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ガムザッティの感動おすそわけブログ

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歌舞伎・伝統芸能

2014.04.12
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カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
今月の「桜丸切腹の段」は、住大夫引退狂言です。
引退するときは、口上を述べることがよくありますが、
今回は住大夫が固辞したと聞き及びます。
本当はもっともっと語っていたいのに、
自分の力が衰えてきたことを自覚しての無念の引退であるため、
とも聞こえてまいります。

私が文楽にぞっこんはまってから、まだそれほどの年月はありません。
その短い間でも、
住大夫の衰えぶりははっきりとわかるものがあります。

ちょっと前の住大夫の豊かな語りと比べると、
声量の低下、声のかすれ、高音の不安定さは
私のような文楽初心者にも、「あれ?」と感じるくらいなのです。

それでも、
先月の「堀川猿廻の段」での老婆の語り口の優しさは絶品だったし、
今月の「桜丸切腹の段」、
その前の大夫の平板な語りに比べ、
第一声のうなりからして劇場中にその声が轟く凄まじさに、
「衰え」ているのは一部分であって、
まだまだ語ってほしい、まだまだ演じてほしいと思うのでした。

私の席は床に近かったこともあり、
気がつけば目は住大夫の口元にくぎ付け。

唇も舌も顎も、なんと大きく柔らかく、縦横無尽に動くことでしょう!

この奥深い筋肉の動きから、大夫の錦織のような語りが生み出されるんだ、と
今頃になって気づくのでした。
決して大声を出しているわけではないけれど、
劇場中にその「うなり」は鳴り響くのです。
ささやくような声も、また。マジック。

若手の語りは、どんなに声を張り上げても、声音をつくってみても、
唇も舌も喉も、住大夫の3分の1も動いていません。
動きも扁平なら、声の質も扁平なのです。

いわゆる「変顔による小顔エクササイズ」ってありますよね。
あの威力です。
筋肉は使わなければ動けない。
私たちの日常は、大夫の語りほどの喜怒哀楽を表さなくなっている!

だからこそ、
大夫の名調子に表れる爆発的な感情の発露、
それも何人もの登場人物のそれぞれの気持ちを揺れるがごとくに語り分ける
浄瑠璃の凄さに私は打たれてしまったのだと
今回初めて思い当りました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

引退する住大夫に勝るとも劣らぬ語りで
通し狂言「菅原伝授手習鑑」の最終の場面「寺子屋」を
1時間半熱演した嶋大夫が
惜しくも病気により休演されたということを知りました。

代役は千歳大夫。好評のようで何よりですが、
(1)(2)でも語りました通り、
私は今回の通し狂言で、
嶋大夫の「寺子屋」があればこそ満足して帰ることができた口です。
だから、
せっかくチケットをとりながら、彼の名調子を聞けなかった方々が
本当に気の毒でならない。

同じ通し狂言でも「伊賀越道中」では、
前半の「沼津の段」が住大夫、
後半は「岡崎の段」が嶋大夫で、昼夜ともに大満足だった。
今回は、住大夫、嶋大夫とも夜公演なので、ちょっと偏りを感じたのだけれど、
その嶋大夫も休演というのは、本当に残念。

まだ後半長いので、
お元気になっての復活を心から願っております。
また、
来月の東京公演でもあの熱気こもった語りを必ず見せていただけるよう、
祈っております。






Last updated  2014.04.13 15:36:36
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2014.04.10
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
「かもめブックス」に
「歌舞伎を身近に楽しむヒント」の第2回がアップされました。

http://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents.php?c=8


「女性の視点で読み直す歌舞伎」の講座第二期も4/15(火)から。
今回は「女性のヤキモチはどう描かれてきたか」に焦点を当てます。

http://www.gamzatti.com






Last updated  2014.04.11 11:50:51
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2014.04.08
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
菅丞相といえば、私にとってそれは片岡仁左衛門なのです。
だから、はっきり言って、文楽のお人形の、孔明のかしらにはちょっと違和感。
でも今回、そんな「お顔」云々ではなく、
この菅丞相というお役がどんなに大変か、心の底から思い知った。
品格と威厳と、絶対正義と、下々から慕われる慈愛と、
その上神がかりにさもありなんと納得できるような器量。
こりゃ、仁左衛門だからできるのであって、
ニザ様が、いつもこのお役をなさるときは、
身を浄めて臨まれるという意味がよくわかった。
これ以降歌舞伎でも誰ができるのか、すごく心配。

