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gamzatti

2007.02.18
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カテゴリ:日本映画


「山椒大夫」は読んだことがなくても、「安寿と厨子王」は知っている、
そんな人は多いと思います。
だまされて母と離され売られ、働かされる幼い2人。
姉の安寿は、弟だけでも逃がそうと、自分が犠牲になる。
そして、弟は生き延び、最後に母とめぐり逢う・・・。

私は以前、原作「山椒大夫」を読んではいましたが、
「えらい姉さんだな」ぐらいの印象しかありませんでした。
でも、最近読み直してみると、ぐっと惹きつけられるものが・・・・・・。
森鴎外の思いのつまった一文一文は、簡潔・静謐にして鮮やか。
同じ明治の文豪とはいえ、
夏目漱石は好きだけど、鴎外はちょっととっつきにくい、と思っていた私は、
改めて鴎外の筆の確かさ・構成の見事さ、そして思いの深さに感嘆しました。

そんな私の目に、原作と映画は別のものに映りました。

溝口監督の作品では、安寿が妹、厨子王が兄で、森鴎外の原作と設定が逆です。
安寿が厨子王を逃がして入水するのは同じですが、
物語のウェイトは、厨子王の「その後」に大きく傾いています。

昭和29年という時代の色でしょうか。
虐げられた人々を救わねばならない、平等な世の中でなければならないというメッセージが強く、
関白への直訴や奴婢解放の触れなど、その時代の出来事として描くには少々無理のある展開に、
ついていけない人もいるかもしれません。

それでも、溝口監督が描こうとした厨子王の「もがき」は、胸の奥底にずっしりと残ります。
「これからは、お金で母や妹を幸せにできます」という厨子王。
奴婢解放の宣言をしながら、「ほめてくれますか?」と安寿を探し求める厨子王。
でも、安寿はもういないのです。

また、佐渡で厨子王に見出された母(田中絹代)は、
初め本物の厨子王だと信じず、すさんだ顔をしています。
それが本人だとわかった途端、その表情に希望の光が射します。
そして希望は次の希望を呼ぶのです。
「安寿は?」

希望を持たないことで不幸に耐えてきた人間が、希望を持った途端にそれを奪われる。
田中絹代の口元の、小さな変化がすべてを語り、心を揺さぶられました。

映画「山椒大夫」は恵比寿ガーデンシネマで2/23、24の二日間上映されます。

また、下のDVDに収録されています。

 溝口健二 大映作品集 Vol.1 1951-1954




*2006年9月のMixi日記をもとに、書き直しました。






Last updated  2007.02.18 11:01:19
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