾な外の顔と、
ナイーブで子煩悩、あるいは愛を求めて迷う内面と、
二面性は際立たず、善人なのか悪人なのか、どっちつかずになってしまった。

その分ベテランで気を吐いたのが村井国夫だ。
役者としてギリシャ悲劇の一節を語るところは、
ハムレットに「to be or not to be」を突き付ける非常に大切な場面。
ここからすでに威厳に満ちている。
そしてクローディアスの悪事を暴くための劇中劇で、
クローディアスにあてつけた王の役。
彼がクローディアスの方がよかったのでは?と思うくらい。
そして墓堀り。セリフの中のウイットをしっかり自分のものにしてから声に出している。

セリフが示す情景をしっかりと落とし込んでいた俳優がもう一人。
レアティーズ役の加藤和樹だ。
オフィーリアに恋の危うさを説くときの心配な様子。
家族3人で幸せに笑う様子。
妹がなぜ正式に埋葬されないのか。くってかかる抗議と哀しみの爆発。
それは「レアティーズ」ではなく「今そこにいる妹思いのお兄ちゃん」の姿だった。
だから心に沁みた。
「僕を殺したことがハムレットの罪になりませんように」
心から神に願う最期の美しさが際立った。

ところで、
ジョンの今回の演出の特徴として、
「一人何役も務めること」が挙げられている。
しかしこれは演劇ではよくあることで、演劇ファンなら折り込み済み。
とはいえ「ヘンリー六世」で大竹しのぶが
前半ジャンヌダルクとして死んだのに、後半王妃マーガレットとして元気に登場したときは、
わかっていても「え…?」って思ってしまったのだが(笑)。

蜷川にとって最後の「ハムレット」となった藤原竜也の2度目の「ハムレット」でも、
平幹二朗が先王とクローディアスの二役をやった。
それと今回と、どこが違うのだろう?

ハムレット役の内野がフォーティンブラスも演じる。ここだろうか。
パンフレットを読むと、これは単なる「二役」ではない。

「ハムレットは自分がなるべきだった王=フォーティンブラスになって蘇り、
 オフィーリアは浅はかなオズリックとなってハムレットの死に立ち会うのです」

これがジョンが仕掛けた「二役」の意味なのである。

……それがどのくらい、
俳優たちに伝わっていたのかどうか。

フォーティンブラスの最後の演説に、私はハムレットを感じなかったし、
オフィーリアに至っては、
「なんでこんな一本調子のオズリックなんだろう?」が頭について離れなかった。

たしかに、
通常のオズリックのように愚かな追従者の道化役をやったしまってはジョンの演出に反する。
オズリックの姿をしたオフィーリアでなくてはならない。
オズリックの瞳の中には、オフィーリアがいなくてはならない。
ハムレットが「暑い」といえば「暑い」、「寒い」といえば「寒い」というオズリックは、
オフィーリアとしてハムレットと対峙した長い廊下の問答のときと同じように、
ハムレットの言っていることがよくわからない、不安の中での受け答えを彷彿とさせなければ!

貫地谷しほりのオフィーリアは出だしがとても素晴らしかっただけに、
その後の不安→狂乱→オズリックという変化を深いところで演じきれなかったうらみが残る。
まあ、オフィーリアは本当に難しい役なので、初役の人については次に期待です。

皆、蜷川さんに演出「される」ことに慣れちゃったのかもしれないね。
彼がイギリスRSCの役者たちと「リア王」をやったときに、
とにかく彼らがセリフにこだわり、論理的に、言葉で役を理解しようとしていたことに
カルチャーショックを受けていたっけ。

ジョンもイギリス人。そしてシェイクスピアはイギリスの文化。
彼と何度も仕事をした村井国夫がもっとも
彼の元で自分が何をすべきか、
彼の演出の中で俳優のなすべきことの大きさをわかっていたのかもしれない。

パッションを引き出されるのを待っているのではなく、
テキストから自分で像を結んでいく真の本読みの力が
役者には必要なのだとつくづく思いました。






Last updated  2017.04.26 10:18:14
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2017.03.31
今月は歌舞伎が5、文楽・素浄瑠璃1、演劇1、ミュージカル・コンサート5で舞台が12本、
映画が2本でした。

