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テーマ:おすすめ映画(4018)
カテゴリ:洋画
太陽と月に背いて フランスの詩人ランボーとヴェルレーヌの愛と嫉妬と芸術の叫びを 画面いっぱいにぶつけるようにして描いた秀作。 ランボーにレオナルド・デカプリオ、ヴェルレーヌにはロマーヌ・ボーランジェ、 監督は「敬愛なるベート-ヴェン」のアニエスカ・ホランドです(1995)。 そうですね、ひと言でいったら竹宮恵子の「風と木の詩」みたいな繊細さと暴力性、でしょうか。 デカプリオを見たくて映画館に行った人は、みんなヴェルレーヌのおっちゃんに目がテンだったと思います(実は若いんだけど、おっちゃんぽい)。 もちろん、レオもすごくいいんですよ。レオの狂気がなければ、この映画は成立しません。 また、その美しいこと。 ヴェルレーヌが肉感的な妻よりランボーに傾いた気持がよくわかる、というほどの説得力です。 既にフランス文壇で名を上げた紳士にして家庭もちのオトコが、 ランボーの底知れぬ魅力にどんどん引き込まれていってしまう。 それは、芸術の罠だったかもしれない。 はじめ、ちょっと生意気な若造にエールを送る、くらいの気持ちで自分の才能を分け与えていたつもりが、 いつのまにか彼の天才に自分がのみこまれる危機を感じ始める。 それは恐怖であり、畏怖であり、同時に至福の愛だったりもする。 社会と自分とに引き裂かれそうになるヴェルレーヌ。 ただ心のまま、野生児のように振舞うランボー。 観る人全員の胸をぐちゃぐちゃに引っ掻き回していきます。 いつのまにか、ヴェルレーヌに感情移入していく私。 誰もが自分の中に魔物を棲まわせている、 そのことに気づかされずにはいられない映画なのです。 ただ、終わり方がねー。 若いレオさまにヒゲつけて、「その後」を描くというのは、 ちょっと不自然でした。 (ラスト、ものすごーく駆け足だったし) *2006年10月19日のMixi日記をもとに書いています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.01.17 07:45:58
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