2007/03/12(月)23:09
大統領と総統
今日はマニアな言語ネタを少々。アメリカの国家元首のことは「大統領」といいます。一方、台湾の国家元首は「総統」といいます。この二つは両方とも英語でいえば「President」。本来はアメリカも台湾も「大統領」といってもいいわけです。中国語で「大統領」のことは「総統zong3tong」というわけで、「ブッシュ大統領」も「美国総統布什」のように「総統」になります。ということで中国語では「大統領」も「総統」も「総統」とひとつの単語です。日本語はこういうときに中途半端にもとの言語の言い方を尊重したりするので、本来同じ言葉のはずなのに違う単語を使ったりするわけです。特に漢字圏の言葉の場合は漢字で書かれたものをそのまま日本語読みするのでややこしくなる場合があります。仕事柄、中国語を翻訳することがよくありますが、中国語の役職など、翻訳を見せる対象によって言い回しを変えたりする必要があったりします。例えば、日本語で言えば「大臣」になる政府の○○部の「部長」(例えば「商務部部長」=「商務大臣」など)など、中国語の全くわからない人には「大臣」と訳しますが、ある程度中国の経験がある人や現地にいる日本人はそのまま「部長」と言うのが常です。中国語の「総経理」は日本語では「社長」「総支配人」といった感じですが、現地にいれば日本語でそのまま「そうけいり」と訳します。「総経理」は「General Manager」の直訳ですから、本来「総支配人」、場合によっては「社長」でなく「所長」や「事業部長」の場合もあるので、さらにややこしいです。中国を知っている人とあまり知らない人が同席しているような場で翻訳するのはどちらに合わせるか悩ましく思ったりもします。韓国なども役職などは通常は漢字語ですが、例えば「外務大臣」にあたるのは「外交通商部長官」。韓国語でも「○○省」は「○○部」といいますが、「大臣」は「長官」といっています。中国の「外務大臣」は「外交部部長」。「日中韓3カ国外相会談」などとまとめていう場合は「外相」といったりしますが、各国の大臣を呼びかける場合、日本のは「大臣」、中国は「部長」、韓国は「長官」になりますので、そういう会談が行われる場合の各国語の通訳はどのように言っているのか関心があったりするわけです。※紫色は日本語、緑色は中国語、ピンク色は韓国語ですちょっとわかりにくい話になってしまいました。マニアな話でした・・・人気blogランキング
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