というのも、今回菅丞相の語りには、どの段もまったく満足できなかった。
通しということで、大夫、フルキャストなわけです。
引退狂言の住大夫は桜丸切腹、
嶋大夫はオーラス寺子屋を90分語りまくり。
どちらも菅丞相は出てこない段。
「天拝山の段」は迫力はあったけど、
ここは通常の菅丞相とは趣が違う。

大内、筆法伝授、道明寺でのいずれも菅丞相の佇まいは、
平板で畏敬を催す無言の気迫に欠け
若き(あるいは中堅の)大夫には荷が重かった様子。

この菅丞相、
決して「素敵なおじさま」じゃないんです。
「悪いことしてなければ大丈夫。絶対神様が見てるから」の一辺倒で、
その上どんなに可愛い身内でも家来でも「一個でも悪さしたら許さない」厳しさ。
理論武装だけは後ろから刺されないよう、ものすごく用心深いんだけど、
「自分の潔白を保つためには身内も切る」の残酷さがあって、
そのため源蔵も勘当されるし、
苅屋姫とも会おうとしない。
この、能面のような冷徹さが、昼の部ラスト「丞相名残の段」の最後でのみ破綻する。

…ここ、ニザ様が最高でありまして、
今回の文楽ではまったく心が動きませんでした。

それよりも、
姉妹を助け、夫に殺される立田姫が最高。
これは人形遣いの勘彌がよかった!

寺子屋では源蔵の和生、松王丸の勘十郎もさることながら、
千代の紋壽が素晴らしかったです。






Last updated  2014.04.08 12:01:07
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2014.04.07
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
竹本住大夫の引退狂言であり、
国立文楽劇場開場30周年記念公演でもある今月の演し物は、
「菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅ・てならいかがみ)」。
それも通しです。
歌舞伎でもよく出る演目は
「車曳(くるまひき)」「賀の祝」と「寺子屋」で、
時々「道明寺」「筆法伝授→築地の段」が出る程度。
この前「花組芝居」がダイナミックに全通しをやってのけたのを除くと、
序幕に当たる「大内の段」と太宰府が舞台の「天拝山の段」は
歌舞伎でも文楽でも、私は初めて観ました。

通しのよいところは、
登場人物の人となりがよくわかるところ。
「寺子屋」の主役たち、源蔵や松王丸の苦悩がどこから来るか、
すごくよくわかります。

今回は、
「筆法伝授」での源蔵の血気にはやる振る舞いから、
何の罪もないその日会ったばかりの見知らぬ子どもとその母でも、
「お主のため」には斬って捨てるという激しさに一貫して響きました。

いつもは弱々しく聞こえる「せまじきものは宮仕え」の台詞も、
ちょっと違ったニュアンスに思えました。
大体、自他ともに認める筆法伝授候補筆頭だったのに、
ご法度の社内恋愛で全てパーになった人です。
その人が言う「せまじきものは」です。
筆法は伝授されても、勘当は解けない。
マックスお仕えしないと、自分の気持ちは汲んでくださらない。
ああ、せまじきものは宮仕え。滅私奉公だわ。

松王丸にしても、
自分が望んで藤原時平の家来になったわけではなく、
ただ三つ子が三カ所に振り分けられただけなのに、
時平への義と、名付け親の菅丞相への孝とに引き裂かれる。
実の親、白大夫もひどいなじりようで、言い訳にも聞く耳持たぬ。
自分の負ったマイナス点をはねのけるには、
子どもの首を差し出すしかなかったのね。

