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伝説の相場師・ギャン師匠と共に

伝説の相場師・ギャン師匠と共に

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【損切りの水準を決めておく】

損切りの水準を決めてから、投資をすべきだという意見がテクニカルのトレー
ディングをする人たちを中心にして出てきています。

そこで、ある銘柄を研究する際には、下落リスクがどの程度で、上値の余地が
どの程度で、いま、株価はどの程度という大まかな読みと、そうならなかった
ときの対策が必要になります。

たとえば、PBRの低い銘柄であれば、こういうことができます。
TDKであれば、PBRは4,500円程度でしょうか。(うろ覚え)
それが安値の目処とします。いま、5,000円とします。また、目標とする株
価は6,000円程度と設定されるとします。

そうなると
目標  6,000円
いま  5,000円
底値目処4,500円

この場合は「買い」ということになります。
なぜなら、リスクは500円でリターンが1,000円ですね。
リターン÷リスクは2倍です。

しかし、できれば4,800円程度で買いたい。
そうなると、リスクとリターンの関係は劇的に改善します。

目標 5,800円(控えめ)
いま 4,800円
底値 4,500円(PBRのストッパー)

そうなるとリスク300円でリターンは1,000円。リターン÷リスクは3倍以上です。


【リスクは限定できる】

重要なのは、底値を割ったら、すぐに撤退をしなければならないという鉄則で
す。このケースでは4,500円には「いかない」という前提で買いますが、もし
行ったら、売りです。これが損切りです。損切りの意味は、損失を確定できる
という意味です。

絶えず、どのトレードでも、このリターン÷リスクが何倍になるかを想定し
て、相場に参加されるのが一番よいわけです。

300円(100株単位)の損をポートフォーリオの2%程度にとどめたいなら、ポー
トは、30,000円の50倍の150万円ということになります。

150万円の運用資金で、TDKを100株買うのはリスクを2%に限定することになり
ます。なぜかというと4,800円のTDKは4,500円になれば強制的に投げるからで
す。投げるという前提があるから、リスク管理が可能になったということがお
わかりでしょうか。

これがポジションサイズのお話です。株式運用資産が1,000万円なら、とれる
リスクは同様に2%。1億円でも2%程度とすれば、10回程度の連続の失敗もま
だまだ挽回のチャンスがあるのです。もちろん、一回、一回のトレードのリ
ターン÷リスクの倍率が重要になるのですけど。

多くの方が失敗をするのは、下がれば下がるほど買いという錯覚に陥るからです。
下がったら撤退すべきです。
下がれば買いというのは、リスク管理ができなくなります。下がればしっかり
と撤退というリスク管理さえしていれば信用取引だって怖いものではないとい
うことがわかります。しかし、下がれば買いで信用をやればすぐに破産してし
まうでしょう。

⇒TDKが4,500円になったら、もう100株買う。そうなると、もはや、
リスクの管理はできないということになります。2%と決めたポジションサイ
ズが4%になるばかりか、下値の目処が見えなくなりました。そこで運良く上
がったとしても、得られるものは、わずかです。

まず、ご自身の銘柄の上値と下値の余地をしっかりとイメージして、リターン
とリスクの関係を無理やりはっきりさせること。そして、下がれば撤退をすること。

適正なポジションサイズを心がけること。そうすれば、月々のキャッシュフロ
ーがプラスになっていれば、挽回のチャンスがあります。

チャンスは無数にあるわけです。

ただし、ポジションサイズが小さいと、取引回数が少ない場合には、リターン
が得られません。ですが、大きなサイズでドンパチやるよりはずっといい。
アイデアを50出すのは大変ですね。

そこにプロとアマの違いがあって、時間がなくて資金が少ない方々は取引数が
少なくポジションサイズが大きいということになってしまう。それはとても不
利なことなのです。できるだけ時間がつくれて、できるだけのアイデアを持
ち、できるだけポジションサイズを小さくできれば、リターンに直結するはず
なんですけど、実践は難しいんですね。プロは100回トレードすれば40%程度
勝てばいいんです。損切りをしていますから、リターン÷リスクで2倍、3倍の
平均値を使っている。3倍なら、勝率40%でいい。損切りをすれば勝率は下が
ります。それは仕方がない部分です。
アマは100%勝とうとしてしまう。そうなると、ナンピンで、身動きがとれな
くなりアウトになるかもしれない。勝率を意図的に下げるという戦略がコツな
のです。

機関投資家としての、わたしの立場上、個別銘柄の話はなかなかできないです
が、テクニックや考え方の面で、もう少し、参考になる話をすべきだったと思
い、このごろ、こういうお話をするようにしています。


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