Garage43 blog

先日、スイスポにパッセンジャープレートを取り付けました​が、唯一気に食わなかったのが取り付ける時に使ったネジの素材。

ホームセンターに行って、超低頭のネジを買ってきたのですが、超低頭ネジがステンレス製のモノしかなかったんですね。他に取り付け方法を思いつかなかったので、仕方なくステンレス製の超低頭ネジを使用したのですが・・・


パッセンジャープレートはアルミ製。

本来は同じ材質のネジが使えればよいのですが、アルミ製のネジって、ほとんど目にしないですよね。軽いけど弱いので、使用用途が限られているからだと思います。

金属を締結する時、何故同じ材質のネジやボルトを使うのが良いかというと、金属個々のイオン化傾向の差（電位差）が原因で電食（腐食）するからです。

イオン化傾向の高い金属（陽極）が腐食するんですね。

これを、「異種金属接触腐食」​と呼びます。

この電食を起こさないようにするためには、イオン化傾向の近い素材を選ぶ必要があります。

そんな時に役立つのがこの表、俗に「電気化学的ポテンシャル表」と言います。





（​http://t-sato.in.coocan.jp/index-j.html​より抜粋）


この表における組み合わせで、数値が0.6以上の組み合わせはNGで、できれば0.35未満に抑えると電食を気にしなくてよいということになります。

パッセンジャープレートがアルミ製で、今回やむを得ずステンレス製のネジを使用しましたが、ステンレスは主成分が鉄で、クロムやニッケルなどを混ぜた合金鋼です。

仮にネジの素材が高クロムステンレス鋼だとした場合、アルミとの組み合わせで0.55という数値になるので、電食の可能性を考慮すると、このネジの使用は避けたいところです。

では何が良いか？ということで表を眺めると、
表の左から4番目のアルミニウムの列を下に降りて行って・・・0.15の所にある亜鉛メッキ鉄/鋼が良いというのが分かります。

この亜鉛メッキ鋼の表面に、さらに酸化を防ぐためにクロメート処理した材質に、「ユニクロ」と呼ばれるものがあるのですが、これがアルミ素材の締結に良いという結果になります。

思えば、パッセンジャープレートの固定用に付属していたネジとプレートナットが、明らかにユニクロ製（青みがかったシルバー）でした。








ホントはこのユニクロの超低頭ネジを探してたのですが、見つからなかったんですよね。

パッセンジャープレートは、雨に濡れた靴で踏んだりもしますから、水分が付けば当然電食が進むので、やはりステンレス製のネジは使わない方が良いわけです。

ではユニクロのどんなネジやナットを使えば、あまり突出したりせずに締結することができるか・・・というのが悩みどころでした。

元々付属していたプレートナットみたいなのは、ネジ山が少なくてすぐに駄目になってしまうので、あんまり使いたくなかったんですよね。

かと言ってフロアマットの裏にあんまり凸部を作りたくなかったので、どうしようか悩んだ挙句、フロアマット裏に超低頭ネジを使って、表側にフランジナットを使ったのです。

他にもっと良い方法があれば・・・と、Amazonでユニクロのネジやナットを眺めること数時間、Tナットなるものを発見。

何に使うかイマイチ想像ができないナットですが、これならマットから抜けることもなく、きちんと固定できるのではないか？

素材は炭素鋼+亜鉛メッキと書いてあるので、ユニクロではないですが、問題ないでしょう。


というわけで、ポチっとしました。

ついでに、ユニクロのトラスネジも。


さて、届いたＴナットがこちら。





一番広いフランジ部分が直径15mm、厚さ1.3mm

高さが8ｍｍで、Ｍ5のネジ穴分部の外側が直径6.5mmです。

思った以上にネジ部分が薄いので、とてもいい感じです。



試しにトラスネジを締めてみると、こんな感じになります。







フランジ部分が丸いので、どうやって固定するんだろ？トラスネジを締めると共回りしちゃうんじゃないだろうか？？？という疑問を感じつつ、まぁペンチで掴んで固定すればよいかと。







とりあえず、今まで固定していたステンレスのネジを取り外して、マットの穴に裏からＴナットを差し込みます。


で、パッセンジャープレートをトラスネジで締結。トラスネジはM5×10mmにしました。

右が今までのステンレスネジを締めていたッシャー+フランジナット、左側が今回取り付けたTナット+トラスネジです。

フランジナットからトラスネジに切り替えたことにより、頭がだいぶ小さくなって、靴の引っ掛かりもほとんど気にしなくても良くなったのではないでしょうか？







電食にも強くなったはずだし、これでバッチリですね。