その松王丸が、叫ぶ「それにつけても桜丸が…」の悲痛。
俺は子どもがいたから汚名を注げたけど、
お前は何もできないままに死んでしまったね。
よかれと思って上司の恋の橋渡しをしただけなのに、
上司の判断の甘さに敵に付け込まれてしまった。
その無念さをもっとも理解できるのは、松王丸なんだ。

どちらにしても、「百姓出の」「牛飼いの」「下の下の」身分の人たちが、
貴人のために自分や子どもの命を捧げなくてならぬまでに追い込まれる
そういう無念さ満載。

菅丞相についてや大夫・人形遣いなどについては、改めて書きますね。







Last updated  2014.04.08 09:27:15
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2014.04.05
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
市川海老蔵が南座で、新しい試みに挑戦しています。
「源氏物語」を構成するにあたって、
能・オペラから一流の方々を客演に招きました。
また、
女性である妹の市川ぼたんも藤壺役で出演しています。

以下、観劇の感動をもとに書きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

碧眼のカウンターテナー、アンソニー・ロス・コスタンツォが
狩衣・指貫を来て天使の歌声を聞かせる!

枝垂れ桜の前で、源氏と藤壺が睦み合う! 藤壺はぼたんさん。

桐壺帝の威厳は能楽師片山九郎右衛門。
青海波は歌舞伎の海老蔵と能の味方玄の二人で!

「夕顔」では、夕顔をとり殺す六条御息所を能楽師二人が
小面と般若の二つの面で表す!

源氏と夕顔の行く手を阻むように、
音もなく近づく御息所の九郎右衛門がぞっとするほど恐ろしい。
小面の九郎衛門が源氏を誘惑する間、
般若の味方玄は夕顔をなぶり殺す。
まるで、ガムザッティにソロルを奪われて毒蛇にかまれたニキヤみたいだった…。

アンソニーのカウンターテナーも素晴らしいが、
邦楽の囃子方ももちろん負けていない。 艶の美声!
後半、
藤原惟光役のアンソニーが夕顔の死体を運ぶところに、
清元がかぶるところはもうほんとにボーダレス!

日本の四季の美しさを後世に残したい、という海老蔵は、
この花盛りの京都の真ん中で、
舞台上でも大きな枝垂れ桜を活けさせて見せるのです。

日本の伝統芸能がタバになって、世界へ羽ばたいて行く感じです。

出だしと終わりは紫式部(孝太郎)が物語をするので、
どうしても説明的になりますが、
「青海波」と「夕顔」は、これ以降、「見取り狂言」として生き残るのでは?

特に「夕顔」は、
平安時代の「源氏物語」が室町時代の能「野宮」を生み、
そして歌舞伎にもつながった。
一つの題材を各時代の芸能が極めていったその重層性を
ここに一つに仕上げた感がある。

市川團十郎の家はその昔、
能「安宅」から松羽目物の歌舞伎「勧進帳」を作り上げた。
今回の「源氏物語」では、
「能」だけでなく「能楽師」も板にのせ、競演するところが
もう一段踏み込んでボーダレスにしたと感じられるところ。

そして海老蔵が「おれが、おれが」で全面に出ていないところがすごい。
もちろん、
光の君は海老蔵だからこそ光り輝くのだが、
どちらかというと、
歌舞伎はその「なんでもあり」の性質を使って物語を大きくまとめるための道具でしかなく、
海老蔵が好き、歌舞伎が好き、で南座に来た人はきっと
能の幽玄さ、オペラ歌手の荘厳さに触れ
能を、オペラを見てみたくなったのではないでしょうか。

「三升景清」を見て、海老蔵のプロデュース力、
歌舞伎に対する正攻法な向き合い方に感じるところがあり、
花道のすぐ横という良席で初日に観ることになった「源氏物語」。
正解だと思った。

彼は、自分をよく知っているのである。

「みな、私を見るのではなく、私を通して死んだ母を、桐壺の更衣を見ている」という源氏の言葉は、
そのまま
「私を通してこれまでの市川團十郎の芸を期待している」という海老蔵の叫びでもある。