今月の舞台について、MVPなどは最後に書きますが、
一番衝撃的だったのは文楽シネマでした。
人形の足遣いの確かさ、主遣いの胴串の使い方、今の文楽とくらべものにならない!
この前「冥途の飛脚」を観たばかりだったこともあり、愕然としました。
自分の中のスタンダードが初期化された思いです。

【歌舞伎】
東農歌舞伎中津川保存会吉例歌舞伎大会@東農ふれあいセンター
三月大歌舞伎(昼の部)「名君行状記/渡海屋・大物浦/どんつく」@歌舞伎座
三月大歌舞伎(夜の部)「引窓/けいせい浜真砂/助六」@歌舞伎座
通し狂言「伊賀越道中双六」@国立劇場
俳優祭(昼の部)「二つ巴/石橋/月光恋暫」@歌舞伎座

【文楽・素浄瑠璃】
KAAT駒之助「熊谷陣屋」@KAAT神奈川芸術劇場

【演劇】
NODA・MAP「足跡姫」@東京芸術劇場プレイハウス

【ミュージカル・オペラ・コンサート】
「コメディ・トゥナイト」@新橋演舞場
トニー賞コンサート in TOKYO@東京フォーラムA
北翔海莉コンサート(with島田歌穂)@東京フォーラムC
ディズニーコンサート@東京フォーラムA
越路吹雪トリビュートコンサート@日生劇場


【映画】
「ミスサイゴン25周年記念コンサート」@TOHOシネマズ有楽町
文楽シネマ「冥途の飛脚」@東京写真美術館

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最優秀作品賞
「絵本太功記」「茜の隠れ井」@東農歌舞伎

これほど物語に没入できたことが今までにあったろうか、と思うほど
リアルな感情が揺さぶられた舞台でした。
後で聞けば、彼らはほとんど歌舞伎座の大歌舞伎などをご覧になっておらず、
役作りは誰かの演技を真似るのではなく、本読みによって行われているということです。
だから登場人物の心情がうかびあがってくるのですね。
「道八芸談」を読んでいても真の「本読み」こそが芸の基本とありました。
歌舞伎は人から人へ芸が伝わるものですが、最近はビデオで済ます場合もあり、
そういうお手軽な時代にあって「本読み」を中心に据えた舞台づくりをずっと続けている
こうした地歌舞伎の精神は、きっとこれまでも歌舞伎文化の傍流のようでいて、
常に本流を刺激し、支えてきたのだと感服します。
中津川の芝居小屋での歌舞伎は、三代目市川猿之助(現・猿翁)にも大きな影響を与え、
スーパー歌舞伎を立ち上げる源の一つとなっています。

MVP
中村吉右衛門&中村雀右衛門@「伊賀越道中双六(岡崎)」

雀右衛門のお谷「坊の顔、見てくださいましたか?」
吉右衛門の政右衛門「うん、見た。見た」
これだけで、2人の愛のすべてが理解できた。
この後、その「坊」を奇声を上げて殺す政右衛門の苦しさに、涙を流した。

最優秀主演女優賞
ケリー・オハラ@トニー賞コンサート in Tokyo

文句なし。彼女の歌声そのものが人々に幸をもたらす。
自在の音域、潤いのある声、そして囁いても胸に響く歌詞、表現。
脱帽の3時間でした。

最優秀主演男優賞
井上芳雄@トニー賞コンサート in Tokyo

トニー賞コンサート生放送の成功は彼あってこそ。
軽妙なトークで他の出演者たちをリラックスさせながら自分も
「サークル・オブ・ライフ」熱唱など。
絶対王者のケリー・オハラがいるコンサートで
日本のミュージカル界もやるじゃないかと思わせてくれました。
(追記)
ディズニーコンサートで「ノートルダムの鐘」のカジモドの歌を歌った
海宝直人も素晴らしかったです。

敢闘賞
中村鷹之資@「二つ巴」(「俳優祭」)

