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ガムザッティの感動おすそわけブログ

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gamzatti@ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

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gamzatti

gamzatti

2010.01.21
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初演のときはパスしてしまったので、
今回が初観劇です。
キャストの名前とアンドリュー・ロイド・ウェイバーの作品だ、
という以外、何の予備知識もなく、
あらすじまったく知らずに見ました。

それ、正解だったかも。
なぜかといえば、ミステリーだから。
ふと思い出したのは、
小学生のときに学校の図書館で片っ端から借りて読んだ
エラリー・クイーンとかの匂い。

だから、
ここではあらすじを書かずに感想だけを書くことにします。

まず、
キャストの歌唱力のアヴェレージが高い。
ウォルター=田代万里生、姉マリアン=笹本玲奈、妹ローラ=大和田美帆
の三重唱の美しいこと!
田代の代わりに白いドレスの女=和音美桜が入っての三重唱も
同じくらいきれい。
一分の誤差もない和声は、なかなか聴けるものではない。
夢の中でたゆたう感じ。
まさに天使の歌声である。

姉妹のお叔父に光枝明彦、
パーシヴァル卿はパク・トンハ、
パーシヴァル卿と同行するフォスコ伯爵が岡幸二郎。

岡はもうはじけて独壇場。
イタリア人(?)になりきって伊達男を歌い上げる。
ただ、
全部見終わって物語を理解して振り返ると、
けっこう複雑な役柄だったので、
陽気一辺倒で終わってしまう点は物足りなかった。
「この人いいモン?悪いモン?」と
最後までよくわからないままに終わった感がある。

その複雑さにケリをつけるのが、
ラスト近くに歌う「私はパーフェクト」なのだ。
これはマリアンが訪ねてくる前と後で、
歌い方が微妙に違わなければならない。
そうでなければ、
なぜマリアンを帰したのかが見えてこない。
「パーフェクト」と歌いながら、
パーフェクトになれなかった自分を歌い、
でもやっぱり今までどおりに生きていく自分を奮い立たせる、
そんな歌い方をしてくれたら、
ほんとに「パーフェクト」だったのにな~。残念。

実は私は今回、田代くん狙いだった。
「ブラッド・ブラザーズ」で初めて聞いた清清しい声をもう一度聴きたくて
チケットを取ったのだ。
冒頭にも書いたが、彼は本当にシュアでいい声をしていると思う。
まだちょっと線が細いので、
これからいろいろな役を経験して
ぎょっとするような側面を見せてくれるとうれしい。

今回はローラとマリアンから惚れられるのだけれど、
ウォルターの運命的な恋愛に、
すべての困難をくぐりぬけ、いかなる誘惑があっても揺るがない、
というほどの強さを
なかなか感じられなかった。
誰かを愛している、というよりまだ恋に恋している
そんな感じの青年だ。
これがほんとに彼にとってのハッピーエンドだったのか、
いぶかしがる観客としての自分が残った。

その点、
強い恋慕を抱きながら
自分にとって大切なものは何か、
人間として、とるべき道は何か、
常に葛藤を見せながら進んでいくマリアンを演じた笹本玲奈はさすが。
一番年齢は若いが、
ちゃんと30代のお姉さんになりきっている。
年齢よりキャリアがものを言っているのだろう。
ミュージカルの主役をいくつも経験して身につけたものは、
彼女を特別な存在に高めている。

難しい音階の多いアンドリューの旋律にのせて、
すべてのセリフを歌うように語る笹本。
前半は声量抑え気味だが、
それは役柄自身が抑え気味な出番だからにすぎない。

「♪ど~んなに~、…」とワンフレーズだけ切れてしまっても、
マリアンの心情は伝わってくる。
まだ25歳なのに。
すごい人である。

「ウーマン・イン・ホワイト」
東京公演は青山劇場で1/24(日)まで。
大阪公演はシアターBRAVA!で1/30(土)、1/31(日)。





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Last updated  2010.01.21 11:24:51
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