荒事を旨とする成田屋の御曹司としては、
海老蔵の裏返ってしまう張り出し声やセリフ回しは、常に批判の矢面にさらされる。
しかし、囁くような声は滑らかで、美しく、静寂の劇場によく響くのだ。
光の君の抑制された声もとてもよかった。
「私は私の思うままに。それが、私の定め」という光の君の言葉をかみしめつつ、
この興業の成功と、
これからの彼のプロデュースにますます期待する。

おそらく、
彼は勘三郎のようなアイデアマンとして興業を打っていくことだろう。
芸の継承・伝承という意味では、
勘九郎のようなきっちりとした芸を深めていく必要があろう。
だからこそ、
今の花形役者たちは非常にバランスがとれているのではないだろうか。

彼らが歌舞伎界を引っ張っていく時代になったとき、
彼らの今の歌舞伎に対する意欲は、大きな花を咲かせていると思う。

とにかく、
もし行こうかどうしようか迷っているのであれば、
ぜひ、おいでください。南座へ!






Last updated  2014.04.08 13:25:00
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2014.03.11
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
「能の原点は災害の後の勧進能」
「能とは鎮魂の芸術」

観世流家元である観世清河寿(清和改メ)さんが
以前お話をうかがったときにおっしゃっていた言葉です。

今日は3月11日。
あれから3年経ちました。

観世能楽堂で行われた「能と文楽」の夕べは、
単に能と文楽がともに行われるだけではなく、
「キリシタン能」と「ゴスペル・イン・文楽」という
能、文楽、キリスト教、のコラボレーションでした。

戦国時代、キリシタン大名の下よく行われていたという
「キリシタン能」は、
キリスト教が禁じられたことによりまったく姿を消し、
どういうものだったかわかっていないといいます。

小学生のときに「キリシタン能」を教科書で知った家元は、
いつかこれを復活したいと思っていたそうで、
林望さんに創作能を委嘱したとのこと。

今回は再演にあたり、狂言をはさんで前シテ、後ジテと
形も本格的にしての上演です。
「聖パウロの回心」。
弾圧側だったパウロ(サウロ)の物語です。

いやー、よくできてた!
というか、
その迫力に圧倒されました。

けっこう間際にチケットをとったのですが、
上手隅とはいえ前から2番目の席というラッキーさもあり。

サウロ役の家元もですが、
ユダヤ教大祭司役の森常好の第一声の貫禄!
また、ダマスコの里人として狂言への橋渡しから登場するのは
野村萬斎。

お囃子がまた、素晴らしく。

今までも、能を一度も観たことがなかったわけではないですが、
今回はよかったなー。
はまりそうです。

文楽は、主遣い(おもづかい)も含め、全員黒衣で臨みました。

能楽堂での上演ということで、
足元まで全部見えるし、いろいろ勝手が違います。
いつものように主遣いだけゲタをはいて
背丈を調整することもできないので、
足遣いの人は腰をいつも以上にかがめて大変。

文楽のほうは「イエスキリストの生涯」。
いわゆる「キリスト物語」で、
マリア受胎と誕生~奇跡~裏切り~磔刑~復活の五段。
クリスマスに教会で見る宗教劇です。

前説で高原剛一郎さんが
「キリシタンはキリストの教えを
自分たちになじみのある芸能を通じて受け取った」というのが
本当によくわかりました。
(高原さんの関西弁の前説が、「漫談」でもあり「説教」でもあり、
これまた一つの「芸能」でありました!)