まず「二つ巴」という演目自体が素晴らしかった。
仮名手本忠臣蔵の七段目から討入りまでの世界観を舞踊にまとめた作品。
(「二つ巴」とは赤穂藩の紋で、討入りの陣太鼓のマークとしてよく知られる)
一力茶屋の由良之助に密書を届けに来た力弥の役の鷹之資は、
花道に出たその瞬間から客席のジワを発生させる!
端正な所作、かつ花のある大きな踊りは明るい未来を予感させた。






Last updated  2017.04.29 11:39:57
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2017.03.02
二月は歌舞伎4(回数的には5。2度見たものがあります)、文楽3、ミュージカル1で
舞台が8本(9回)、映画は試写を含めて3本でした。

【歌舞伎】
猿若祭二月大歌舞伎(昼の部)「猿若江戸初櫓/大商蛭子島/四千両小判梅葉/扇獅子」@歌舞伎座
猿若祭二月大歌舞伎(夜の部)「門出二人桃太郎/絵本太功記/梅ごよみ」@歌舞伎座
二月花形歌舞伎(午前の部)「義経千本桜(渡海屋・大物浦)/三人形」@松竹座
二月花形歌舞伎(午後の部)「金閣寺/連獅子」@松竹座

【文楽】
近松名作集・第一部「平家女護島(俊寛)」@国立劇場小劇場
近松名作集・第二部「曾根崎心中」@国立劇場小劇場
近松名作集・第三部「冥途の飛脚」@国立劇場小劇場

【ミュージカル・オペラ】
「ロミオ&ジュリエット」(大石/木下)@赤坂ACTシアター

【映画】
「この世界の片隅に」
「未来を花束にして」

【試写】
「トンネル」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MVP
尾上右近@連獅子(二月花形歌舞伎)

圧倒的な身体能力。六代目菊五郎の芸の高みを目指す気概。
若さとはかくありたい。今月松竹座で、彼の仔獅子に会えた人は幸せである。

最優秀作品賞
「梅ごよみ」

菊之助の仇吉、勘九郎の米八、染五郎の丹次郎、サイコー!
何度でも見たい!
舟遊びのクローズアップから隅田川全景に背景を広げる舞台演出もgood。

最優秀主演男優賞
尾上松緑@大商蛭子島

女好きな幸左衛門実ハ源頼朝という役どころが新鮮かつ軽妙。新境地ではないだろうか。
「寺子屋」のパロディである前半と、頼朝という本性を現わす後半とをきっちり演じ分け、
いずれも役の性根がしっかり見えた。
あまりかからない作品だが面白く観られた立役者の一人である。

最優秀主演女優賞
中村時蔵@大商蛭子島

こちらも同じ演目で、前半は悋気な女房お藤、後半は政子に頼朝を譲る辰姫。
世話物典型の女房だったお藤から後半、
襖が開いて辰姫として出てきた瞬間から立女形として匂い立つ。
「黒髪」の舞踊が素晴らしく、他の女との初夜を過ごす夫を思うやるせなさを全身で表して秀逸。
さすがである。

敢闘賞
木下晴香@「ロミオ&ジュリエット」

私はこのプロダクションをあまりいいと思ったことはなかったが、
今回の公演はとても満足した。
チームワークもよく、大変楽しめる舞台に仕上がっていたと思う。
何が違うのかを考えた結論は、「ジュリエットがよかったから」だ。
他の人物は「若さ」で乗り切れるが、ジュリエットはそれだけではダメ。
幼さも女としての芯の強さも、無謀さも弱さも、
いろいろな面を「歌で」表せる力が木下にはあった。






Last updated  2017.04.29 11:24:57
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2017.03.01
長らく書けてなくて申し訳ありません。
遅ればせながら、1月のカンゲキのまとめをば。
とにかく歌舞伎・歌舞伎・歌舞伎! 
なんでこんなに、っていうほど各地各会場で歌舞伎が行われました。

