ガムザッティの感動おすそわけブログ

2007/03/12(月)09:41

「プリンス・オブ・エジプト」と「十戒」

くらべて観る、くらべて読む(71)

プリンス・オブ・エジプト 「エジプトにいるヘブライ人(ユダヤ人)の男の子は全員殺せ」 という命令から生まれたばかりの我が子を救うため、 母が葦舟にかくして流したところ、 その命令を出した王の妻が拾って育てる。 その男の子がモーゼ。 長じて出自にめざめ、兄弟として育った新王と対立していく、という話です。 かの有名なチャールストン・ヘストン主演の映画「十戒」と同じく 旧約聖書「出エジプト記」が原典となっています。 つまり、完全なる宗教経典翻案アニメなわけで。 私みたいに、一種の「宗教アレルギー」がある人間は、 「聖書をアニメ化した!」とか宣伝されると敬遠してしまいがちですが、 「聖人」映画だと、比較的すんなり受け入れられるんだよね。 「空海」や「鑑真」も、「マザー・テレサ」も「ガンジー」も、 「神」じゃなくて「信仰篤い人々」の映画なら受け入れられるっていう考え方。 「十戒」も「旧約聖書」の映画じゃなくて、「モーゼ」の映画だと思っていた。 そこへ、「プリンス・オブ・エジプト」。 「エジプトの王子様」の話だと思って見るじゃないですか。 そこへ、モーゼ登場! 予備知識がまったくなかった私は、 「えっ、モーゼってこんな生い立ちなワケ? 大胆なフィクションやな~」 なんておバカな勘違いをしながら見ていました。 モーゼといえば、海が割れる、あのシーンしか知らなかったから。 あとから「十戒」をもう一度ちゃんと見たら、 アニメと寸分たがわぬストーリーでありました。 ていうか、アニメがリメイク? 「エジプトの王子」役は、ユル・ブリナー。そういえば、そうだったと思い出したー。 もっと前(1923)にも、同名の映画があったということで、 それも見てみたい人は、十戒 製作50周年記念版 を。二つの映画とも収録されています。 私は「聖人」の話として見る、と言いましたが、 アメリカでの「プリンス・オブ・エジプト」の見られ方ってどんなものなのかな。 キリスト教への信仰心が篤い親は、聖書の話だから、と安心して子どもに与えたかも。 小さい頃親に聞かされたお話をアニメで追体験した人もいたかも。 逆に、違う宗教を信じている人にとってはどうだったのか。 ディズニーだと思って、気軽に与えて、 あとから「えーっ・?」っと思った親もいるかもしれない。 このアニメを製作したドリームワークスは、 その立ち上げにスピルバーグが参画しています。 旧約聖書というのは、キリスト教の経典である前に、 ユダヤ教の経典。 ユダヤ系の彼にも、何らかのこだわりがあって作られたものなのでしょうか。 それとも。 私たちが、その元となる宗教のことなどあまり考えずに 昔話の一つとして「いなばのシロウサギ」を知ったりするのと 同じくらい色のないものなのでしょうか。 映画って、深い・・・。わからないこと、いっぱい。

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