特にゴルゴダの丘、十字架を背負って歩いてくるところからは
人形も義太夫も太棹も、すべてに気迫がみなぎって背筋が寒くなるほど!
(キリストはかしらが検非違使ではないかと。
 文七のような感じもするが
 十字架を背負うキリストは、まさに碇知盛だから!
 お囃子の迫力も、そうだから!)
全身黒で顔が見えませんが、
キリストの主遣いは、桐竹勘十郎さんでした。

…というわけで、とても有意義な夕べでしたが、
20分休憩があったとはいえ3時間以上、内容もハードで
途中ちょっぴり意識が飛んだ時間もありました。

文楽のほうの企画制作、そしてメインで浄瑠璃を語ったのは
豊竹英大夫。

英大夫が幼い娘さんを医療過誤で亡くされたことを
今回初めて知りました。
出口のない苦しみの日々に出会ったキリストの教え。
この「ゴスペル・イン・文楽」は
彼の受難から生まれた作品なのです。

太棹をバックに聞こえる「ハレルヤ~、ハレルヤ~」は、
序盤はちょっと奇異に感じましたが
キリスト復活の最終局面でまた聞こえてきた「ハレルヤ~」の
なんと素晴らしいこと!

私はキリスト者ではありませんが、
東日本大震災のあったこの日、
さまざまな事情で愛する人を失くされた方々の悲しみ、苦しみが
洗い流されていくような浄瑠璃でありました。

芸術の力を、また、一つ、体感した日となりました。
合掌。


 






Last updated  2014.03.13 10:08:32
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2013.12.15
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
ご連絡の手段なく、こんな呼びかけですみません。
1/20(金)に歌舞伎座昼の分のチケット1枚あります。
2階最前列です。
ご興味ありましたら名刺のメールにご連絡ください。
よろしくお願いいたします。







Last updated  2013.12.15 16:27:11
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2013.11.04
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
なんと!
「仮名手本忠臣蔵」について、講座を持たせていただくことになりました!


歌舞伎ビギナーを対象に、
忠臣蔵に出てくる女性たちの生き方を、
現代の女性にも通じる「わかる!その気持ち!」を大切に紹介していきます。

場所は歌舞伎座のとなりのビル、
「GINZA。楽学(らくがく)」という講座で始めます。

講座は1回だけで完結して、3000円。
もちろん、ビギナー向けですから、歌舞伎観劇のイロハつき。

12月6日は昼、1月21日は同じ内容を夜やります。

今回は、11月、12月と歌舞伎座でかかっていることもあり、
「仮名手本忠臣蔵」をとりあげていますが、
「女性の視点で歌舞伎の物語をよみといていく」この講座、
2月、3月と、この後も続いていきます。

月に1回、昼と夜で同じ講座を開きますので、
ご都合のよい時間帯にどうぞいらしてください!







Last updated  2013.11.14 11:49:47
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2013.04.05
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
第三部は「盛綱陣屋」と「勧進帳」。
「盛綱陣屋」は、仁左衛門の盛綱。
彼の、義太夫の体現が手堅い。
また、首が弟高綱ではなかったとわかったときの、
七変化ともいえる顔の表情の刻々と移り変わるさま!
3階からでも見てとれた。
母の東蔵はいつもながら優しさが溢れていた。。
伊吹藤太の翫雀は、動きの切れが半端なくて、
この人は、手を抜かない人だな、と感心。
そして、
なんといっても我當演じる北条時政がよかった。
顔も立派、声も立派。
圧倒的な大きさ、憎々しさ。
こういう役ができる人は少なくなってしまった。
我當はしばらく前から足の具合が悪く、
この先が少し心配である。
小四郎役の金太郎は、
前半はちょっとおぼつかなかったが、
飛び出して切腹するところからはよかった。

「勧進帳」は
弁慶が幸四郎、冨樫が菊五郎。
この菊五郎が素晴らしかった。
やはり弁慶と冨樫が拮抗していると見応えがある。
見応えといえば、四天王。
左團次、染五郎、松緑、勘九郎。豪華な顔ぶれだ。
若手三人はそれぞれ弁慶や冨樫として、
いつかは歌舞伎座のセンターを担うべき人たち。
この脇の厚みこそ、杮落し公演ならでは。
当初の予定であれば團十郎が弁慶だったから、
團菊が対峙し
市川宗家が音羽屋、高麗屋、中村屋の筆頭花形立役を率いるという
荘厳極まる座組なのだ。
正月の浅草歌舞伎とは比べぶるべくもない、
これ以上はないといっても過言ではない夢のキャスティング!