歌舞伎9、文楽2、バレエ1、お笑い1で13本です。


【歌舞伎】
壽新春大歌舞伎(昼の部)「将軍江戸を去る/大津絵道成寺/沼津」@歌舞伎座
壽新春大歌舞伎(夜の部)「井伊大老/越後獅子・傾城/松浦の太鼓」@歌舞伎座
壽新春大歌舞伎(昼の部)「吉例寿曽我/梶原石切/新口村」@松竹座
壽新春大歌舞伎(夜の部)「鶴亀/口上/勧進帳/雁のたより」@松竹座
壽新春大歌舞伎(昼の部)通し狂言「雙生隅田川」@新橋演舞場
壽新春大歌舞伎(夜の部)「義賢最期/口上/錣引/黒塚」@新橋演舞場
新春浅草歌舞伎(第一部)「傾城反魂香/義経千本桜(吉野山)」@浅草公会堂
新春浅草歌舞伎(第二部)「角力場/鈴ヶ森/棒しばり」@浅草公会堂
新春歌舞伎公演「通し狂言 しらぬい譚」@国立劇場大劇場


【文楽】
新春文楽公演(第一部「寿式三番叟/奥州安達が原/本朝廿十四香」@国立文楽劇場
新春文楽公演(第二部「於染久松・染模様妹背門松」@国立文楽劇場

【バレエ・ダンス】
都民芸術フェスティバル「ラ・バヤデール」@東京文化会館

【その他】
年末年始特別興行@なんば花月

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
MVP
長田佳世@「ラ・バヤデール」のニキヤ

別にレビューを書いていますが、引退するのが惜しまれる長田さんのニキヤでした。
プリマとは、かくありたいものです。

最優秀作品賞

通し狂言「雙生隅田川」(新橋演舞場)

市川右團次襲名披露狂言としては、これが一番右團次のよさが出ていました。
梅若丸/松若丸の二役を演じた幼き新・市川右近が、天才ぶりを発揮。大物です。

最優秀主演男優賞
中村梅玉@「将軍江戸を去る」(歌舞伎座)

一月の歌舞伎座は華やかさに欠ける、と散々言われていましたが、
ふたを開けたら地味の最たるものである、音曲なしの真山青果作品が大当たり。
すべては将軍役の梅玉の、懐の深い、しかしわがままさも炸裂する将軍ぶり怪演の賜物。

最優秀主演女優賞
片岡孝太郎@「新口村」(松竹座)

私ゆえにあなたの息子をこんな目に合わせてしまいました、という申し訳なさと
でも私はあの人の妻、舅のあなたに心から仕えたい、という思いと、
懐紙を出すとき、こよりを作るとき、演技のかたちの中に心がこもる梅川でした。

敢闘賞
坂東巳之助@「傾城反魂香」(浅草公会堂)

表情豊かで何も語らなくても思いの伝わってくる世又平。
壱太郎のおとくのコンビもよく。






Last updated  2017.05.02 06:59:56
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2017.01.23
カテゴリ:バレエ・ダンス
毎年、1月には都民芸術フェスティバルがあり、
日本バレエ協会主催でオールスターのバレエが観られます。

私にとっては、熊川哲也が「ドン・キホーテ」全幕を初めて日本で演じた
1996年が忘れ難いですね。

今回は、長田佳世さんがラストステージになるので
1/22(日)のソワレに行ってまいりました。

Kバレエの草創期をずっと支え、
プロダクションになくてはならない存在としてじわじわと実力を上げ、
そして次のステップへと飛躍するために、
新国立劇場へと移籍した。

Kバレエを辞めるちょっと前から
本当に技術と表現力がマッチして光り輝くバレリーナとなったので、
私としては退団は非常に残念でした。

新天地の新国立でもプリンシパルとしてたくさんの作品に出演、
大きな花を咲かせたのはさすがですね。
そして、
昨年退団・引退を表明したのです。

やっぱり見届けてよかった長田さんのニキヤ。
素晴らしかったです。
一つ一つの所作というか、手や足、指、爪先の置き所にまで神経が行き届いていている。
音楽とのシンクロを大切にしている。
ここぞというところで表情を変化させる。
音楽の粋を、自分の体を通して引き出してみせるんですね。

そこが、
他のダンサーとまったく違いました。
別格の神々しさ。

今回の「ラ・バヤデール」はニキヤ、ソロル、ガムザッティそれぞれトリプルキャストで、
3チームで。
ソロルは浅田、芳賀、橋本。って、全員元Kバレエじゃないですか。
そこに長田さんはいる、輪島さんはいる、副さんはいる、ブーベルくんはいるで、
ちょっとしたKバレエ同窓会でしたね。

ガムザッティの馬場彩さんはかわいくて華やかでよかったです!
橋本くんのソロルは精彩を欠いたな~。
まあ、プロダクションの構成が、ほんとにソロルがダメダメな二股男なので、
ストーリーとしてソロルをカッコよくすることはできないのは橋本君のせいじゃないけど、
だからこそ、ソロではガッツリ魅力的に踊ってほしかったし、
ニキヤに対するほとばしるような愛を感じさせてもらいたかった。
まあ、それだけに最後、「あなたは~、私に~、愛を~、誓ったでしょ~」と、
うらめしや~、で化けて出て僧院を壊してしまうニキヤがオソロしくて当然だったけど。

芳賀くんや浅田くんはどうだったんだろう。
見てきた方、書き込んでくださったらうれしいです。

神像は、最初のジャンプの着地でつまずいちゃったのがいただけなかったですね。まあ、求めるものが高すぎるので、これ以上はノーコメント。初日マチネのブーベルはどうだったんだろう。
(やはり3チームもあると、他が気になります)

太鼓の踊りは、いつも盛り上がりますね。今回もよかった。
私は桝谷まい子さんの壺の踊りが、表情豊かで踊りが丁寧で、引きこまれました。

いろいろな演出方法があるけれど、
今回ほど大僧正の性格が矛盾だらけだったのは初めて。
この前のKバレエのときも、バラモンが単なるスケベ親父みたいで
私の思ってるバラモンと違うー、とは思っていましたが、
今回はそれに輪をかけまして、

ラスト、僧院が崩れ果てた後に残った聖なる火の前で一人拝むわけですが、
「あんたのせいでしょ」
「なに祈ってんの? 詫びてんの?」と突っ込みを入れてしまいそうです。

ニキヤが大好きで、告白して、
「あなた、聖職者でしょ」と拒否られたから「聖職者やめてもいい」といえば、
「私は巫女だから」と拒否られ、がっかり。
そしたら「巫女」なのにソロルとよろしくやってるのを目撃しちゃったんだから、
そりゃ怒って当然なわけです。

ガムパパのラジャだって一目おいてる大僧正ですよ。
その怒りを、もっともっと大きなものにしてもらいたかったし、
ニキヤへの愛憎をもっとこまやかに演じてほしかった、というのが
私のバラモンへの思いです。
(彼の精神は、「ノートルダム・ド・パリ」のフロロにつながってる、
 すごく普遍的なものなんだよね。いくらでも掘り下げられる)

演奏は、
影の王国のときのニキヤとソロルのアダージオにかかるバイオリンソロが、
本当に繊細で美しく、感謝! 


私のハンドルネーム「ガムザッティ」の由来となる「ラ・バヤデール」なので、
かかるとすぐに行ってしまうけれど、
やはり自分の中のベストは
熊川哲也がブロンズアイドルを踊った頃の英国ロイヤルバレエのもので、(1991)
私がバラモンに固執するのも、
このときのダウエルの演技のせいだとおもうし、
ムハメドフのソロル、アシムラートワのニキヤ、バッセルのガムザッテイは最強だった。

あとは、
ロパートキナがニキヤを踊ったマリインスキーのもの
このニキヤは本当に度肝を抜かれた。

最後に。
長田さんのフィナーレを東京文化会館での素晴らしいパフォーマンスで飾れたことは、
本当によかったと思います。
でも、
もっと「お、この人は??」と思うようなダンサーを
随所に見たかった。
影の王国のコールドがバランスを崩したのは、見苦しかったですね。
長田さんがいかなる着地のときにも音一つさせなかったのに比べ、
全体のレベルが少し低かったように思います。

辛口ですみません。バヤデールLoverなので。悪しからず。










Last updated  2017.01.23 09:43:12
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