中でも染五郎がよかった。
父幸四郎を相手に冨樫の経験もあり、
その辺りが弁慶の動きをしっかり受けての演技に通じたか。
彼は、存在感を出してはいけないところでは出さず、
自己主張せずに弁慶をはじめとする共演者と呼吸を合わせるのが絶妙だった。
それに比べると、勘九郎はいまひとつ。
船弁慶で舟子をやった七之助につながるが、
脇の経験が少ないのかもしれない。
姿勢のシンクロや発声など、さらなる緻密さとたっぷりさを期待する。

「勧進帳」に関しては、
六方で花道を引っ込むときに手拍子が起こることに賛否両論かまびすしい。
私は手拍子には加わらなかったし、違和感を持つ一人だが、
でも歌舞伎を初めて見にきた人たちが、
あそこで手拍子したくなる気持ちはわかる。
もっといえば、
邦楽の調べの中に、そういう高揚感を見出した、
いや、自分の中に、邦楽のリズムに響き合う部分を
見出してくれたこと、
それは歓迎すべき現象といえるのではないか。

思わず手拍子したくなる人たちに眉をひそめるよりは、
歌舞伎を知り尽くしているはずの大向こうの面々が
「熊谷陣屋」での虚しい「弥陀」への引っ込みを前に
「たっぷり!」とか「待ってました!」とか、「大当たり!」などと
得意げに声をかけるほうが、よっぽど顰蹙ものである。







Last updated  2013.04.07 08:32:49
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2013.04.04
カテゴリ:歌舞伎・伝統芸能
新しい歌舞伎座に行ってまいりました。
まずは第一部。
最初の演目は「壽祝歌舞伎華彩〜鶴寿千載」。
王朝絵巻のような色鮮やかな勢ぞろいは、
まさに「華麗」な「彩色」!
お祝いにふさわしい幕開きでした。
でも、
色とりどりの衣裳に負けない純白の鶴がすごかった。
これは、とにもかくにも藤十郎の神々しさが光りました。
本当に鶴の精そのもの!
出てきたときから退くまで、人間ぽさをまったく感じない。
お顔がもう天女さんみたいでした。

次の演目は「お祭り」。
「待ってました!」と声をかけられない寂しさ。
「待っていたとはありがたい」。そう言って帰ってきてくれるはずだった、
その人がいない。
不在の在ばかりを感じてしまいました。
ただ、初お目見えの七緒八くんの堂々ぶりが、
中村屋の明日を垣間見せてくれてうれしかった。
扇を使ってちゃんと見得を切ってました。
お父さんや叔父さんの舞もじっと見ていて、
ときに真似るように手が動いたりして。
大物になりそうですね。

最後は「熊谷陣屋」。
吉右衛門の熊谷直実は、かなり抑え目な演技。
藤の方には、初役の菊之助。これがよかった。
品がありつつ、母としての必死さが伝わってきた。
吉右衛門との息の合わせ方も絶妙で、
それが緊迫感を醸し出していたのだろう。
相模は久々の玉三郎。
打掛のさばきとかがちょっともたついて、
玉三郎らしからぬところがあった。
息子が身代わりの首となったことを知ってからは、
嘆きの深さをリアルに演じていた。
そこが魅力的でもあったが、夫直実の抑制と対照的すぎて、
全体のバランスというか、大きな流れが少しちぐはぐで、
最後は盛り上がりに欠けたような気がする。
そのため、後半は仁左衛門の義経の大きさが
目立った。
弥陀六と義経の物語に決着がつくと、
直実の出家など付け足しみたいになってしまった。
バランスというのは、大切だとつくづく思った。

新しい歌舞伎座は、ほんとに前の歌舞伎座に
そっくりで、
まったく違和感を感じませんでした。
でも、
時々ガランとした空気感を感じる。
長年積み重なった埃のようなものが、
あちこちの「隙間」を埋めていたのかもしれません。
この劇場も、これから育っていくのだ、
これから歴史が始まるのだ、と思った。










Last updated  2013.04.06 22:59:42
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